民法#38 意思表示
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到達主義
→意思表示は原則として相手に到達したときに法的な効力が生じる。
→必ずしも相手方が了知している必要はなく、了知できる状態で足る。したがって、単にポストに手紙がはいっていたり、家族が受け取ったとしても効力を生じる。
※ただし、幼い子供などであればその限りではない。
→正当な理由なく、郵便配達を受け取らなかったり、不在通知を無視するなどすると、意思表示が了知できる状態ではないが、本来到達すべき意思表示を妨げたとして、意思表示の効力が生じる。
→なお、上記をきちんと証明するため実務では内容証明が使われる。
発信主義
→意思表示の例外。制限行為能力者の催告への返事があげられる。制限行為能力者は守られなければならないからである。
意思表示は表意者が通知を発した後に、意思能力を失ったり、死亡したり、制限行為能力者となっても効力をさまたげられない。
→ただし、申し込みの後に死亡や意思無能力者、制限行為能力となったら効力を発生しないようにしたいと、表示もしくは相手方がわかっていたなら効力は生じない。
意思表示の公示
→意思表示の効力発生は到着主義をとるため不在者などに意思表示をする場合に用いる。
→裁判所の掲示板の公示され、それと同時に官報記載または市役所の掲示板に掲示され、最後に官報に記載されてから二週間経過すると意思表示が相手方に到達したとみなされる。
意思表示の受領能力
→意思無能力者、成年被後見人と未成年は意思表示の受領能力がそもそもない。
→被補助人や被保佐人は一応ある。
例えば制限行為能力者側への催告を考える。
→なお、その返答は発信主義をとる。
成年被後見人や未成年に直接催告をしてもその返答や無反応には何の法的な効果は生じない。すなわち、追認しても取り消してしまえるのである。
→しかし、行為能力回復後や法定代理人にするのは問題ない。なお、無返答の場合は追認したとみなされる。
被補助人や被保佐人には意思表示の受領能力は一応あるので本人に催告は可能であるが、それは保護者に同意をもらう催告である。なお、返答を得られない場合は取り消したとみなされる。
→しかし、保護者や行為能力回復後の本人については返答を得られない場合は追認したとみなされる。
演習問題
次の設問に◯か✕かで回答せよ。
①制限行為能力に対して追認するかどうかの催告をした場合、制限行為能力者がそれに対して返信した場合、相手側に到着したときに効力を生じる。
→✕ 設問の場合は発信主義をとるため、発信されたときに効力が生じる。
②意思表示は表意者が発信後に死亡したり、制限行為能力者になったとしても、その効力を妨げられない。
→◯ ただし、表意者が事前に、死亡したり、制限行為能力者となった場合には発信した意思表示の効力を生じないようにする旨を表示していたり相手方に伝えている場合はその効力は生じない。
③不在者に意思表示をする場合は、裁判所の掲示板に掲げたり、官報に記載するかたちで公示し、二週間経過すると相手方に送達されたとみなされる。
→◯ なお、訴求的効力ではなく、あくまでも掲示や官報記載より二週間が経過して、そのときより到達の効力が生じる。
④未成年者や成年被後見人は財産管理能力そのものがないため、意思表示の受領そのものができない。また、被保佐人も受領能力が不完全とされ、催告などをしても無効とはならない。
→✕ 被保佐人に催告は可能であり、意思表示の受領能力はあるとされる。財産の処分も可能であり、債務の承認をすることもできる。