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『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』 (2510文字)

 毎週土曜の夜にBS11で放送されている『名車再生!クラシックカー・ディーラーズ』を数年前から録画しDVDに残しています。
 この番組は、ディスカバリーチャンネルで放送されていたものだそうなので、BS11で放送されているのは過去作なのでしょう。

 番組では、中古ですが名車と言われるクルマを買い付けて、修理し、転売するというルーチン(routin 決まりきった仕事。)が繰り返される内容です。
 出演者は、(1)マイク・ブルーワー(Mke Brewer 進行役とディーラー(dealer 自動車転売業者))、(2)エド・チャイナ(Edd China 整備担当)、(3)ポール・ブラックリー(Paul Brackley 整備補助担当 まれに登場)、(4)フィル・モートン(Phil Moton 整備補助担当 まれに登場)です。

 ルーチンなのに面白いのは、①20世紀後半に販売されたクルマもクラシックカーとして扱われるので、知っているとか見たことがあるというクルマも番組で扱う対象になっているから。②整備に関する説明が自動車のメカニズムを理解するために役に立つから。③クルマの買い付け価格と整備後の販売価格が表示されるので、利益が明示されるジネスライク(businesslike 事務的に仕事を運ぶさま。)であり人間関係の葛藤などがそぎ落とされているため。

 まず、①ですが、私からするとマツダRX7などはとてもクラシックカーとは呼べないように思うのですが、このクルマも番組で扱う対象になっています。これには少し驚きました。私からしたら、ムスタング・マッハ1だって現代車なのに。
 しかし、RX7ならロータリーエンジンのメカニズム、ムスタングなら車体パネルの取り付け方法など比較的新しい技術や設計思想など勉強になることが多いです。
 ②は、整備の際にいろいろ説明してくれます。でも、私の知らない用語が出てくるので、「自動車用語事典」を買いました。プーリー(pulley)が滑車のことだとこのとき知りました。プーリーはプーリーとして覚えていました。
 ③は、クラシックカーの再生に登場人物の過剰な思い入れがないため、登場人物同士の感情のぶつかり合いといったものが介在しません。あくまで仕事としてクラシックカーを再生します。登場人物は自動車に詳しく、また個人的な思い入れもあるようですが、視聴者には知ったこっちゃありません。そんなことなくったって、自動車は興味をそそる機械ですから、変に人間性が入ると夾雑物(「きょうざつぶつ」。あるものの中にまじりこんでいる余計なもの。)に感じます。
 再生内容の良否は、再生作業後の試験運転と転売価格で視聴者に知らされます。

 この番組の起点は、マイクがブジネスプランを立てたところから始まります。マイクはあらかじめ市場で人気がありそうなクラシックッカーを選びます。その転売価格を想定して利益の見積もりを立て、準備できた購入資金を見比べて購入金額を検討します。
 私たちが、マイクがそのビジネスプランの説明を語りながらクラシックカーを探すシーンから観ることになります。
 マイクは自動車ディーラーの仕事をしているそうすから、このクラシックカー買い付けは副業になるのでしょう。
 クラシックカーの検索は主にネットですが、検索範囲はイギリスは勿論、ヨーロッパ全般やアメリカ合衆国にも及びます。
 このとき、買い付けるクラシックカーの状態に注意を払っています。
 (転売価格−購入価格−再生にかかる費用)>0
 となるようにしたいので、再生にかかる費用を押さえるために、できるだけ状態のいいクラシックカーをできるだけ安価に購入しようとします。特にサビのあるクルマは敬遠しています。

 ここで感じるのは、マイクのディーラーとしてのドライさです。
 マイクは、状態がいいクラシックカーを発見しても、修理の必要か箇所を指摘して買い取り価格を値切ります。
 これは、転売目的の買い取りであって所有目的ではないので視聴者には正当な理由があるように見えます。修理費用が高額になれば、転売しても利益が出ないかもしれないですからね。

 次にマイクは、購入したクラシックカーをエドに引き渡します。このとき、マイクはこのクルマを試運転して気づいた要修理箇所と修理使える金額をエドに伝えます

 そして、エドの修理工場でこのクラシックカーの修理が始まります。
 購入したクラシックカーを輸送する途中で動かなくなることもあれば、そもそも購入の段階で動かないこともあります。そういう場合はトラック等で輸送します。
 また、整備時に外したフロントガラスを工場のしかるべき場所に置くとか、エドが修理箇所を見ながら状態確認するための自動車操作等にポールやフィルが登場します。二人ともほとんど無言だし、二人同時に登場することはめったにありません。

 エドの修理のシーンがこの番組の見せ場です(私の視聴目的が「自動車修理の勉強」ですからそうなります。)。
 エドの説明のおかげで、クルマの仕組みについて随分学びました。
 この番組は本格的な自動車工学の解説番組ではないので、専門家には物足りないところがあるのかもしれませんが、私は趣味の範囲で自動車の本を読んでいるので、これくらいの詳しさがちょうどいい勉強になります。

 整備が終わると、二人で試験走行して、問題がなければ転売します。
 今まで問題といえば、水陸両用車が水上で停止してしまいボートで救助されたくらいでしょう。

 転売では、すでに試乗を終えた買い手に対してマイクが価格交渉します。
 マイクは強気のときもあれば、譲歩するときもあります。
 私としては、すでに勉強箇所(修理のシーン)が終わっているので「利益が出ればいいなぁ。」くらいの気持ちで見ています。

 この番組の本は、英語版のしか見つけられなくて、「電子辞書があるから」と思い、2冊買いました。
 書棚に英語の背表示の本があると、「書棚が締まるな。」と日々思いながら過ごしています。

#創作大賞2024 #オールカテゴリ部門 #名車再生クラシックカーディーラーズ #マイク #エド

 

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