私に宿る燈(ひかり)
私の心の教科書を見つけた。
小日向まるこさんの「見つけたいのは、ひかり」という詩と絵の本だ。
大切なものは何か、見つけたいのは何か、言葉にして情景にして見つけ出させてくれる本。
いつも私の心にぽっかりと穴が開いて誰かと居ても好意を貰ってもその穴を風が通り抜ける。近くにあるのは知っているが、手が届かない。汚してしまう。それが悲しくて寂しかった。相手に縋る事もあったし、解ってくれないと八つ当たりをした日もあった。そうしてしまう自分が嫌で、隠そうとすれば殻に籠って笑顔を作った。
私が欲しかったのは、相手からの深い愛情でも厚意でも無かった。
この本の1文にある、“目を凝らさなければ見過ごしてしまいそうなひかり”が私の欲しかったものだった。自分のまだ気づいていない才能や魅力、貴方のまだ知らない1面、今日が始まる音と光、貴方がしてくれた事、一つ一つ全てに気づき大切にしたかったのだ。時間をかけて。
こんな風にいつもすぐ傍にあり、私の心を完成させてくれるもの。疲れた時に、忘れそうになった時に、私の心に燈を灯してくれる本。
この本が私の教科書だった。