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【製本のある暮らし】前に進める原動力は、ほんの些細な事。
時々、不毛とも思える製本を諦めずに続けてこれたのは、ほんの些細なことの積み重ねのおかげだと感じています。
私の行う製本はパッセカルトンといい、日本では綴付け製本と呼ばれています。製本にも色々あり、ブラデル、フランス装、和綴じなど様々です。
パッセカルトンにこだわっているわけではありませんが、それが楽しくて続けているだけというのが本当のところです。
パッセカルトンでは、背に丸みを付ける作業があります。
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綴じた背の折丁を左右に広げ、イチョウ形を作りますが、手では開けないのでハンマーで叩きながら折丁を左右に倒していきます。
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この形がきれいにできるかどうかで仕上がりが変わってきます。これが上手くいくととても嬉しいくなり、あとの作業も楽しくできます。
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じつは、インスタでこの画像をアップすると海外のブックバインダーからの反応が非常によいです。たぶん私と同じ気持ちなのでは?と想像します。
このきれいなイチョウ形を見たくて、また作ろうという気になります。
綴人という名前の由来の綴じ作業と同様に、この背の丸み付けのイチョウ形が私の癒しになっていることは確かです。
こんな些細な感動があるおかげで、30年以上一人で製本を続けてこれたのだと思います。
ここまでお付き合い頂き、ありがとうございました。