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큰물

큰물에서 놀아
みんな大好きなやつ。

この曲は確か2020年…12月…あたりに出たものなんですけど(震え)。当時学校で席が隣だった超優秀で超性格良くて超美術もうまくて超運動神経よかった子に話したことを覚えています。
「私の好きなアイドルがさ…水たまりで遊ぼう🎶っていう曲出すみたいなんだよね…」
「え!?水たまり!?笑…やばいね」
これはおそらくトラックリスト発表翌日の思い出。とてもノリのいい子なので一緒に驚いて笑ってくれました。

また、この曲といえばまた別の思い出もあります。
みなさんお馴染み“큰물에서 놀아 풍덩”というサビの歌詞。
何かのビハインド動画でジュニョンがこれをアレンジし、”큰물에서 놀아 퐁당“というバージョンの振り付けを披露し、場を白けさせていましたね。
ジヌとカンソンは心底呆れたという表情でその場を立ち去っていましたが、一ファンである私にとってはとても学び深い瞬間でした。
なぜかというと、”풍덩“の下位互換としての”퐁당“…という語彙を知ることのできる機会など、日常生活には存在しないに等しいためです。
なんてありがたいのでしょうか。この瞬間のおかげで学んだなという実感がありました。


…などという小ネタはさておき。
実は当時から今はもう3年近くも経っている訳で。
私はこの3年間まともにやってきたことが韓国語くらいしかない人間ですので、今振り返ってこの曲を聴くと「当時はあまりわかってなかったなあ」と思うことが近頃多々あるのです。
とは言え、ふとそう思ったりするというだけで具体的にどういう点をどのように解釈すればいいかまでは分かってもいないので、今から思い出を振り返りつつ歌詞の表現を噛み砕いてみようと思います。

現時点で頭に入れておきたいポイントが2つ。
①タイトルの意味。
発売当時は「水たまり…?」という認識だったタイトル。実はあれ、韓国では慣用表現であるらしいのです。小耳に挟んだだけなので、意味含め確認したいです。
②全体の趣旨。
これはもうかなり前ですがUNOについて書いた際も結構気にしていた点ですね。全体の大まかなテーマを把握したい欲求は変わってません。(?)
予想では、タイトルと大きく関わってきそうです。まあ最後に考えるとしよう。



それでは最初から歌詞を見直してみます🎶

아무한테도 내 비밀 못 꺼내
나조차도 몰랐어
알아본 누군가
너무 필요해
이젠 너에게 OPEN해

出ました序盤ジヌパート。
ジヌの繊細な声で内面の話を打ち明けてくれる感じが最高ですよね。しかもこれ結構長くて、確か30秒近くまでこの部分なんです。ジヌの声好きなオタクとしてはとても嬉しい。さて、とりあえず軽く歌詞を見ていきます。
まず最初の2行、誰にも見せてこなかった悩み、自分でも気付いていなかった悩みがあると。
余談ですが、”꺼내다“という動詞って日本語的な感覚では理解しづらいものだと思います。何かの中から何かを取り出して見せるようなイメージです。例えば伝説のいぽいぽでも”많이 많이 좋아해 다 꺼내주고 파“というドンピョパートがありますよね。確か昔見た和訳動画なんかでは「全部伝えてあげたい」というように解釈されていたと思うのですが、今思うと歌詞自体が理解不能ではありますね。冷静に考えて目的語がないので。
余談終了。
まあ日本語にない語彙だからこそ際立って伝わってくる印象もあります。隠していたものを解放させたいんでしょうね。

そして次の部分、“알아본 누군가”、これ少し不思議ですね。韓国語の連体活用というのは思ったより複雑で。最近になってもㄴだっけ는だっけㄹだっけ、と迷う瞬間は多々あります。
この場合だと“알아본”なので過去の印象が強い連体形ですね。しかしそう考えると、後の“너무 필요해”と若干ミスマッチ?と思ってしまいます。
必要だということはまだ確保できていない状態じゃないですか、なのに「わかってくれた誰か」「見つけた誰か」が必要…?どういうことだ。
意味で考えると「わかってくれる誰かがとても必要」とするのが無難でしょうが若干違和感がありますね。まあネイティブでもわかりにくい部分だろうし丁度いい語感を探した結果なのかもしれません。
はい。
そんで、”이젠“という言葉。意味はわかるんですけど日本語に置き換えることは私の脳では不可能です。Then、みたいな感じですかね。(前からの因果関係の結果)今からは!的な。
はい。
そんで”open해“ですね。
これちょっとおもろいですよね。当時からオープンwwwと思ってましたすいません。


