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民法#68 法定地上権②

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法定地上権前編はこちら

ケース①


a所有の土地上にb所有の建物がある。xが土地に一番抵当を設定する。
その後にaはbから建物を所有した。そして土地にyのために二番抵当が設定された。
→一番抵当が実行された場合、一番抵当権者は法定地上権が成立しないものとして設定しているため、法定地上権は成立しない。
→ただし、一番抵当が消滅した場合においては害する抵当権者がいないため、二番抵当権の実行により、法定地上権が成立する。

ケース②


a所有の更地にxが一番抵当を設定した。その後、その土地の上にaが建物を建造した。yが同地に二番抵当権を設定した。そして、二番抵当が実行された。
→法定地上権が成立すると一番抵当権者の利益を害するため、成立は否定される。
→なお、一番抵当権者と二番抵当権者の順位が合意などで入れ替わったとしても成否に影響しない。あくまでも当事者の取り決めにすぎないからである。
→一番抵当も二番抵当も実行されたとしても、やはり一番抵当権者の利益を保護しないといけない点はかわらない。

ケース③


aが土地、その上にbが建物を所有している。
xが建物に一番抵当を設定した。その後にbはaから建物を取得した。yが建物に二番抵当を設定した。
→二番抵当が実行されたとしても、法定地上権は成立する。建物に一番抵当が設定されているのであれば、法定地上権が後付けで生じても一番抵当権者を害さないため。

ケース④


a所有の土地にa,b共有の建物がある。
土地だけに抵当権が設定され、抵当権が実行された場合。
→当事者ではない共有者bの利益を害するわけではないので法定地上権は成立する。
→建物のaの持分に抵当権が設定された場合も同じ結論となる。やはり、法定地上権が成立することにより共有者を害するわけではないからである。

ケース⑤


ab共有の土地上にa所有の建物がある。
土地のa持分に抵当権が設定され、抵当権が実行された場合
→法定地上権は成立しない。土地上に成立してしまうと共有者の利益を害するため。
→建物だけに抵当権が設定され、実行された場合も同じ結論となる。

ケース⑥


ab共有の土地上にab共有の建物がある。
土地のa持分に抵当権が設定され、抵当権が実行された場合
→基本的には土地を基準に考えるため、結論は法定地上権は成立しない。そもそも地上権を土地に成立させるためには共有者全員の承諾を要する処分行為となる。

演習問題

次の設問に◯か✕かで回答ください。

①A所有の甲土地上にB所有の乙建物があった場合においてAがCのために甲土地に第一順位の抵当権を設定した後にAが乙建物の所有権を取得し、その後、AがDのために甲土地に第2順位の抵当権を設定したものの、Cの抵当権がその設定契約の解除により消滅したときはDの抵当権が実行されてEが競落したとしても乙建物に法定地上権は成立しない。

→✕ 法定地上権の成立を予期できない、保護すべき抵当権者がいないため。

②法定地上権の登記は裁判所の嘱託による。

→✕ 当事者の申請による。登記原因は年月日法定地上権設定、日付は買受人の代金納付日である。

③A所有の甲土地が更地であった場合において、AがBのために甲土地に第一順位の抵当権を設定した後、Aが甲土地上に乙建物を建築し、Cのために甲土地に第2順位の抵当権を設定すると同時に、Bの抵当権とCの抵当権の順位を変更し、その後にCの抵当権が実行され、Dが競落したときは、乙建物について法定地上権が成立する。

→✕ 抵当権の順位の変更は、法定地上権の成否に影響がない。順位の変更は、同意をした者、これに承諾した者に効力が生じるため、第三者に影響は原則ない。

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