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夏の思い出

 2023年8月25日金曜日

9時ぐらいに起きた。10時には会場の最寄駅に行くべきだったのだが、少し面倒で、かといって30分も過ぎるのはあれだったので15分くらいに着くよう電車に乗った。ほとんどいつもの道。乗換の接続運が良くなく、本当に炎天下の中屋根は辛うじてあるがバリバリ屋外のホームで次の電車を待つ。7分ほど待った。炎天下7分、これがどれほど恐ろしいものか。ジリジリと、見えない太陽が忍耐力を脅かしてくる。本当に汗を本当にかきたくなかったので精神的にだけでも冷静でいられるよう必死だった。心頭を滅却すれば何とやらというのが久々に思い浮かんだ。電車はトラブルで乱れているらしかった。

ようやく少し遅れて電車が来た。何分遅れたのか遅れてないのかは思い出せないが、そんなのは重要ではない。もうどうにせよ腹が立っていたのだ。その後は完全にいつものルートで、到着した。しかし駅構内に降りたことはほぼなかったので乗換あるんだなどと思いつつ改札に向かった。
そこで予期せぬ事態が発生した。慣れたルートすぎて交通費とかもう掛からないんじゃないか(?)と思っていた矢先、カードの残高が160円しかない。定期範囲からは180円分外れていたこの駅で。そこで思い出す。環境に流されてオカイモノをしないために札を全て抜いてきていたのだ。頼れるのは小銭。詳しい状況は覚えていないが往復分360を満たすほどの金額をチャージし、手元には2**円くらい残った。

不覚であった。しかし、前日にノリでタワレコ池袋に行ってしまったために残額の感覚がずれていただけなのかもしれない。それならば悔いはない。

そんなこんなで意外と駅からは近かった会場に足を踏み入れる。本当に涼しくて最高だった。さすが私立大学の施設。涼しく綺麗で快適だった。すると横をいそいそと大荷物で通り抜ける若い男性。受付の方に小走りする彼は何やら韓国語で遅いだの何だのと小言を言われている。これがいわゆる職場におけるマンネというやつか、などと考えながら折りたたみの日傘を一生懸命畳み、人を探し、本格的にファンミの空気になっていった。

チケットとペンライトを受け取り、気分はかなり上がっていた。ただ、ここからの記憶はほとんど「待ち」である。リハーサルの予定時間を過ぎ、マル企画の偉い人がたびたび通る扉からは夜間飛行が漏れ出、サイン用のポストカードやチェキの新規購入を繰り返す方々。基本私はその間に立ち尽くし、つぶグミを貰ったり公演中に出すボードの話をしたりしていた。あまりに待ちすぎてマル企画オンニにリハーサルはいつから始まるか聞いたりした。まだ準備ができてないらしい。はやくしなよ。

そしてしば〜〜らく経って遂にリハーサルの列を作るように指示を受ける。既に可愛いシンくんのステッカーなども受け取り、あるお姉様方となんとなく会話を交えたりなど色んなことをしていたため若干疲弊していたが、俄然期待が湧いてくる。中に入ると舞台が奥だと予想してたけど入って左、つまり舞台袖の扉であった。なんだか高校の講堂に造りが似ていて一人で懐かしくなった。モニターにはエックスレイトークというよくわからない文字が出されていた。

座席に座って少し待つとゴーストナインが出てきた!!このあたりからどうも記憶が曖昧である。私服感のある服装に身を包んだ背の高い人たちが現れた。頑なに挨拶を日本語でやり遂げようとする姿があまりに眩しい。正直もう何週間も経ってしまい進行の順番が思い出せないが、挨拶の後か前か、밤샜다をまさかのほぼライブ状態で歌ってくれて最高以外の記憶が本当に消えた。直後、ハイタッチという流れになったのだがこちらも最初がプリンスだったこと以外思い出せない。背が高いから手の位置が高かった。そして当然ではあるが全く目が合わなくてどこ見て進めば良いのかわからなかった。本当にプリンス、プリンスの手の記憶しか残っていない。本音を言うと手をまじまじと見てニヤけたりしたかったがそんな暇はなかった。動体視力というものが現代社会を生きる人間にとってどれほど大切かを実感もした(動体視力なすぎて体育の授業でいつも泣いていた)。

