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許嫁*を本気レビュー

*個人の感想です。

【はじめに】
2018年に発売された10storiesというアルバムについて、出会って半年以上過ぎた今レビューしてみようと思います。好きすぎて結婚したいと連呼していた挙句、無機物を許嫁呼ばわりするキモオタが完成してしまいました。最近、Naverブログで色々なアルバムの感想記事を見るのが趣味なのですが、自分も許嫁と豪語しているぐらいなら書くべきなのではないかと思ったので早速始めていきます。



1 . 뭐랬어 (feat.PUNCHNELLO)


뭐랬어。これは大衆が持っているソンギュのイメージに最も合致する曲なのではないかと思う。一般的にINFINITE内でウヒョンと比較され、サイダーorミルク、アラームor子守唄みたいな様々な比喩で有名な鋭く乾いた印象のボーカル。そのイメージ通りの声質で冷たい言葉が展開される。語尾が뭐랬어を始めとして-ㅆ어で踏まれており、冷たく、それでいて畳み掛けるように自らを去った理由を問い詰めるという構成。攻撃100の防御0。望みのない状況の中で淡々と相手、そして自分の心を傷つけていく歌詞に心が痛む。語る系の歌い方なのでラップ部分も自然に繋がっていて、だけどそこではもう一歩内面に踏み込んだ表現が盛り込まれているのかな?と。全体的にソンギュ(の声)らしさが強いので、最初に置いた理由も分かる気がする。



2 . 머물러줘


10storiesの中で最もソンギュ自身と共にある曲と言えると思う。タイトル曲ではないもののイベントでは頻繁に披露され、ファンソング的な意味合いも隠し持っている。私は大体曲の中で、サビ前のAメロBメロみたいな部分を気に入りがちだがこれもそうで、相手について1番ではポジティブ、2番ではネガティブな面から語っているのがとても良い。サビはまあ凡庸な感じだが、ブリッジで明かされる出会いの背景でもう一度強く心に訴えてくる。そこが印象的すぎて、似たような歌詞を見かける度に머물러줘構文…と思う。私の中のクラシック、スタンダードになってしまった。そして最後に、英語の歌詞が入るのだがこれも驚いた。シンプルな一文に今までの物語がぐっと詰まっているように感じられ、本当に驚いた。



3 . True love


タイトル曲。私がソンギュのソロに入門した曲である。たまたまshortsで見かけて歌詞が気になって聴いたところ見事にハマった。淡々と語るように進んでいくストーリーに耳を傾けていくうち、その関係の実情が徐々に見えてきて胸がカッと苦しくなる。なんだかそう書くと初めて聴いた時を思い出す感じがする。歌詞を事前に見ずに聴いてみることを多方面に勧めたい。淡々と、と書いたがこのアルバムの曲は大体淡々としている。True loveはその中でも一番プレーンな淡々というか、淡々の平均値であると思う。歌詞について言うなら、サビの(널 향한 내)という部分。至って単純な歌詞だがメロディーが切な感じを醸しているからか、前述の胸がカッ現象の主要因である。



4 . 끌림


タイトルにしてほしかったという声がかなり見受けられる曲。放送でも披露していたので後続曲的な立ち位置。かなりシンプルな構造の曲で、歌詞も変化がそこまでなくずっと同じことを言い続けているタイプである。あと恐らく言葉の数が少なめと思われる。そのため歌詞オタクの私にとってはあまり惹かれる曲ではない。しかしその分メロディーに個性があって、なんと表現していいのか全く分からないが音がビビッドというか。まあとにかく、はっきりした旋律とシンプルで象徴的な歌詞の調和を意識して聴くと良いのだろう。한 순간도/너에게서/자유로워/질 수가 없어 という部分で、너에게서の서が強く発音される(個人の感想)ことによって、離れられない気持ちが印象付けられている気がする。



5 . 지워지는 날들


一番バラードっぽい曲。かなり人気が高いというか、推してる人も体感的に多い。が、個人的にはそこまでの位置には来ない。多分私が精神的に追いつけていないからだと思う。ソロでも休まず執着しているソンギュ氏だが、この曲の失恋具合は随一である。執着というよりは大失恋の大後悔。後に発売されるroomと似た感じで、ひたすら部屋にこもっているタイプの失恋。語彙も現実感があるので、そういうソンギュがお好みの人か、自分の中に心当たりがある人に受けがいいのではないかと思う。バラードなので歌唱力の見せ場も沢山あるんだけど、私が聴くとその全ての部分に感情がうまく乗せられなくて、は、はあ…となる。今後に期待。



