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映画『ジャッカル』の背景情報 (1577文字)
映画『ジャッカル』(ブルース・ウィルス、リチャード・ギア、シドニー・ポアチエ出演)は、『ジャッカルの日』の翻訳とされていて、評判は『ジャッカルの日』の方が高いと言われますが、私は両方とも好きです。
配役と出演者は次のとおり
ジャッカル:ブルース・ウィルス テロリスト
デクラン・マルクイーン:リチャード・ギア 元IRA(Irish Republican Army アイルランド共和国)スナイパー
カーター・ブレストン:シドニー・ポアチエ FBI副長官
ヴァレンチーナ・コスロヴァ:ダイアン・ヴェノーラ MVD(Ministry of Internal Affairs of the Russian Federation ロシア内務省[おそらくロシア国内軍]の少佐 なお、ロシア国内軍は現在はロシア国家親衛隊になっている。)
イザベラ・ザンコーナ:マチルダ・メイ 「バスク祖国と自由」(バスク祖国と自由(「バスクそこくとじゆう」略称ETA バスク地方(スペイン北西部とフランス南西部にまたがる地域)の分離独立を目指す民族組織 )の元活動家
映画の内容は、テロリストであるジャッカルを(ブルース・ウィルス)追跡する物語です。
しかし、暗殺対象者に関することが少し変更されています。
『ジャッカルの日』では暗殺対象者がド・ゴール大統領であることが比較的早い段階で分かります。暗殺動機については、フランスとアルジェリアとの関係を知らないと分かりにくい面がありますが、とにかく暗殺阻止が映画のゴールだということで了解できます。
一方『ジャッカル』では映画終盤まで追跡側は暗殺対象者を誤認しています。これは暗殺を依頼した側から取得した情報に誤りがあったからなんですが、映画終盤でデクラン(リチャード・ギア)は、ジャッカル(ブルース・ウィルス)が自分に対して残した嘲(あざけ)りの言葉から推理して暗殺対象者を特定します。
この映画の中でイザベラ(マチルダ・メイ)は、重要な役割を演じています。
バスク祖国と自由にいたイザベラは、IRAスナイパーだったデクランとの任務によりジャッカルの顔を知ることになりました。なお、ジャッカルの顔を知る者は世界に6人しかいないそうです。その6人の中の2人がイザベラとデクランになります。
初めてこの映画を観た当時は、「バスク祖国と自由」(ETA)という組織のことを知りませんでしたが、調べてみると世界にはこのような小規模な軍事組織が数多く存在していることを知り、日本の赤軍派もそれに習って軍事訓練していたんだと思った記憶があります。
スペインというと、レコンキスタ(国土回復運動)、無敵艦隊、スペイン内乱、くらいしか歴史の知識がありませんが、この映画でバスクという言葉がスペインの歴史知識に加わりました。
そういえば、イザベラ役のマチルダ・メイは『スペース・バンパイア』に真っ裸で登場して町中を破壊していましたっけ。『スペース・バンパイア』の頃のマチルダ・メイは「将来太るだろうな」という体型でしたが、『ジャッカル』では痩せていました。
その『スペース・バンパイア』で若禿でハンサムな情報将校役で出演していた俳優は、後年『レッド・オクトーバーを追え』で艦長(ショーン・コネリー)に首を折られて殺されるソ連の政治局員役で出演していました。
ところで、この『ジャッカル』のラストシーンで、シドニー・ポアチエは墓地の向かいの屋台のようなコーヒースタンドにコーヒーを飲みに行き、リチャード・ギアはアイルランドに帰るべく歩いていきます。
そして、リチャード・ギアが線路を渡ると列車が来て二人は互いに互いを見ることができなくなります。以後接点がなくなるであろう二人の人間。なかなかいいラストシーンだとおもいます。