まあそんなものだろう。良い経験になった。プリンスかっこよかった。その記憶だけで十分だったのかもしれない。

そのまさに文字通りに夢のようなリハーサルの時間が終わり、また待ち時間になった。気づいたら人の量は増えていき、期待の気持ちも膨らんでいった。いよいよ本番。最初の曲の予想なんかをしながら待っていた。とりあえずポスターだったしエックスレイが来るんじゃないか、ということで議論がまとまりつつあったその時、音楽、visonが流れ出した。
え…!?
次第に小さくなっていくvision。visionを歌うのではなく、ただ最初にちょっとそれっぽくつけただけなんだ、そう気づいた上でも、visionの影が1秒でも感じられたという事実を噛み締めるのに精一杯だった。そして静まる会場。はて一曲目はなんだろうか。なんだか見慣れた構成につくメンバー。あ、最初の一音で分かる、wallだ。

wallは個人的にかなりドンジュンのイメージが強い曲なので、一瞬「あ!?最初のドンジュンパート誰がやるんだっけ!?」と思ってしまった。もちろん少し考えればジュンソンだったと分かるのだが、本当に一瞬そんな疑問が頭をよぎった。しかしそんなのは吹っ飛ぶほど最高なパートだった。掛け声のガリバーとかを意識しつつ、集中して見たらどんどん引き込まれて気づいたら最後のウォ〜のとこに来ていて、気づいたら最後の防御力の高そうなポーズで終わりを迎えていた。

続いてReborn。おい!Rebornを、think of dawn以外と合わせる選択肢なんて、ないだロァ!?という刺々しい人格が出そうになったが、もうなんでもよかった。なんだか久々に見たので泣きそうになり、泣いた。ただ私が大好きなダンスブレイクのジヌを見たかったのにめちゃくちゃ死角になっていて悔しかったというのはあった。Rebornのシンくん好き過ぎる。以前はドンジュンが高音していたところをシンくんが下のパート(?)みたいに歌って乗り切ってる部分があるんだけどそこがすごく良かった。ステージ映えする顔、などというのは分かっていたけど本当に記憶にもう残らないぐらいかっこよかった全体的に。髪型が久々の黒髪で神だったというのもある。

そこまでで一段落。なんか紙を引いて人を選んで当てるゲームが始まった。あれ?これがエックスレイトークだっけ。覚えてないので軽く回想すると…うーん、あー、本当に覚えてない。納豆の話とかがよく出た印象。あと00ズまさかの뽀뽀事件、これはまさに特筆すべきですね。ここのコーナーだったかは忘れたけどもう会場の需要がすごくて、それにちゃんと応えて、アイドルすごいなと思った。美しかった(!?)。

それが終わると今度は밤샜다+夜間飛行、あれ逆だっけ?覚えてない。逆っぽいな。リハーサルで予習が済んでいたので比較的冷静に見れた。座席の位置上、カンソンがいつもよく見えたけど밤샜다のとき本当に楽しそうに踊っていてカワエエ!!と思った。そして夜間飛行。夜間飛行と言えば紙飛行機。実際どうなるんだろう!?と思ってわくわくしていたものの全然飛んでませんでした。無念。夜間飛行はカンソンがブリッジで歌っている部分を久しぶりに見て感慨深くもあった。

またmcの時間。ミッション系。ここもあまり沢山は覚えていないが、お題の紙に書かれたことをメンバーが客席に降りてやるやつは印象深かった。まずカンソンはエギにお菓子の指輪渡すってので、私の目の前には明らかに小さい家族観戦の子がいたのでそっとアピってあげた。くっ、俺もカンソンにプロポーズされたかった(違)。そしてウジンの瞬きしたら駄目なゲームで3回勝つというお題。まさかのウジンペンロックオンがすぐ隣で爆起こりし、キョエ〜!とか言いつつ見守る。顔が今まで肉眼で見た人間の中でおそらく最も整っていたと思う。目がキラキラ。あとは覚えていないけどジュニョンのじゃんけんの音が会場中に響き渡っていたのが面白かった。めっちゃ負けてたし。あとジュンソンのお歌。最初から舞台袖にギターが置いてあったので気になっていたけど披露してくれてもうすごく良かった。

そしたら最後のステージのお時間。何がくるかわくわく。コントロールだった。私はコントロールのダンス、コントロールのジヌのダンスが好きなのでまさに笑いが止まらない状況であった。当時の黒髪などを思い出しつつ見た。なにやら音が激しいなと思ったらジュニョンのアドリブ的なものが入りもう思考停止。思考停止よ、その状態なのに、その上から、突然feverが来た。めちゃくちゃ叫んだ。feverの一番良い使い方。掛け声も盛り上がりも一番大きくなった。wallの掛け声ばかり直前にみていたので全然わからなかったけどとりあえず目をかっ開いて見た。ジヌのサビ。夢にまで見たジヌのサビ。と思いながら。最高によかった記憶。でも、feverキターー!!という感情が昂りすぎて細かいことは全く覚えていない。

