シリア刑務所のかたちは Y字型
拷問が行われていたというシリア刑務所の航空写真をTVでみましたが、ゾッとしました。
プランがY字ではありませんか。つまり上から見るとYの字の形をしている。
このYの字のプランの建築は、山田守が「厚生年金病院」でやったのが始めなのです。東海大学湘南校舎1号館も。いわば山田守の「専売特許」
で、実はパリの「ユネスコ本部」の建築もY字型ですね。しかしこれは数年前に山田守がやっていたので、「ユネスコ本部」の設計者、マルセル・ブロイヤーは山田守に「真似したよ」というあいさつの手紙を出したそうです。(大宮司勝弘研究)
シリア刑務所の設計は知りませんでしたが、何故「ゾッとした」かというと、Y字型だからということではなく、これ、同じY字型でも違うのです。Yの三本の翼が中央で合わさるところが、山田守とブロイヤーはアール(曲線)なのです。(つまりカーブを描いている)刑務所は曲面を使わず直線で角になっているのです。これだけの違いで建築はガラッと変わります。いかにも刑務所です。設計者は拷問が行われるとは思っていなかったとしても、このかたちはやはりいかにも冷たく怖い。ゾッとする気配を放っています。
実は建築は形がとても大切なのです。最近はどうも少し違う方に行っているようなので・・・(写真と文は無関係)