銃の口径と砲の口径 (858文字)
ダーティー・ハリーが「この拳銃はマグナム44・・・。」というとき、ダーティー・ハリーの拳銃の口径は、弾丸直径を表します。
マグナム44の弾丸直径は、0.44インチつまり1インチの100分の44ということになりますので、0.44×25.4mm=11.176mm
(1インチは25.4mmで計算しました。)
です。
ちなみに、アメリカの犯罪捜査ドラマCSIなどで「口径は9ミリ・・・」と言うことがあります。
9ミリ÷25.4mmがだいたい0.3543307となるので、少数第二位以下を切り捨て0.35くらいとすると、ほぼ35口径に相当することになります。
拳銃の口径は、「44口径」とか「22口径」とか二桁の表記が多いようですが、漫画・アニメ「ルパン三世」の次元大輔の愛銃コンバットマグナム357は、「357マグナム弾」を使用しますから、口径表記は357という風に三桁になります。
このような口径表記の揺れは、おそらく商品名としてのインパクトを狙っているためだと思います。
ところで、第二次世界大戦で有名なドイツ軍のタイガー1型戦車(6号戦車)の大砲は「88ミリ砲」と言われます。これも、砲弾の直径が88ミリあるということで理解しやすいのですが、戦車砲には「口径長」という表記もあります。口径長は「口径」と略称されることがあるため、銃の口径と混同してしまいがちなんですが、口径長は砲身長(砲口から薬室の後端までの長さ)をいい、砲弾直径の整数倍になります。
例えば「L/24」(エル・スラッシュにじゅうよん)というのは、「24口径長」ということで、砲弾直径×24の砲身長ということになります。(砲弾直径を基本とするのは、おそらく砲弾が球形だったときの名残だと思います。)
「砲身長は必ず砲弾の直径の整数倍にしなければならない」のかどうか分かりません。
設計等で扱いやすいからか、砲弾と大砲については古くからそのような関係性が続いていて今もそれを踏襲しているだけなのかも知れません。
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