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民法#70 共同抵当①

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共同抵当


→一つの被担保債権につき複数の不動産に抵当権を設定すること。住宅ローンを組むときに土地と家屋に同時に抵当権を設定するのが典型例である。
→なお一つの被担保債権につき、複数の不動産に抵当権が設定されれば法律上当然に共同抵当となる。当事者間の合意を要することはない。
※根抵当権の違いともなる。

同時配当と異時配当


→前者は共同抵当の設定された不動産を同時に競売にかけることである。抵当権者は目的物の価格に応じて配当を割付される。
 なお、これは法定されることであり、当事者の合意により割合を変更することはできない。
→後者は共同抵当の目的物のうち、一部を競売にかけることであり、後順位抵当権者の保護が問題となる。

抵当権と後順位抵当権者の保護


事例
債務者は被担保債権2500万のために自己所有の甲土地と乙土地に第一順位の抵当権を設定した。それぞれ3000万、2000万の価格である。甲には二番抵当が2000万、乙には二番抵当が1500万相当あるとする。

①一番抵当権者が甲と乙を同時に競売した場合
→すなわち、同時配当となり、一番抵当権者は甲と乙の価格に応じてまずは優先弁済を受ける。すなわち、甲から1500万、乙から1000万となる。
甲の残り1500万および乙の残り1000万より、それぞれの二番抵当権者は配当を受ける、

②一番抵当権者が甲のみ競売をかけた場合
→まずは甲から一番抵当権者は2500万すべてを優先弁済を受ける。
→しかし、甲の二番抵当権者からすると同時配当の際に比べて弁済額が減っており、十分な満足が得られていないため、本来同時配当であれば受けられた限度において、乙に代位して抵当権を行使できる。
→したがって、500万しか配当を得られていないため甲の二番抵当権者は差額1000万円分の抵当権を行使するため乙に代位する。
→乙につき、抵当権の付従性により、被担保債権が消滅したため、一番抵当権はなくなり、二番抵当権がくりあがりそうであるが、そこに甲の二番抵当権者が代位して抵当権を行使できる立場となる。
→よって、乙に抵当権が実行された場合、甲の二番抵当権者だった者が1000万優先弁済を受けて、乙の二番抵当権者は残りから弁済を受ける。
→結果として同時配当と同じとなる。

先順位抵当権者による抵当権の放棄


→抵当権の放棄は自由である。
→しかし、やはり後順位抵当権者の保護のため、放棄してしまうと、それがあることによって主張できなくなった範囲で後順位抵当権者は先順位抵当権者に優先する。

事例
一番抵当権者は甲と乙の両土地に共同抵当を設定した。甲には二番抵当があり、乙にはない。
甲の価格が3000万、乙を放棄することがなければ二番抵当権者は1000万の限度ができていた。
一番抵当権者が甲を競売した場合、一番抵当権者には2000万、二番抵当権者には1000万の配当となる。

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