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「司法行政」という言葉

 かなり以前ですが、ニュース等の解説で「司法行政」という用語が頻繁に使われていたとがありました。
 この「司法行政」という用語が説明無しにテレビ等で使われたので、誤解した人が多かったのではないかと思います。

 日本では、司法というと裁判所のことですから、「司法行政」というのは、裁判所が行使する行政作用のことを言います。裁判所の会計とか職員の任免などがこれに当たります。

 当時のニュース解説番組での「司法行政」という用語の使用には、「検察が裁判所と共に巨悪を懲らしめる。」といったニュアンスが込められていたように思いますが、そんなことはありません。そもそも司法と行政は、強力な国家権力を三分して各々を牽制させ国家権力の暴走を防ぐために作られたもので(残る一つは立法ですね。)、「はじめに有罪ありき。」といった予断を持って刑事裁判を行えないようになっています。
 ただ、検察庁法4条で「検察官は、(略)裁判の執行を監督し、・・・。」とあるので、検察と裁判所とに特別な関係性があるかのような誤解を生じるかもしれません。私はこの条文があるから、死刑判決が確定しているのに、死刑執行書への法務大臣の決裁に時間がかかっているのだと思っています。(正確なことは分かりません。)

 なんにしても「司法行政」の用語の意味は、なんか地味ですね。

#司法行政

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