감은 눈을 뜨고서
널 위한 춤을 춰
뜨거워 run away
가슴으로 들려와
나의 목소리니까
다른 건 잊어줘

ふう。序盤は文法的に気になる部分が多すぎて少し脱線してしまいましたね。
ここから本題でしょう。
見た感じそこまで深い意味はない部分ですね。
ただ、”가슴으로 들려와“が解釈の余地があります。主語が確定していないので。
直後に僕の声とあるので、主語は話者じゃない可能性があります。でも直前には”뜨거워 run away“という意味深な部分もあるんですよね。
これも誰が言ってるのか予測がつきにくいですが。相手が話者の勢い(?)に押されて「あっつ!」となってるのかもしれないし、話者が言ってるのかもしれない。そんでrun awayは誰がしているのか。
そのあたりは個人の解釈ですよね。
情景描写というだけなので想像は自由です。私は、、、よくわかりません☆
でも確実なのは、プリンスの“나의 목소리니까 다른건 잊어줘”って良すぎないか。
ピークタイムでもお墨付きのふんわり謎ボーイである彼がこんな断固的な口調で相手に迫るというのは大変美味しい。



내 숨은 날개
더 크게 spread the wings
저 하늘 위에
아름다운 새처럼 비행
가는 대로 믿어
내 그림 그려
비록 나는 작지만

テスン。
テスンの歌い方って息が多く広い感じなのでこの呼吸を翼に例える歌詞はすごくマッチしていて良いですよね。
この部分も状況説明のような、全体の雰囲気を仕上げていくような歌詞。それにプラスして、行く道を行く、まだ小さい存在だけど自らの絵、つまり展望を描いていくという抱負が見え隠れしています。


Okay 그래 맘대로 떠들어
저 헛소리
아직은 맞아
초라한 지금 내 꼴이
잘 봐라 어떻게 빛이 나나
날리는 머리카락
Cause 삐죽삐죽
난리 나니까

お。ここで話者を取り巻く環境が推測できる部分が出てきました。
前半から、周りの人は我が道を行く話者に対してよく思っておらず「未熟なくせに!」といったように騒いでいる様子がわかります。
それは本人も認めています。でも、「今は」の話。まだ小さい存在なのは自分が一番わかっている、といったところか。
それでも後半。
「これからどんなふうに輝くのか見ておけ」と。
この部分めちゃくちゃかっこいいのにラップぽいパートなので聞き逃しがち…。意識して聴くと最高だろうなと改めて思いました。
その後はまた描写ですね。髪が逆立ちまくってます。振り付けだと腰振りです。
なんか個人的にはサビ前!なのに髪逆立ててるだけかーいみたいな気持ちになりますが。逆にそこで自分の髪がいかに暴れているかを説明する男の子的な可愛らしさ(?)の表れとでもしておきましょう。


큰물에서 놀아 풍덩 (Ayeh)
여기를 전부 쓸어 담아
더 흠뻑 담가버려 온몸을 (Ayeh)
지금 머릿속은
Oh yah oh yah
I just told’ya

설레다 또 벅차 now
빛을 향해서 함성
이제 금방 멀리 날아가니까

더 흠뻑 담가버려 온몸을 (Ayeh)
지금 너를 향해
Oh yah oh yah
I just told’ya

サビ来ました。
全部に言及すると長すぎるのでまとめて。
要約すると“큰물”にもういっぱい浸かってやる、そんでもう胸がいっぱいで、んで君に向かってI just toldyaなので、なんだろう、多分打ち明けたんでしょうね。打ち明ける、表明するだけで大きな一歩だったのかもしれません。
我ながら何を言っているのかわかりません。
まあサビってのは大抵意味わからないものですので全部理解はしなくていいんじゃないかと思います。

ここで“큰물에서 놀다”という表現について調べてみようと思います。

上に載せたように、“큰물에서 놀다”というのはことわざとか慣用表現みたいなものらしいです。成功したいのなら、大きい場所、つまり広い市場、優秀な人が集まる環境にいろといった意味と推測できます。
ネットで調べると、本当に큰물を目指すことは必要なことなのか、などといった議論が広がったりしていました。
日本語で言ったら、うーん、寄らば大樹の陰的な?それのポジティブ版みたいな?感じですかね。または鶏口となるも牛後になるべからずという故事成語とも若干似ていますね。

