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『刑事マードックの捜査ファイル シーズン1#8 美貌の罠 Still Water』 (1316文字)

 カナダの大ヒットミステリ『刑事マードックの捜査ファイル』のシーズン1の第8話「美貌の罠 Still  Water」の感想を書きます。

 原題のStil Waterは、水道水のことのようです。ほかにも意味がありそうですが、水道水の方がこの回にしっくりきます。
 また、邦題の美貌の罠は、しっくりきません。事件は(日本語訳で見る限り)ヒロインの美貌が事件に与える影響は大きくはなさそうに思います。また、今回の事件に罠が存在したという形跡も見当たりません。

 ドラマの冒頭で、マードックは嘘発見器の実演を行います。現代の嘘発見器は(テレビドラマ等で見る限り)、紙(グラフ用紙風のロール紙)に折れ線グラフが描かれ、その振幅の大きさで嘘かどうかを判別するようですが、マードックが実演している嘘発見器は青色に着色されたアルコール(多分)が螺旋ガラス管の中を上昇することで、被験者が嘘を言っていることを示すという仕掛けです。

 被験者はマードック刑事で、巡査がいろいろ質問します。
 ここでマードックがトロントの「オンタリオ通り22番地」に住んでいることが語られます。
 ネットでこのオンタリオ通り22番地を探してみたのですが、見つけることができませんでした。

 今回の被害者はボートクラブの選手で、暴行された後に溺死した模様です。

 今回、オグデン検視官の医学校時代の友人であるタッシュ医師が短い時間ながら登場します。このタッシュ医師は、後の回で再登場するはずです。

 ところで、マードック刑事は、殺人現場を特定するために被害者の爪の中の土を分析し、同じ土の場所を探します。
 シャーロック・ホームズも、ロンドン中の土を識別できると言っていましたから、マードックとホームズには接点がありますね。
 ただ、先進的な技術を利用するという面では、マードック刑事はホームズよりも、モーリス・ルブランのアルセーヌ・ルパンに似ている面があるように思われます。

 そうそうマードック刑事は、手がかりを光学顕微鏡で観察し、動物の微小な骨に付着しているリン酸肥料を発見します。
 これは、リン酸肥料が光っていたことから分かったようですが、ネットでリン酸肥料の写真を見る限りでは光っていないのですが、結晶によっては光を反射するのかもしれません。

 マードック刑事は、被疑者らに嘘発見器を使って自供に追い込みます。このとき、嘘発見器の傍でブラッケンリード警部が被疑者らに凄んでいたことは言うまでもありません。

 なんやかんやでマードック刑事は、事件の真相と真犯人を突き止めます。

 ところで、今回マードック刑事とクラブツリー巡査は、トルコ産のコーヒーを飲みます。
 マードック刑事は、お茶があるのにこんなに苦い飲み物が流行るわけがない、と言いますが、事件解決後にオグデン検視官にコーヒーに誘われると、嬉しそうに付いていきます。

 「喫茶店に彼女と二人で入って
コーヒーを注文すること
あー、それが青春。
だーと思っているバカがいるー。」
と、フォークシンガーが歌っていたのを思い出しました(もちろん、吉田拓郎さんの『青春の詞』[「せいしゅんのうた」]の替え歌です。)。

#嘘発見器 #トルココーヒ #リン酸肥料

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