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刑法#46 公務執行妨害罪

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公務執行妨害罪


→保護法益は公務であり、国や地方公共団体の作用である。国家的法益の典型である。
※あくまでも、公務が保護法益であり、公務員の身体そのものではない。したがって、非番の公務員への暴行は公務執行妨害罪としては成立しない。
→保護法益は公務であるので、外国の日本にいる外交官への暴行は公務執行妨害罪にはあたらない。
→公務執行妨害罪の主体に制限はなく、必ずしも利害関係人でなくともよい。

【コラム 公務とは】
 公務員がする、国や地方公共団体の作用である。権力的なものとそうでないものがある。後者には、議会委員長の休憩宣言や国鉄職員の業務がある。これらを司る公務員に暴行をしても公務執行妨害罪は成立する。
 また、委員会の条例採択事務は権力的公務ではないので、威力業務妨害罪にいう業務にあたる。
 さらに、「職務を遂行するにあたり」という95条の文言は、当該職務の執行と時間的に接着しこれと切り離しえない一体的関係にあたるとみるこたができれ範囲内の職務行為たするのが判例の見解である。

公務執行妨害罪における、暴行と脅迫


→その程度は現実に職務執行妨害の結果が発生したことを必要とするまのではなく、妨害となるべきものであれば足りる。
 したがって、石を警官に投げてあたらなかったとか、耳もとで大きな音をたてるといったことでも成立する。
→また、公務員の補助者や関連する物品に対しての脅迫や暴行、損壊でも成立する。

→なお、暴行や脅迫がない場合は単に業務妨害のおわる。偽電話で警官や消防官を出動させたなど。

公務の適法性


→保護されるべき公務は適法でなければならないという原則
①税務署職員の検査章不携帯など警備な違反では公務性が阻却されない。
②判例は、行為の時に適法であれば、結果的に無罪となった場合でも、公務執行妨害罪は成立するとする。
 たとえば、怪しい者を逮捕した警官を被逮捕者やその取り巻きを殴った場合、後に裁判で被逮捕者が無罪であっても公務執行妨害罪は成立する。

【コラム 行為時標準説と裁判時標準説】
適法性の判定を行為の時に求めるか、裁判の時に求めるか、それぞれの学説。判例は前者にたつが、後者にたつ場合、裁判で無罪となれば上記の例では公務執行妨害罪の適法性がなく、成立しない。

演習問題

次の設問に◯か✕かで回答せよ。

①県議会の委員会で休憩を宣し退室しようとした委員長に陳情者が暴行をした場合、工務執行妨害が成立する。

→◯ 判例は、休憩宣言後にも委員長には委員会の秩序を維持する職責があったとした工務執行妨害罪の成立を認めた。委員会が完全な休憩状態に入るまでは委員長は職務執行中ということである。

②日本国内で、日本と国交を有する国の外交官がその職務を執行中に、それを知りつつ当該外交官に暴行又は脅迫を加えても工務執行妨害罪は成立しない。

→◯ 公務執行妨害罪の保護法益は我が国公務員のする公務であるため。

③消防署に虚偽の電話をして消防車を出動させた場合、公務執行妨害罪が成立する。

→✕ 公務執行妨害罪の実行行為は暴行や脅迫である。本事例は業務妨害罪である。

④交通整理中の警察官に石を投げたが当たらず、職務が妨害されなかった場合、公務執行妨害罪が成立しない。

→✕ 石を投げれば暴行に該当する。公務執行妨害罪の構成要件は公務員が職務を執行する場合にあたり暴行や脅迫を加える。

⑤その公務の執行を妨害する意図で、公務執行中の公務員を監禁した場合、監禁と公務執行妨害の両方の罪が成立する。

→◯ 観念的競合となる。

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