そこからエンディングになったが、まあ一発目の昼なのでコメントはさらっと。とてもなんか、保護者的な目で見守ってしまった。なぜ2部に行けないのだろうかという無意味なことを考えつつ、拍手で見送った。

そこからチェキやサインの時間に入るということで、本当は客席から眺めるでもしたかったがさすがにそんなことしたら終わるまで出れなくなりそうなので意を決して出た。一人ひんやりとした美しい廊下を歩き、外に出た。サイゼリヤを通り過ぎ、相変わらずの猛暑の中を余韻に浸りながら歩く。ふと、はまり始めていたラブリーズの1cmという曲が聴きたくなってイヤホンをつけた。2番目のサビ。“널 오래 더 보고 싶단 말이야,바보야”という普段なら悲しく鼻で笑ってしまいそうな歌詞が心に染み入り、一人で歩いているのに微笑とかを浮かべてしまったのだった。


2023年8月27日日曜日
(公演の中身部分は書かず、日記として)

起きれるかとドキドキしながら目覚ましを5時とかにセット。普段は時間に至極ルーズなくせして、一度決めたら絶対に早く行く。そういえば高1とかのときはよく土曜の部活に遅刻していたけどそれこそ高2の終わり頃とかは無駄に早く行って逆に気まずくなったりしたな。しっかり起きてしっかり駅に向かう。確か時間短縮のために自転車で行ったような気がする。中高のときは朝が早すぎて(7:15の電車でギリくらい)自転車以外の選択肢がなかったが、今は余裕があるのなら歩きたいのだ。音楽を聴きながら行けるから。まあでもこの日は自転車だっただろう。なぜなら一刻も早く桜木町駅に着きたいから。

5時台なのにホームに来ただけで汗だらけになった。そこから電車に乗って、高くて遅いでお馴染み横浜市営地下鉄ブルーラインに乗って、結構時間がかかった。学生とかもいた。夏休みの朝練なんてものが存在するんだろうか。

途中、こういう駅名があったのが面白くてツイートしようとしたけどあまりにもどうでもよすぎてやめた。やがて桜木町に到着、パシフィコまでかなり離れているという話だったので警戒しつつ歩く。慎重に行けばまあ分からんでもない道だった。コスモワールドの観覧車は6:49あたりを示していた。笑ってしまった。なんでこんな早朝にコスモワールド眺めているんだろう。クイーンズスクエアという建物を通り抜ける必要があるのだが、それが開いていなかった。7時直前まで待ってようやく開き、色々迷った末にパシフィコ近くにたどり着いた。そういえば2年前に友人と夏休みにあるアニメの展示会を見に来たのがここだった、などと思った。ここのシェイクシャックで温風に吹かれながらポテトを食べたなどと思い出した。

しかしながら、物販をどこで待てばいいのか分からなかった。周辺を歩いて、数人だけ人が並んでいるところ、パシフィコの裏?のようなところに30分ほど居たが、やがて「ここは違うかも」との声に表側に移動すると30人ほど並んでいた。まあそれくらいなら大丈夫だろうと開き直る。

それにしても、ツイッターにはあんまりいなそうだった日本人のインスピリットが談笑しているというのが不思議だった。仲間が欲しかった。待ち時間中やることが本当になく、ラブリーズを聴いたりなんとなく世界史の本を開けたりしていた。隣には知人同士+片方の娘、というような3人が並んでいて「やっぱり年齢層が高い」と話していた。私は何歳くらいに見えているだろうと思わず考える。受験ぽいものを見ていたので高3に見えただろうか。普段もたまに考えるのだ。電車とかで、私は何に見えているのだろうと。昼とかに私服で大学受験ぽいものを持っていたらやはり浪人生と思うだろうか。てか、私服の高校だったけど浪人生と今まで思われたことはあるんだろうか。とか。まあどうでもいい話だった。

待ち続けて途中海沿いにあるトイレとかにも行きつつ暇を持て余していた。休載が明けたことに気づいていなかったウェブ漫画を読んだ。もう途中からはスマホみないと本当にやってられなくてずっと見ていた。隣の人たちと話すことなんてのもない。ふと2日前に話したゴスティのことを思い出してしまった。でも10時になり物販が開始されると、さすがに一人で不安なのもあり隣の3人組にしきりに話しかけ「これって合ってますか!?」など確かめて命をかろうじて繋いだ。しかし、その3人の中の娘、私より2,3個上かな〜といった方だったんだけど性格が本当に合わなかった知り合いと雰囲気が似ていて少し心が緊張した。まあ背に腹は代えられない、果敢に疑問点をしつこく聞いてしまった。すいません。

