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官能童話『妖精ピピとオーロラ』③RIOに捧ぐ

「では、カールさんは、動物に襲われてしまったということですか?」
ピピが尋ねると
「そうね、多分熊に襲われたんだと思うわ。ただし、きっと誰かに仕組まれて…私悔しくて。何があったのか、調べるつもりなの。ピピさん、協力してね」
リオは答えました。
「この森に住んでいる、木こりのアルノルト、アーンて呼ばれてるけど、何か知っているに違いないわ。誰よりもこの辺りのことに詳しいから」
  
 二人は家に帰ってくると、木こりのアーンについて調べることを相談しました。
分かっていることは、
アーンは丸太小屋に一人暮らしで、身の回り世話は親戚のおばさんがしている。
森や周辺の事情には誰よりも詳しく、仕事の腕は確かで、主にハインリヒに雇われている。 
大酒飲みで女好き、ハインリヒの飲み屋と娼館『淑女の館』にツケがあったらしい、ということでした。
リオとピピは、それぞれ調べることを分担することにしました。リオは、自分の知り合いのつてで、ハインリヒに怪しまれないようにしながら、聞き込みをすることに。ピピは、リオ以外には見えない妖精の利点を活かすことになりました。

夕食を終えると、リオはピピに感謝しました。
「ピピさん、今日も1日ありがとう。何か、カールの事について真相が見えてきそうな、やっとそんな気持ちになれたわ。頑張れそうな気がする」
「そうですね、私が役に立てることで、リオさんが喜んでくれたら嬉しいです」
ピピがそう言うと、リオはピピを抱えてベッドに行って口づけしました。
すると、昨日と同じくピピはまたavatarに変身して、リオをその気にしてしまうのでした。
 そうして、その日以降も毎日夕食後になると、リオの求めるまま、二人は性愛の悦楽に耽るのでした。

 リオがピピと暮らし始めて、2週間ほど経ちました。リオの仕事仲間の間では、リオが元気になって良かったと、また男ができたのではないかと噂されましたが、相手の姿は見えませんでした。
それは、リオが以前にも増して美しくオーラを放つほどに見えたからでした。

 リオとピピは、その間にアーンについての調べを進めました。やはり、アーンは飲み屋と娼館に相当額のツケがありました。しかし、4か月ほど前に全額支払って、その後はツケなしで通っていたそうです。また、商売道具のノコギリ、斧、ナタ、も新調して、羽振りが良かったとのことでした。
なので、カールの件でアーンは疑われたようでしたが、娼館での証言があり、疑いは晴れていました。カールが森の奥まで出かけた前の日から、二日間アーンはハインリヒの飲み屋と娼館に入り浸りだったというのです。しかし、行きつけの店の人間の証言など、リオは信じることはできません、きっと何かあるに違いない、と思うのでした。

 そこで、リオは一計を案じることにしました。若い男の力を使うことにしたのです。リオの花畑仕事仲間の中に、若いゲオルクと呼ばれる青年がいました。親と共に、10代から花畑仕事に来ていましたが、優しげな美少年と評判で、ゴツい男前ではなく中性的な雰囲気を持っていました。以前から、リオに興味があるらしく、話しかけたり、自分で作ったアクセサリーなどをプレゼントしたりしていました。
 その日も、ゲオルクが話しかけて来ました。
「リオさん、おはようございます。最近元気になられて、私も嬉しいです。何か良いことありましたか?」
「おはよう、ゲオルク。そうね、カールのことも半年経ったから、私もう頑張らなくちゃってね。女の一人身は寂しいし…あなたはどうなの?好きなひとでもできた?」
「全然です、僕はあまりモテないんで。でも、リオさんみたいな素敵なひとが相手なら、頑張れそうなんだけどなぁ」
「あぁ、そうなの。じゃぁ頑張ってみれば。お昼ご飯、家でどう?」
「えぇっ、本当ですか?喜んで伺います」

 午前の作業が終わると、今日はこれで終わりにすると仕事仲間に伝えて、リオは帰ることにしました。ゲオルクには、2時間後に家に来るように話してあります、もちろん皆んなには内緒で。

④へ【続く】

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