6 . Till sunrise


ソンギュ界一のファンタジー曲。退廃的な世界に引きずりこもうとしてくるファンタジーソンギュ。鋭いんだけど뭐랬어とはまた違う、もっと深く根付いた不安定さや幼さが感じられる。本当は自分が一番怖いんだよね、一人になりたくないんだよね、などという文字通り過剰な没入にも至ってしまう幻想的な歌詞。最初の印象としては、声に加工が結構掛けられていたので好みじゃないかも?というのがあったが聴いて納得、どこか電子的な聴き心地によって世間と隔離された舞台が浮かんでくるようだった。大人っぽい歌詞もあるけど逆に強がりの幼さに聞こえるんだよね(フィルター装備完了)。ところで最後にkiss youが6回あるんだけど、最近気づいた。同じ歌詞の反復で「すっごい繰り返してんな〜」と思う最小値は6回であると。



7 . Sorry


この前調べてたら本人が一番最初に聴いていいと思ったのがSorryだとか。確かに分かる。ネガティブ系の真骨頂、もうひたすら謝る曲。傷ついた声、歌い方が上手い人なんだと思うけどまさに似合いどころといった感じだ。Baby, 정말이지 널 잃고 싶지, 않아 내 맘은 널 여전히, 원하고 또 원해. 出だしの繊細な韻が記憶に残る。内容的にはINFINITEの눈물만と並んで「何があってそんな状況になってしまったのか」系である。謝っている背景としては、つらい気持ちにさせて、悲しませてごめんというのが中心らしいが…분명 난 고쳐질 테니까.などで示唆されている話者の苦しみには同情すら憚られる。深刻さNo.1。没入というよりは、他の曲より目立つ韻の細かさに目を向けて聴くのが良さそう。



8 . 천사의 도시


この曲はかなりアルバムの個性を支えている気がする。プレーンな淡々に、空間・時間を見渡すような透明さが加わって他にない響き。回想系のストーリーだがあまり感情は含まれておらず、客観的な印象が強い。そして何より作詞キムソンギュである。彼の持つ淡白な言葉の世界が透明まで行ってしまうのか!?と。まあメロディーに依存してる印象ですけどね透明は。なんと神という歌詞も出てきて、都市とか空間とか立体的な言葉をさらに大きく包んでしまうような、噛み締めがいがある構成。これらの特徴が相まって、神秘的な印象があって…それでいて空間的だから重さはなくて…と、個性のある曲。そして많이 궁금해という言い回しが数回出てくるが、궁금하다という言葉が何気ない感じで使われているのが逆にビターに感じるのも魅力。



9 . Sentimental


最もポジティブな曲。憂鬱さや複雑な関係は登場せず、恋の始まりを可愛らしく描いた歌詞。音のせいか、なんだか色んな色に光るガラスが思い浮かぶ。それこそ淡く乱反射する光のように、何とも説明しがたい浮き立つ気分をセンチな気持ちと称してみる。そんなもう存在根源から全てが可愛い話者を知らしめたくてたまらない。本当に可愛い。これはツンデレと言っていいのか分からないが、”みんな恋愛したいって、そう言ってたよ“とか間接的に感情ダダ漏れで伝えてくる部分が最高。しかし可愛いからといって子供っぽい訳ではなく、あくまで大人の恋愛という雰囲気もどことなく漂っている。明るい曲だけど他の曲に合わせて抑えめで歌ったというのを見たので、その意識の成せる業なのかも。



10 . 거울

また一変して飾り気が少なく声がよく聴こえる曲。唯一、恋愛の要素が感じられない曲でもある。意識せずに聴くと二人称が出てくるので何?どした?失恋?と思うが、鏡という曲名の通り二人称が表しているのは鏡の中の自分である。困難にぶつかって苦しむ自分と向き合う、という歌詞。向き合った後どうこうというより、向き合う、という曲。歌詞は短く少ないタイプなので多くを推測することはできないが、それだけ最後に余韻を残してくれるように思う。ただ、とっつきにくい印象は否めない。歌詞がよく聴こえるけど、歌詞が示唆する部分が狭いから。その限られた範囲の中で深みを感じるようになれるまではまだかかりそう。あとついでに言うとソンギュの-거라の発音が特によくわかる曲。




【おわりに】
真剣交際を、しすぎました。疲れた。
私は10storiesが今後より多くの人に愛されることをこよなく願っております…。




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