『杉の柩』
『杉の柩』はアガサ・クリスティのミステリ作品ですが、ここではTVドラマのポアロシリーズについて書きます。
ポアロシリーズは、時代背景のせいか展開が比較的スローモーで、アクションもあまりありません。自動車は走っていますが貴重なクラシックカーなので、「頼むからぶつけないでくれ」と願うあまり物語の筋が入ってこないことがあります。
そんなポアロシリーズの中で、この『杉の柩』は好きな作品です。
事件発生まではゆっくりした展開ですが、殺人事件が起こり事態は急変します。そして、映画『ダイヤルMを回せ』のラストのように時間との戦いの中ポアロは犯人を追い詰めます。
捕物の後、急いで刑務所に向かい死刑執行直前の女性を助け、「お嬢さん。人の死を願うことは罪ではありません。」と言うポアロ。
私は、刑務所の前からゆっくりフェードアウトしていくポアロを映しているラストシーンが大好きです。