❤️のトライアングル第一部④

 それから、私達夫婦は元のように、週に二回ほど身体を求めあった。私には、由香里の性感感度が上がり逝き易くなったように思えたし、バストのサイズも心なしか少しアップしたように見えた、Cが Dくらいに…

 そして、4月の第三土曜日、美奈さんとの約束の日になった。依頼はランチタイムだったが、私が当日しか仕込ができないので、食事の開始は14時に少しずらしてもらった。
 13時30分、美奈さんのマンションを訪ねると、友人の二人が出迎えてくれた。
 一人は、ひかるさん。155cmくらいで、着衣でも分かるくらいの巨乳の若奥様。可愛いらしい系、キャピキャピして陽気で明るく、お喋り大好きな感じで、上白石萌音に似ている。
 もう一人は、七瀬さん。身長165cmの私より少し高いから167cmくらいのスレンダー美人。着痩せしてる感じで、スタイル抜群に思えた。眼鏡をかけていて、いかにもアカデミックに見える。高校時代のあだ名は、『教授』とのこと。顔立ちは、ロシアか北欧系の血筋、クォーターかな?と思わせる。実際、父方にロシア人がいるそうである。雰囲気は、女優の清原伽耶を少し柔らかくした感じ。
 そして、美奈さん。これまでは、由香里絡みでちょっと挨拶する程度だったので、間近でじっくりお逢いするのは初めてだった。若尾文子の雰囲気もあるが、浜辺美波をもう少し大人っぽくしたようにも見える。とにかく、女優並のオーラを発している。所作がエレガントで、いかにも育ちの良さを感じさせるのだ。
 
 こんな、三人の美女に囲まれて、また得意な料理でおもてなしできるのは、例えアマチュアだとしても料理人冥利に尽きるところである。

 私の料理への、三者三様の反応が面白かった。ひかるさんは、お皿ごとに感動を表現しこんなに美味しいの初めてと、他の二人にも同意を求めてはしゃいでいた。七瀬さんは、静かにじっくりと食事を味わう表情で、何気にワインも進んでいた。
 そして、美奈さんはまた違っていた。料理を味わいながら、私にレシピを聞き、頷きながら、何か熱い視線を私に送ってくるのだ。私が、キッチンで、最後のドルチェ&カッフェを準備していると、美奈さんがやって来て、
「中山さん、私が持っていきますね。それと、二人が帰ったら大事な話があるのですぐに帰らないでくださいね。お願いです、少しゆっくりしていってください。由香里さんには事前に話してあるので大丈夫です」
「そうなんですか。由香里は何も言っていかなかったけどなぁ。僕も話したいことがあったんだ、ちょうど良かった」
と私は答えたが、例の二人のレズ疑惑を解決したいと思ったのだ。

 食事が終わると、四人で記念撮影をして、儀式ということで、一人づつ私の頬にキスをしてくれた。最後に、美奈さんが玄関まで二人を送ると、七瀬さんが忘れものをしたと戻って来て、片付けをしていた私に、小さな封筒を渡した。
「これ、秘密よ、うふっ」
予想もしていない、悪戯っぽく可愛い笑顔を見せて、七瀬さんは戻って行った。三人が玄関外で名残り惜しそうに挨拶しているうちに、その封筒の中身を確認すると
"前略 
 今日は、とても美味しくいただきました。
 そして、お恥ずかしいのですが、あなたに惹かれました。もっと、深くお知り合いになりたいのです。色々な意味で…
 なるべく早いうちに、自宅でゆっくりお逢いできませんか?ワインでも飲みながら。
                   かしこ
  中山伊織 さま
              藤原七瀬 "  

と、住所とメアドが書いてある。七瀬さんの自宅は、西区の高級住宅地で、私の自宅からも徒歩で行ける距離にあった。私は、あまり会話をしていない七瀬さんからの申し出にびっくりしたが、ちょっと神秘的で不思議な魅力のある彼女に逢ってみたくなった。彼女は、ここ数年しばらくは仕事はしないで、自宅で執筆活動やボランティア活動をしているということだった。
 美奈さんが戻ってきて
「ななちゃん、何か渡したんじゃない?バレバレよー」
美奈さんはお見通しだった。
「だって、私が中山さんのことをずっと見てるの、ななちゃんも気がついて、きっと自分も興味を持ったんだわ。長い付き合いだからすぐわかるのよね。多分、デートのお誘いでしょ」
「七瀬さんに秘密、て言われたけど。やっぱりバレバレですね。そうです、お手紙もらいました。七瀬さんの自宅でデートのお誘いです」
「やっぱり、そうだった。でもいいの、私が今日先に中山さんとデートするから」
「美奈さん、じゃぁお願いっていうのはそういうことですか?」
「そう、私我慢できなくて、ずっと中山さんのこと観ちゃった。私、父を早くに亡くして、ファザコンなんです。そして、男性経験すごく少ないんです。何を言ってるかわかります?お願いしたいんです。したいんです、由香里さんにもオッケーもらってますから…」
美奈さんは、私に抱きついて、唇を奪った。品の良いリップの香りの後、美奈さんの舌が私の舌に絡みついた。
「だめですか?私、たぶん人一倍性欲が強いんです。なのに、男性経験は主人だけなんです。しかも、主人とは、親が決めた見合結婚で、お互いに愛情もセックスもほとんどレスなんです。主人はロリコン、かわいいタイプの子が好きなんで、私は好みじゃないんです。だから、好みの女の子を探して外で遊んでるんです。今仕事で中国ですけど、日本にいても結局一緒、私寂しいんです」
私は、この時しかないと質問をぶつけた。
「そうなんですね、良く分かりました。では、私に教えてください。由香里とはどういう関係なんですか?会社の上司と部下という関係だけではなさそうですよね」
「はい、由香里さんとはもうずっと身体の関係です、レズビアンです。中山さんがなかなか気づかないので、逆に私たち二人の方で気がつくように今回仕向けたんです」
その言葉に私は少なからず衝撃を受けた…

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