仕事をしながら資格試験合格した元部下
何年か前ですが、仕事をしながら資格試験(国家試験)に合格した部下がいました。
その部下は、仕事の手を抜くことはせず、ただただ自分の時間とカネと労力を使って受験勉強し合格したようです。
それは、私が異動になった後ですが、たまたま同じ本社ビルで勤務していたところ、ある日の昼休みにフラっと合格の報告にやって来ました。
元部下ですから、祝意とねぎらいの言葉を掛けましたが、「本来なら特に報告に来る必要などないはず。それなのにやってきたということは祝ってほしいのだな。」と思いその夜飲みに誘いました。その日はちょうど私は小遣いを少し持っていたので資金的には余裕がありました。
飲んでいるとき、その部下は自分の職場で合格した話をしたところ「あの試験なら5年もやれば受かるだろ。」的なことを言われたと言いました。
それを聞いて私は、「それは、男の嫉妬だね。嫉妬を口にするとは情けない奴だ。そいつは試験勉強を甘く見ているけど、学校の定期テストと国家試験の受験とは違う。そんな軽薄なことを言う奴はおそらくこの先も自分が処理しなければならない対象を過小に見積もって対応できなくなり、大失敗するだろう。考えの足りない奴は一生そういうことを続けることになるから、近づかないほうがいいよ。」と言いました。
私は、他人の努力を直接間接問わずけなす奴が嫌いです。
そういう奴は、自分では頭がいいと自惚れているのでしょうが、第三者から見ると滑稽です。
頭というか頭脳についてはこう思います。一人の人間でも年齢によって頭がいいときそうでもないときがあります。若手のときに優秀と言われていた職員が中間管理職になったくらいから無能扱いされだしたり、一方若い頃はそうでもなかったけど、ある程度年齢がいってから能力を発揮し出す職員がいたりします。そして、さらに管理職になって有能になる者もいます
人生全般で有能だという人は、ほとんどいないように思います。
その夜、その元部下は非常にたくさん飲みました。
会計の後、私の財布には千円とちょっとだけ残りました。
レジで金額が加算されていく度、非常にハラハラしました。