こう見ると、かなり教訓めいた表現のように見えてきますが、この曲において“큰물”が持つ意味は、話者の挑戦ではないだろうかと思います。
なんというか、ことわざ的なイメージだと生存戦略みたいな…狙って行く場所みたいな現実的な印象がありますが。この曲の話者にとって“큰물”は、勇気を出して自分を鼓舞して飛び込むべき場所なのでしょう。
曲後半の歌詞では、挑戦に向けて自分を信じていく過程が描かれているように感じます。


누가 뭐라든
내가 바로 작품
하품조차 사치품
손에 땀을 한 움큼
내가 가볼게
가능성은 Perfect
어려워도 OK

かの有名な(?)イウジンの高貴さ溢れるラップパート。
話者が自信を育てていく姿が、ウジンの洗練されたイメージと合わさって曲に崇高さがプラスされているのではとさえ思われますね。
前半の表現が独特なので目が行きやすいですが、後半は等身大の少年らしくシンプルな言葉で抱負が語られています。


전부 다 I don’t care
쟤네 생각은 먼지만 풀풀
세상은 여전히 쿨쿨
거울 앞에 난 looks good
나를 꺾는 건 헛수고야
전기 반응처럼
바로 켜져 내 눈빛
여기서 올라가지 더 높이

前に出てきたシンくんパートもそうなのですが、この話者、結構に後ろ指をさされまくっている模様ですね。めちゃくちゃ悪口言われてそうですね。
そう考えると“큰물”を目指す理由もはっきりしてきます。埃だらけのあいつらの言葉。自分を蹴落とそうとする周りの存在。そういったものを打破して、低レベルに染まることがない上の環境へ。
ただ挑戦したいという気持ちだけでなく、現状を抜け出して思う存分輝きたいという思いがあるのかもしれません。
まあ一般的に。レベルの高い場所に行くとそれぞれが自分に集中していていじめとかも起きにくい、そういうものですよね。


次の部分〜サビは歌詞が同じなので省きます。
問題のブリッジ部分行きます。

쭉 한번 훑어봐라
내가 가진 Talent
어디 맞춰 봐라 내가 누구게
꽁꽁 숨어있는 나만의 Potentia
훅 불면 팡팡팡 터지는 Bubble

なんか強気なってきたーーーーーー!!笑。
ここで克己心みたいなものが最高潮になりますね。
わかったわかった。ごめんて。
GHOST9自体のイメージとして、ガツガツさがそんなにないというか。基本的にとても上品な印象があるというのは皆さん共感してくださると思うのですが。その雰囲気、そして抽象度の高い比喩のおかげでなんとなく高尚な曲に仕上がっていますが。

実はこんなにも、上に行くことを切実に願う野心溢れた曲なんですね。
それでいて、サビの풍덩と浸かっていくような表現まで考慮するとある種、逃げ込むような…。上に行きたい気持ちと同時に今の状況から本気で逃げ出したい、新たな場所に潜っていきたいという意味での切実さも感じられます。

このブリッジ部分も、英単語の使い方とかがすっきりとオシャレかつジュンソンの綺麗な声なのでさっぱりと聴けますが結構なこと言ってますからね。

慣用表現を引用するにしても、なんというか一概に美しい表現とは言えないというか。
利害計算が含まれる表現というか。
初見だと”물“とか”놀아”という透明なイメージのためにひたすら純粋なもののように感じられるのですが、実はもっと深く眠った現状への不満なども読み取れる内容でしたね。

しかし、GHOST9特有の明るく澄んだ印象と歌声、洗練されたビジュアル(とくにカムバ時のこの曲の衣装はそういう感じが押し出されている気がする)によって、暗く苦しい部分も綺麗に昇華されたような感覚を今更ながら感じました。

また、歌詞あるあるかもしれませんが、全然関係ない”너“の存在。
この曲も後半を見るとだいたい自分語りではあるのですが前半やサビには明確な”너“が居ます。
多分その方が聴き手が没入できるという理由で散りばめられていると思われます。
結果、なんとなく野心的な内容が中和されているような感じもしますね。そしてもちろん話者の挑戦と向き合い応援している感覚にもなります。


さて。色々と考えてみたところで一度まとめてみようと思います。
まず“큰물”の意味。
もうこれは吐くほど考えたので読んでくれた方もそれぞれ思うところがあるでしょう!!
言葉をどういう印象で捉えるかは人によって違うので。皆さんには“큰물에서 놀다”という言葉がどんな印象を与えたのか、気になります。

そして全体の趣旨。
これはもう抱負、成長ソングですね。
明確な意志を感じます。


最後の歌詞はこれです。

큰물에서 놀아 풍덩

確か最後の振り付けが天を仰いで終わる感じだったと思うのですが、それもなんとなく納得がいくようないかないような。
面白い曲ですね。


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