歳をとってからやらねばならない建築の補強工事、補修工事
能登の震度7を見て、せめて「チキンハウス」が周囲の家に倒れかかったり、道路を塞ぐことが無いように「補強工事」をしなければならないと思いました。。
50年前、なにしろ構造用金物は羽子板ボルトとカスガイだけしか使わなかった。震度7なんて生きてるうちに起こるとは想像もしなかった。だから今からでも外部から可能な限り補強しなければならない・・と。
しかし問題は金です。
日本の社会は、人生頑張ってもやがて落ちていきます。 歳をとるたびに昔の経済状態に戻ります。乏しい年金になって、仕事も出来なくなり、貧乏だった若造にもどります。
これからこの先、面倒を見てもらっていた親は無し。働く力はもうありません。
2,000万円貯めておけと言ったバカがいましたが、もう無くなっちゃいましたよ。
「昔の貧乏」に戻った今、昔は組めたローンも組めません。しかし建築の補修工事や補強工事は高齢になってからやるもの。
建てた当初も、大学の給料ではそんなに借りられないから、超ローコスト。
数年は、私の部屋など石膏ボードに仕上げもせず、建具枠に差し込んだボードも突っ込みっぱなしのシール無し。合板と合板の継ぎ目もジョイナーやシール補修無し。
その時代の精神に戻らなければなりません。つまり「ローコスト精神」です。
私の設計理念「ローコスト美学」と、こんど取り組む「ローコスト精神」の違いを、施工の柳本社長(石山修武から治部坂キャビンをもらった男)はきっと理解してくれるでしょう。石山修武さんの愛弟子ですから。
清家清先生からは「ローコスト美学」を学びました。
「ローコスト美学」とは何か?
吉村順三の例が分かり易いでしょう。軽井沢建設の社長から聞いたのですが、吉村先生の図面に「壁を全面ラワンベニヤと描いてある。なーんだ一番安い材料で大したことはないなと思っていたら、現場に搬入されたベニヤを見て、三分の一くらい、「木目がダメだ」とはねられるのです。同じ材料だから追加はもらえず、良い勉強になりました」
それが「ローコスト美学」です。
山口文象先生からは「ローコスト精神」を学びました。
「吉田君、ローコストっていうのはねえ、鉛筆の削り方から気を付けるんだよ」と言われました。
チキンハウスをどう補強するか・・・
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