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『刑事マードックの捜査ファイル シーズン2 #15 第2話 ヘビとハシゴ Snakes and Ladders』 (1784文字)
カナダの大ヒットミステリ『刑事マードックの捜査ファイル』のシーズン2第2話(#15 #番号はシーズン1の第1話からの通し番号になります 。)「ヘビとハシゴ Snakes and Ladders」です。
今回の事件は、切り裂きジャック事件を下敷きして発展させた内容になっています。
切り裂きジャック(「きりさきじゃっく」ジャック・ザ・リッパー Jack the Ripper)とは、1888年にイギリス・ロンドンのホワイトチャペル(Whitechapel イングランドのロンドン市街にあり、バングラデシュ系英国人を中心に、多様な民族が居住しています。)とその周辺で犯行を繰り返した正体不明の連続殺人犯です。
切り裂きジャックについては、ネットでも書籍でも資料がたくさんあるので、興味のある方は探してみてください。
今回は、第4分署管轄内で切り裂きジャックの犯行と類似する残虐な殺人事件が起こります。
最初の犠牲者の現場には、「TRY TO STOP ME」と犯人のものと思われる文字が残されていました。
現場検証中に、ロンドン警視庁のスカンロンと名乗る刑事がやってきて第4分署の捜査に参加することになります。
スカンロン刑事は、犯人はハーラン・オーギルだと断言します。
彼は、オーギルをカイロ(エジプトの首都)、ボンベイ(ムンバイ。インド亜大陸のアラビア海岸側にある国)、オークランド(サンフランシスコの東約13キロメートルにある都市)と追跡してきたこと、そして、各地で8人の女性を殺していると言います。
なお、亜大陸(「あたいりく」 subcontinent)は、大陸の中で地理的に独立した広い一部分のことです。特に大きい半島をそう呼ぶこともあります。実は、インド亜大陸は半島でもあります。
余談ですが、本物の切り裂きジャックが殺したとされているのは5人です。被害者の数や海外に逃走しているという設定はこのドラマでの創作になります。
スカンロン刑事は、ハーラン・オーギルの逮捕と次の犯罪を防ぐことに異常ともいえる執念を燃やしています。
その執念のせいか、第4分署の署内でチェッカーゲームをしている署員に怒りを爆発させます。
チェッカーゲームは、「西洋碁」とも呼ばれているボードゲームだそうで、世界的にはドラフツ(draughts)と呼ばれているようです。私はゲームをしないので、詳しいことは分かりません。
後に、署員に怒りをぶつけたことを反省したスカンロン刑事は「ヘビとハシゴ」というゲームを買って行き署員と仲直を図ります。
このゲームは、双六(すごろく)のようです。ルールは、サイコロを振って出た数だけ自分の駒を盤面のます目の順に進ませるいうものです。盤面にはます目とヘビとハシゴが描かれています。
自分の駒がハシゴの下端にで止まるとハシゴの上端までます目を飛ばすことができ(サイコロで出した目以上に駒を進められる。)、ヘビの頭のところに駒が止まると、ヘビのしっぽの先までます目を戻ることになります。
そうこうしているうちに、第2の犠牲者が出ます。
そうして、ヒギンズ巡査の機転の聞いた調査により犯人に近づいていきます。
現場検証の過程で、マードック刑事が作った紫外線ライトが登場します。
マードック刑事は、この紫外線ライトをマサチューセッツ工科大学のロバート・ウイリアム・ウッド教授の協力で作ったと言っています。
このウッド教授は実在の人で、紫外線だけを透過するフィルターを1901頃に発明しています。
マードック刑事が活躍する時代は19世紀の終わりですから、ちょっと時期が合いませんが「1901年頃」ということなので、なんとなく同時代っぽいです。
また、今回は犯人の心理を分析するという手法も捜査に取り入れています。今でいう、プロファイルですね。
その後、ブラッケンリード警部をまじえて、切り裂きジャックと疑われた実在の人たちの話題になります。
あれやこれやで、事件は解決します。
私は、「切り裂きジャックの犯人は外科医または外科医の経験のある者で、殺された女性(売春婦)らはとある人の子供を妊娠した疑いがあることから殺され、子宮等を摘出されたのではないか。」という見解がもっともそれらしいと思っています。
#切り裂きジャック #紫外線 #プロファイル