『0戦はやと』(ぜろせんはやと)と『紫電改のタカ』(しでんかいのたか) (834文字)
以前、赴任した土地には自衛隊の駐屯地があり、町の喫茶店には軍事関係の本がたくさん置いてありました。
私は兵器マニアというわけではないので、漫画『MASTERキートン』(主人公はイギリスSAS(特殊空挺部隊)の下士官でした。)を読みながら昼食を食べていたました。この漫画を何度も読んだので、そろそろ次の漫画と思い『0戦はやと』や『紫電改のタカ』を手に取りました。この二作品は太平洋戦争の戦闘機パイロットが主人公で、『0戦はやと』が1963年から1964年の連載、『紫電改のタカ』が1963年から1965年の連載と書かれていました。
1960年代前半といえば、終戦から15年から20年くらいしか経っていません。この二つの漫画は少年雑誌に連載されていたそうですから、当時の少年達はそれほど戦争を嫌悪していなかったのでしょう。
そういえば、『サブマリン707』という潜水艦漫画も、日本海軍の雰囲気が強く漂っていました。
現代では、史実を漫画化する以外で戦争漫画を発表したら、「表現の自由」などどこ吹く風で出版社や執筆者に猛批判が集中することでしょう。
私個人は、太平洋での日本海軍の戦術解説とか、東京空襲からミッドウェー会戦で大敗する経緯など、客観的な観点から書かれた作品を見たいと思っているので、そういう漫画などに出版を期待しています。
従軍した元軍人らからは、「日本軍の戦術も装備も劣悪だった。」と語られることが多いようですが、異なる意見の元日本兵の方々がおられるなら、その方々の見解も知りたいと思います。
私は、日本は対米戦争では物量の面で大敗したとは思いますが、日本軍の個々の戦闘における戦術や行動がそれほど悪かったものとはどうしても思えません。
現代の日本人は、商品生産においても架橋技術にしても高速鉄道網建設にしてもその他の分野でも優秀な結果を残しています。
太平戦争時においても、その片鱗を残していると思います。