【ルックバック】好きな漫画が動き出した【映画感想】
最初にルックバックと出会った衝撃は今でも覚えている
読んでみればなんてことはない王道青春物だ。しかし、短いページ数の中に青春の全てがきれいに包み込まれていた。主人公が経験した青春を自分と重ねてしまい、気づけば主人公の感情も自分の感情だと勘違いして喜びも痛みも全て受け入れてしまっていた
私はこの作品を自分のものにするかのように何度も何度も読み返しては感傷に浸っていた。この何の変哲もない青春に私はぶっ壊されたのだ
ルックバックは読み切り漫画の中ならば抜きん出て好きな作品である。
作品を通して良く見る主人公の背中は、地味なシーンにも関わらず時々思い起こす程に印象に残っており、この作品で一番好きなシーンだ
そんなルックバックが映画化されたので観てきた
ただ、正直に言えばこの作品の映画化はエンタメとしてはどうなのだろうか
ルックバックは見応えのあるアクションや派手な演出が合いそうなシーンなんてない。ストーリーだってラブロマンスもなければどんでん返しもない、ただの青春物だ
実際に映画だからこそ楽しめたシーンは4コマ漫画にアニメーションがついたことくらいじゃなかろうか
ストーリーだけならば「漫画」で十分なのだ
ただ、私は「そんなことは分かっている」が劇場に足を運んだ
キャラクターに地味ながらも動きが入ったことで感情がより伝わってくる
紙とペンが擦れる音や足音でより世界に没入できる
なんでもない青春物の漫画に私は脳みそを持っていかれた
映画館で観たルックバックは漫画から受け取った借り物の青春をより鮮やかに彩ってくれた
映画を観て、何度もやられたはずなのに私の脳みそはもう一度動き出したルックバックにやられてしまったのである
映画を観た感想?最高だった
ルックバックを漫画で読んだ後、自分が何をしたいのか分からなくなった時には主人公の背中を思い出し勇気づけられた。映画を観たことで、今後は思い出すあの背中が少しだけ動いているかもしれない