お母さん
実家から帰る時、私は母とハグをする
そんなに頻繁に帰れるものでもないけれど
どこか名残惜しいからなのか
いつから始まったかも怪しいくらい
理由は特にないと思う
でも、私は母とハグをする
会う度に白髪が増えて
ハグをする度に細くなった母を感じる
私の背が伸びたからかもしれない
でも、あれ?こんなに小さかったっけ
と実感してしまう
私より大きくふわふわしていた母の手は
少し筋張ってきたかもしれない
母のぱっちりとした二重は三重になってきた
そんな母がどこか消えてしまいそうで時々怖くなる
実家に帰れば
おかえりってあたたかく向かえてくれる
私が好きだと言った料理を振る舞ってくれる
私が食べたいと言ったものを次の日には作ってくれる
『こんなのしか作れないけど』って言って
作ってくれた甘い卵焼き
これで育ったと言っても過言ではない
大好きなんだよなあ
お母さんの手は少し大きいから
その分大きくなるおにぎり
あなたのラップの巻き方は受け継がれてますよ
帰る時には、『少しだけど』って言って
手料理を持たせてくれる
一人暮らしの家に帰った時
無性に寂しさが襲ってくる
部屋は冷たく、持たせてくれる手料理はどこか違う味がする
母が作る料理と同じ分量、時間、同じ食材を使っても
どこか違う味に感じる
やっぱり母が作るから美味しいのだ
母の料理は世界一美味い
また、お母さんの料理が食べたい
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