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ドイツのとある保育士(私)の1日。その2

それぞれの保育園で色々違うが、私は今働いているところでは、赤ちゃんクラスとその他で分かれている。つまり2、3歳から6、7歳までが同じクラスなのだ。違う年齢の子供達がお互いに遊び、助け、学び合える!ということである。私は大きい子たちのほうにいる。

大きい子の中の小さい子たちは、まだ昼寝が必要だ。寝なくて休むことを親が希望している場合もある。私は普段、ベテランの同僚と一緒に、その子達とご飯に行っている。
11時、ご飯の一巡目。10分前にお昼寝をする子供達を集める。彼らは手を洗って、本がおいてある区画で待機する。ごくたまにだが、庭に出ている子を呼ぶのを忘れて「あれ!あの子いないじゃん!」ってことはある。その時は臨機応変に対応。

私のドイツ語の手遊び歌のレパートリーは三つしかない。いい加減増やしたいのだが、今のところ三つで乗り切っている。
ご飯に行く前に廊下で歌っていたら、盛り上がりすぎて園長にやんわりと「もうちょっと静かに」と言われてしまった。盛り上がってんだからいいじゃーん!

「これは真っ直ぐ〜、これは斜め〜、これは高い〜、これは深い〜、これはゆっくり〜、これは早い!!!!!」

最後はめっちゃ早く動くというオチだ。

このグループには生まれつきのハンデを持った子がいる。この子達はベテランの同僚が担当している。彼女は「インテグレーション保育士」だ。日本でそういう資格があるのか知らないのだが、直訳すると「統合保育士」となる。保育士になった後で、研修を受けて、新たに取るプラスアルファの資格だ。
特別な支援を必要とする子どもたち、例えば障害を持つ子どもや発達に遅れのある子どもたちが、他の子どもたちと一緒に保育施設や学校で学び、成長できるように支援する役割を持つ。

さて、今日のご飯は何だろう。
フィッシュフィンガーとソースとじゃがいものピューレ!

以前働いていた職場のキッチンで、パキスタン人のお兄さんが働いていたのだが「ほんとじゃがいもばっかり食べるよね!」と、うんざりしながら話していたのを思い出す。

余談だが、ドイツ人に日本のカレーを出した時に驚かれたことがあった。それは、じゃがいもと米が一緒の皿に載っていたから。ドイツのじゃがいもは日本の米レベルの市民権を得ている。なんで米があるのにじゃがいも入ってんの?って言うことだったらしい。

ところで昨日はミルクライスだった。たまーに出てくるあいつである。米をミルクで甘く煮たものに、ベリーの赤いソースをかけて食べた。子供達はいつもにましてよく食べるが、これ甘いし、昼ごはんかよ。と突っ込まずにはいられない。

さて、ご飯が終わると子供達は手を洗って寝る部屋に行く。
日本の保育園では着替えたりするのだろうか。こちらの保育園ではパンツいっちょになる子が多い。それぞれがマットレスの上に枕を置いて、掛け布団カバーをかけて寝る。布団は入っていないので、寒くないのかなあと思う。ちなみに以前働いていた保育園ではそのまま服で寝ている子が多かった。

小さい子たちが部屋に上がるタイミングで、庭にいた大きい子達が建物に入ってくる。そしてここで「誰が食卓の準備係になるか」問題が発生する。

「Ich, Ich, Ich (イヒ!イヒ!イヒ!)」僕、僕、私、私、 コールが鳴り止まない。この間、やんわりと園長がうるさいと苦情を言っていた。
その時の保育士の判断で選ばれた3人は、食事をする部屋へ行って、お皿とフォーク、スプーンとコップを用意する。準備ができたらみんなを呼びに行く。

それぞれが机に置いてあるボールから、食べたいものをよそう。 例えばパスタだけ取って、ソースを食べない子がいる。 もちろん全く食べない子もいる。 みんなの準備ができたら、その日選ばれたいただきますの詩をみんなで口ずさむ。

 5人の海賊が、トマトを撃つ
でも、トマトは高すぎる
だから火を撃つ
でも火は熱い
だから氷を撃つ
でも氷は冷たい
そんで森に行った
森は狭い
緊張してビビった!
いただきまーす

何の話!?
ドイツ語だと韻を踏んでいるが、この意味のなさ加減は謎すぎだ。

さて午後になります。
続きは明日のnoteで。


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