ドラッグレース
中学生のころ、私はドラッグレースが好きでした。
好きといっても、実際のレースを見ることはできないため、専らドラッグスター(ドラッグレース用のレーシングカー)のプラモデルを作っていました。
ドラッグレースというのは、静止状態から急発進して四分の一マイル先のゴールを目指すという単純な直線レースです。一度に走るのは2台で、勝った方が先に進めるというトーナメント方式です。
四分の一マイルは、おおよそ400メートルなんですが、その距離をわずか数秒(最高クラスのドラッグスターでは4秒ちょっとのタイムです。)で走るので、レースは「あっ」という間に終わります。
決勝レースは夜になります。ドラッグスターの排気管から吹き出る炎が夜の闇に綺麗です。
レース場は、四分の一マイル以上の長さがありますが、スタンド席からは全貌を見ることができます。ここがヨーロッパのサーキットレースと違うところです。
私の好きだった頃のドラッグスターは非常識なくらいのロングホイールベースで、後輪が太く大きく、前輪はオートバイのタイヤを使っていました。
ゴールした後はディスクブレーキでは制動しきれないので、パラシュートを開き風圧で制動しさらにディスクブレーキを併用します。
エンジンはV型8気筒を使用し、スーパーチャージャーを装備します。
「アメリカ式のハデハデで、単純明快なレース」という感じですが、このレースは技術を市販車にフィードバックすることができません。直線走行しかしないクルマですから、当然といえば当然です。
ドラッグレースは、「自動車レースの鬼っ子」と言えると思います。
#ドラッグレース
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