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Re まとめ

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逃げてばかりの、私たち。
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2022年12月の記事一覧

Re:Break 7

Re:Break 7

「さくら!」

知ってるようで知らない道をただ、進む。
その間に垣間見える景色一つ一つが奈々未との過去で。

「ついてこないで!」

悲痛なさくらの返答にただ、心が痛んだ。

「聞いてくれ!」

「いやだ!」

ただただ意味のないやりとりが住宅街に響く。

ふと思う。

今のさくらが僕なんだな、と。

答えを聞くのが怖くて、
次の行動全てが恐ろしくなって。
全てから逃げ出した。

側から見れば、大

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React 上

React 上

朝日が昇る。
目が覚める。

部屋は、綺麗だ。
伸びをした体は、ボキボキと音を立てる。

ーピンポン

「、、、こんな朝に誰?」

玄関に向かってそう呟きながら歩く。

「はい、、!
 えーっと、、、どなたですか?」

「隣に引っ越してきた、齋藤です。」

「あ、初めまして。隣の

「あの、、、。」

「ど、どうしました?」

「彼女とよろしくやるなら、他所でやってくださいね。」

なんだコイツ?

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React 中

React 中

調査報告

齋藤飛鳥ハ、サークルノ後輩ト知リ得タリ。
就活相談ニ何度カ乗ッタナリ。
ソシテ、齋藤飛鳥ハ別部署ノ後輩ト判明セリ。

追記
齋藤飛鳥ハ恋ノ最中ト見ツケタリ。

「あ、おはようございます。」

「おはよう。昨日のブツは出来た?」

「はい、、、!なんとか、、、!」

昨日の夜、こたつでの会議。
サークルの後輩であったことを早々に告白。
人数だけの多いサークルだったから
覚えてないことは分

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React 下

React 下

ーピンポン

廊下のLEDに小さな虫が集まっている。
空を見れば、1つだけ星が瞬く。
こんな時間になんで俺は鍋を持って外にいるのだろうか。

ここでもストレージの少ない頭が作用していたのか。
サンダルから入る冷気に震えていた。

受注生産が突然終了して、
調査報告が滞ってから1週間とちょっと。

最初は見事、成就させたと思った。
しかし、Aがルンルンで毎昼会社を出ていくのを見た。
対し、飛鳥はメガ

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