テレビ在京キー局の命運 (2162文字)
キー局(キーきょく)とは、番組放送におけるネットワーク/系列の中心となる放送局のことです。
東京にある、5つの主要放送局(日本テレビ放送網・テレビ朝日・TBSテレビ・テレビ東京・フジテレビジョン)を指します。
ラジオ放送については、在京の5の放送局であるニッポン放送・文化放送・TBSラジオ・エフエム東京・J-WAVEですが、ここではテレビについてのみ書きます。
テレビ放送におけるキー局は自ら番組を制作し、ネットワーク系列を通じて全国各地方における放送局(ローカル局)に番組の卸売り(番組販売、番販)を行うほか、番組供給にあたって自ら募ったスポンサーによる広告料の分配を行っています。
ローカル局も番組制作や番販を行っていて、北海道の『水曜どうでしょう』などが思い浮かびますが、キー局制作番組数と比較すると圧倒的に少数です。
今回、フジテレビのスキャンダルが問題視されていますが、そのうち他の在京キー局も問題視されるようになると思います。
おそらくその発端は、内部告発とか退社したアナウンサーや元局員からの告発となるでしょう。
テレビ業界は、生まれてから100年間に満たないのですが、放送業界へのカネの集まり方が著しく、また監督官庁からの天下り先を用意するなどそっちの面では周到だったのでかなり優雅にかつ安穏と過ごして来たようです。
また、スポンサーと放送局の間に入り中間マージンを取る広告代理店の力(ちから)も強くなりました(例、電通、博報堂)。
さらには、テレビ局を元請け(発注者から直接仕事を請け負う企業やその業者。下請けに対する対義語で、一次請けやプライム、直請けとも呼ばれます。)として、制作会社を下請けとする系列化も進んでいます。
ところで、私がコンピュータを勉強(独学でした。)した頃は、メインフレームと呼ばれる大型コンピュータを中心とするシステムから、パソコン同士を繋ぐネットワークへの移行期でした。
メインフレームからパソコンに至るには、ミニコンピュータなどがありましたし、パソコンもマイコンと呼ばれていた頃はとても仕事に使えそうな感じがしませんでいしたが、その後飛躍的に進歩し、コンピュータを使う状況は大きく変わりました。
ですから、「世の中のものごとは、中央に1人巨人がいてその超高性能によりみんなを引っ張っていくという時代から、ある程度の能力の者がたくさん集まって結果的に巨人を上回る効率を上げるという時代に移り変わっていくのが時代の趨勢ではないか。」と思いました
ウクライナ対ロシア戦争で、高価なミサイルから安価なドローンが多用されているのをみると私の考えは間違ってはいなかったのだなと思います。
この考えを現在のフジテレビに当て嵌めると、電波利権を独占していた巨人である在京キー局の一つが、スマホ等を活用しているネットワーク(SNS。市民ジャーナリスト(イーロン・マスクはそう呼んでいます。)らによる情報開示と情報拡大という機能を持っています。)により自社(フジテレビ)に不利な情報を隠蔽できずに、自らが新日本プロレス崩壊していきそうな現実をみると、やはり私の考えは間違っていなかったのだなぁと思います。
ところで、通信事業の巨人はフジテレビだけではありません。
他にも在京キー局は4社あります。
これらは各々巨人ですから(テレビ東京については反対意見もあるかと思います。)、今後淘汰されていくことになると思います。
在京キー局の淘汰とともに、芸能プロダクションも仕事のやり方を大きく変える必要に迫られるでしょう。
これらの変革期には、また枕営業などのスキャンダルが報じられるのでしょうし、その関連としてステージママ(ここでは、自分の子供を特別扱いするよう周囲に強要したり、自分の夢を託すために子供に過度のプレッシャーをかけていたりすることを示唆するような母親という意味で使います。)が芸能界に入れた子供から訴えられるということも起こりそうです(自分の娘に枕営業を指示していた母親がいたそうですから、そういう親は訴えられて当然と思います。)。
私は、現在のテレビ業界とかつての邦画業界とを比較して「斜陽になっているのにそのことに本人が気付かないという点が似ている。」と思います。ちょうど、プロレス人気が下火になっているのに、日本プロレスの幹部が銀座で豪遊(一晩に何千万円も使ったことがあったそうです。)していたようなもので、これに絶望したアントニオ猪木選手が日本プロレスを離脱して新日本プロレスを旗揚げしたり、ジャイアント馬場選手も日本プロレスを離脱して全日本プロレスを旗揚げしたりしました。
その後、スター選手を欠いた日本プロレスは消滅してしまいました。
プロレスファンの多くは、猪木や馬場のプロレスに熱中していたので、日本プロレスの消滅など気がつかなかったのではないかと思います。
在京キー局命運は尽きた感があるので、「かつての日本プロレスみたいにひっそりと消えていく。」というのが私の予見です。
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