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『攻殻機動隊S.A.C』DVD観賞終了 (1426文字)

 知り合いから借りたアニメ『攻殻機動隊S.A.C』(以下「SAC」といいます。)DVD全5枚の観賞を終えました。この「SAC」は全エピソード(episode 連続小説や番組などの1回分の話。)を通してみると、「笑い男事件」が中心になっていて、その関連エピソードの間に、「笑い男事件」とは独立したエピソードがあるという形式になっています。

 『攻殻機動隊』はアニメも映画も漫画も凄く有名ですので、以下の文章では個々の解説なしでいきます。

 S.A.CはSTAND ALONE COMPLEXの略だそうですが、アニメ内では意味は示されていません。私は、「自立した個々の複合体」つまり公安9課(攻殻機動隊)のことだと理解しています。
 公安9課の荒巻大輔課長も 『我々の間にチームプレイなどという都合のよい言い訳は存在せん。あるとすればスタンドプレーから生じるチームワークだけだ。』 と言っていて、上記の私の解釈の裏付けの一つになっています。

 また、各話の題名を表示する画面では、Stand alone episode(投稿者注:笑い男とは独立しているエピソード)とかComplex episode(投稿者注:笑い男と複合しているエピソード)のようにそのエピソード事件の一部となるか否かといった種類も示されていますが、これは、公安9課の各メンバー同士の関連性との掛詞(かけことば)と理解しています。

 公安9課のメンバーの活躍は、パソコンを端末として使用するコンピュータネットワークの形態に似ています。
 いつもは、独立して稼動しながらも、必要に応じて(荒巻課長の指示や命令があると)相互に連携して巨大な軍事兵器のように動きます。
 ネットワークというと、コンピュータネットワークのクライアント・サーバ形式を連想しますが、荒巻課長が求めるものを、草薙素子ほかのメンバーが実行するという意味では、荒巻課長がクライアントで草薙素子ほかのメンバーがサーバだと見ることができるような気がします。

 とにかく、『攻殻機動隊SAC』は、内容が複雑過ぎます。会話を聞き逃したり、画面を見逃したりしたら、物語の筋を見失ってしまいます。これは、特定のエピソードだけでなく、複数のエピソードにも影響するので、視聴するにときは常に緊張を強いられます。
 このような視聴者に緊張を強いる番組は、イギリスのテレビドラマ『プリズナーナンバー6』くらいしか思い出せません。

 私はSFに詳しくありませんが、SFに詳しい人なら「なるほどね。」と感じる(ニヤリとする。)台詞がいろいろあるのだろうと思います。

 「笑い男事件」の発端となった村井ワクチンといのは、丸山ワクチンをモチーフにしているのでしょうが、もしそうならやるせない気持ちです。
 一時、丸山ワクチンは、癌の特効薬ともてはやされましたが、厚生省(昭和51年当時)の認可は下りませんでした。
 現在丸山ワクチンは、有償治験薬としての製造が認められているようです。
 丸山ワクチンの事案を元に、電脳硬化症治療に効き目があるとされている村井ワクチンの話を作ったからといって、丸山ワクチンと厚生省(昭和51年当時)との間に笑い男の正義介入する陰謀的なことがあったかどうか分かりません。
 私としては、丸山ワクチンの件を基にで物語を作るなら、癌患者の気持ちを乱さないように、陰謀が介在しない物語にして欲しいと思いました。

#攻殻機動隊SAC #笑い男 #村井ワクチン
 

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