民法#35 時効⑥
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時効の遡及効力
→時効の効力はその起算日にさかのぼる。
つまり、占有開始の時である。時効完成や援用の時ではない。
→したがって、土地を時効取得したなら、占有時にさかのぼって従物や果実も取得できる。
→不動産を時効取得したことにより所有権移転登記をする場合、登記原因の日付は取得時効が完成したひではなく、起算日である。
時効利益の放棄
→時効の完成前に放棄することはできない。
→完成後であれば放棄可能。
→時効完成後に一度債務の承認などをしてしまえば、その後は時効の援用は信義則に反するためできないのが判例である。法律を知らなかったではすまされない。ただし、一度時効が更新して再び時効が完成したなら援用は可能。
消滅時効の起算点
→権利を行使できる時とは
法律的に権利を行使できることであり、事実上ということではない。したがって、海外旅行や病気などで事実上できなかった場合を言い訳にはできない。
→確定期限や不確定期限は、期限到来が権利を行使できる時である。
※校舎において死因贈与が典型例であるが、あくまで死亡を事実上知った時ではなく、実際に死亡したときが「権利を行使できる時」である。
→期限の定めのない債権は債権成立とともに権利を行使できる時である。たとえば民法上の不法行為にもとづく損害賠償請求権など法律上の定めで生じる債権である。
→弁済期日が決まっていない消費貸借契約では債権成立から相当の期間経過して起算点をむかえる。消費したものを調達する期間が考慮されるからである。
消滅時効と除斥期間
除斥期間
「一定の権利について法律の定めた存続期間」
※窃盗被害者や遺失主の権利回復期間など
消滅時効との違い
①援用を要しない
→法定された期間経過で効果が発生
②完成猶予や更新の制度がない
③遡及効力がない
演習問題
次の設問に◯か✕かで回答せよ。
①債権者代位権により被代位債権を代位行使した場合、被担保債権も時効が更新猶予される。
→✕ あくまでも被代位債権に対してのみである。
②詐害行為取消権につき、取消債権は時効の完成猶予がなされるが、被担保債権は完成猶予しない。
→◯
③債権者甲が債務者乙のもつ債権を差し押さえた場合、時効が完成猶予するのは、あくまでも債権者甲の債権である。
→◯