まーしかし、中に入った後も散々待たされて買えたのは11時過ぎ。実は戦いはここからだった。18:30の開演まで横浜で時間を潰す。かなり辛いことだった。まずはクソデカペンラボックスを抱えながら駅に戻り、もう仕方なくまねきねこに入った。昼ご飯はそこで銀だこを頼んだ。普通の銀だこよりも揚げました!という感じが強くてたったの6個なのに胃もたれしそうだった。歌は少し歌ったが全然そんな気分ではなく、ペンラに電池を入れたり世界史の本を開いて寝たり友達とLINEをした。掛け声も確認した。ゴスナのときやはり自分が覚えてないところを他人はやってるというタイミングが若干もやっとしたのでまあまあちゃんと練習した。

4時前ごろにさすがにやることがなくなりまねきねこを出た。ゆっくりと歩きながら、パシフィコへ。それだけで30分弱かかった。パシフィコが海すぎるせいである。いつのまにか会場前には人だかりができており、全員いんすぷ?と思うと鳥肌が立ちそうだった。グッズ受け取りの列がまだ並んでいた。一度、それらの前を「これ何の列ですか?」という顔でオタクじゃないみたいな演技をして通り過ぎてみたのち、海岸沿いのベンチに座った。あまり正面では気が滅入る。

そして家族とLINEをしていたら、夕飯を自分で食べろとのことだった。また駅の方に戻ると思うと辟易したが仕方ない。確かに終わるのが10時とかなのに家族と一緒に食べれると思う方がおかしい。ため息をつきつつ入れそうな店を探した。例によってお金をあまり持っていなかったので選択肢は狭かった。昼が揚げました!というたこ焼きだったのでファーストフードは避けたかった。結局地下にあるといううどん屋の写真が目に入り、暑いし良さそうと思って探す。建物が複雑すぎて探すのに一苦労した。本当は冷たいうどんが良かったが、食べたいメニューがなかったのと冷えるのもよくないと思って暖かいきつねうどんを頼んでみる。5時前後。店内に人はまばらで、同じような目的の人が見受けられた。一人でうどんを待ちながら後方の数人組の会話を盗み聞きすると、20代中盤後半くらい?トレカの話をしていた。手元のベルが鳴りうどんを運んでからはとにかく食べて5分ほどで完食。その場にいた客の中で一番遅く注文したのに一番早く店を出た。何とでも言え、一人なんだからしょうがない。

それにしてもやたら満足感があった。ついに待ち時間が終わったのだ。お腹も満たされて、かなり幸せだった。もう一度海の方へ向かい、すぐに会場に入った。チケットは本当にガバガバ。本人確認なんてやっぱしないんだと思った。入ると、三列目だった。一階席の。そう言うと聞こえはいいがくっそ左、といった感じだ。終始アイドルを側面から見た。開始前、ペンラをアプリと繋げるのに手間取って隣の席の1,2歳上かなという女の子に何回もやり方を尋ねてしまった。結局遠隔操作なんてなかったので後から振り返ると恥ずかしい。その子はあんまり公演中声を出したりしないし、マスクをずっとしていた。私はゴスナ時と同じく「基本マスクをしたいが、見る時は視界にマスクの上部分が入るのが嫌なので外す」というスタンスでいた。その調整のせいでしきりに集中力が削がれていた時、その子がたまに結構重めの咳をしていておい大丈夫か?と刹那に思った記憶がある。まあ私がコンサートの3日後コロナになったのはまた別の話、と思いたい。

閉演し、トイレにいち早く行こうと思って走ったら使えなくなっていた。しょんぼりして席に帰り荷物をまとめ、パネル写真をさっと撮り、会場を出る。なんだかとても疲れた日だった。

そんな2日を過ごした。これが夏の思い出なのだろうと思う。このために生きてたから。今までの夏の思い出ってなんだろう。もちろん去年は勉強?とかしか覚えていないけど。そんなはっきりとしたものではないのだろう。気温のせいでまだ夏は終わってないような感じがする。夏を経て、無理そうだった勉強はますます根拠のある無理に姿を変え、またいつもの自分だけがいる。卒業アルバムはまだ来ていない。





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