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民法#62 相隣関係
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囲繞地通行権
→公道にでられない袋地とそれをとりまく公道に接した隣地である囲繞地において、法定により要件を満たすだけで生じる。
→袋地の所有者は公道に至るまで隣地を通ることができる。ただし、隣地所有者の負担ができるだけ少ない方法を要する。
→通行地役権の違いとして、地役権は契約により生じるのに対して、囲繞地通行権は法定要件を満たせば生じる。また、通行費用は前者は任意だが後者は必要となる。さらに、前者は登記は必要ないが、後者はそれが対抗要件となる。
→償金は一年ごとにまとめて支払ってもよい。また、通路開設のための損害は除く。また、場合によっては自動車通路を開設されることがある。
分筆と袋地
→一筆の土地が別れて袋地が生じた場合、そのもとの土地に対してのみ囲繞地通行権を主張することができる。すなわち、この場合は他に囲繞地があっても、元々土地が一筆の土地から別れた隣地にしか権利を主張できないわけである。
→ただし、この場合は償金を要しない。
→また、それぞれの所有者が変更されても変わらない。
その他の相隣関係
→土地の所有者はその境界付近に建物を築造する場合は必要な範囲で隣地の使用を請求することができる。
→隣地の立木から枝葉が自己の土地に伸長してきた時はそれを隣地所有者に除去するよう請求するにとどまる。
根が自己の土地に伸長してきた場合はそれをとりのぞくことができる。
→境界票を設置した場合はその費用は隣地所有者と按分される。また、境界票相隣者の共有と推定される。
なお、境界票を破壊した場合は自己が設置したとしても境界損壊罪という犯罪となる。境界を公にするという社会的な法益を侵害したからである。
演習問題
次の設問に◯か✕かで回答せよ。
①袋地の所有者が通路を開設したために隣地の所有者に損害が生じた。この場合、一年ごとに償金を支払うことができる。
→✕ 囲繞地通行権を有する者は、他の土地の損害に対して償金を支払わなければならないな、通路開設のために生じた損害を除き、一年ごとにその償金を支払うことができる。
②甲が乙の所有地について地上権の設定を受け、次いで丙がその土地について抵当権の設定を受けた後に、甲が乙からその土地を買い受けた場合、甲の地上権は混同により消滅する。
→✕ 抵当権が実行されて所有権が失われても地上権があれば土地を利用する権利は維持されるため。地上権が登記された賃借権の場合でも同じである。
③Aが自己所有地を建物所有目的でBに賃貸し、Bがその地上に建物を所有する場合において、A及びCがBからその建物の所有権を譲り受けたときは土地の賃借権は混同により消滅しない。
→◯ 借地借家法により、Cのために賃借権は混同により消滅しない。
④AがBに対する債権を担保するためにB所有の土地に1番抵当権の設定を受け、Cがその土地の上に2番抵当権の設定を受けた場合において、AがBを単独で相続したときは、Aの抵当権は消滅しない。
→✕ これは被担保債権が相続により混同して消滅するため、債権の混同であり、抵当権はその付従性により消滅する。