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リンカン 南北戦争の戦争目的 (920文字)
私の世代は、「リンカーン」という表記に慣れているのですが、今は「リンカン」という表記が一般的なようです。ここでは「リンカン」と表記します。
ところで、『詳説 世界史図録』(第4版 山川出版社)の193ページに「南北戦争」の記述があります。
ここにリンカンの南北戦争の目的が次のとおり書かれています。
「私にとってこの戦いの最高の目的は、連邦を救うことであり、奴隷制を救うことでもつぶすことでもありません。」(1862年)
ここでいう「連邦」というのは、合衆国と同義でしょう。そう思います。
意外でした。
私の南北戦争の知識はあまりありませんが、リンカンについては漠然と「奴隷解放に情熱を燃やす正義の戦争指導者」だと思っていました。
調べてみると、リンカンの奴隷解放宣言については「結局奴隷を一人も解放ていない」と言われていることを知りました。
私が読んだのは奴隷解放宣言の予備布告の内容ですが次のとおりです。
「1863年1月1日に合衆国に対し謀反(むほん)の状態にある州の指定地域のうちに奴隷として所有されているすべての人々は、その日直ちに、またそれより以後永久に自由を与える。」
というもので、「合衆国に対し謀反の状態にある州」は南部諸州ですが、彼らは合衆国から独立すると言っているのでこの奴隷解放宣言に従うことはありません。逆に内政干渉だと思ったでしょう。
一方合衆国に属している州は、謀反の状態にあるわけではないのでこの宣言の対象外です。
南北戦争が語られるときには、よく『アンクロ・トムの小屋』(ストウ婦人)も語られるので、戦争(内乱)のはじめからおわりまで奴隷解放が戦争の主目的みたいに思っていましたが、そんな簡単なものではなさそうです。
なおゲティスバーグの演説(1863年)の"・・・that government of the people, by the people,for the people,・・・"という有名な節ですが、学生時代に私はこの順序でなかなか正しく言えなかったので、「fとfにbが挟まれる。」と覚えました。"of by for"というわけです。