レーシングカープラモデルの地上高 (920文字)
かなり以前、レーシングカーのプラモデルを作ったときのことです。
完成した車体を机の上に置いてみると、車体底部つまり床面の位置が妙に高いと感じました。
私の作り間違いではないし、プラモデルメーカーがそんなところ設計間違いをしたまま製品化したとは思えません。
「やはり、この状態が正しいのか。」と思いましたが、なんだか釈然としません。レーシングカーといえば、車体底部が路面に触れているくらいに車高が低いというイメージです。
もっとも、私は実際にサーキットに行ったことはなく、レーシングカーを見るのは、テレビのレース中継、雑誌やポスターのレース中の写真、くらいでしたのでレーシングカーが停車しているところを見たことはありません。
そのため、「レーシングカーは、走り出すと風を受けそれの空力が車体を押し下げるから、停止状態では車高が少し高いのかもしれない。」と思うことにしました。
でも、イメージの違いは気にかかります。
そこで、リフトみたいな展示台を作り、車体が持ち上げられている状態で展示して、タイヤが路面から離れるようにしました。すると、タイヤが自重で下にやや垂れ下がり、車体の正面から見ると「逆ハの字」に見えましたが、これは実車でもそうなるだろうと思い、そこは気にしないことにしました。
そしてつい先日、YouTubeでレーシングカーを展示のために小さな、公園の芝生の上に駐車するという動画を観ました。
レーシングカーは公道を走れないので、トレーラーに乗せられて現場まで運ばれて来ます。
そして、注意深くトレーラーから下ろされ、数人の人が押して芝生の上に移動されました。
そのとき、そのレーシングカーの車高は結構高く、「あのプラモデルのレーシングカーの車高は正しく再現されていたんだ。」と昔のことを思い出しました。
そして、その実車のレーシングカーが芝生の所定の位置に置かれた後、車高調整が行われ、著しく車高が下げられました。
車高だけでいえば、レースで走っているときと同じくらい車高が低くなりました。車体底部が芝と接触しているように見えます。
展示の時は、そういう演出をすることがあるんですね。