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キャンドルサービス

キャンドルサービスの話、、、

大きな披露宴で、キャンドルサービスの時
新郎(医者だった)の友人がとっても「悪い人」ばかりで、新郎は各テーブルで一気飲みをさせられていた。
まあ、飲ませる方も飲ませる方であるが、それを飲む方もどうかとは思うが・・・
そして、テーブルが3つや4つならば、なんとか「うい~酔っ払った!」ということかも知れないが
10テーブル以上も一気飲みさせられたら、どうなるか・・・
「どうなるんだろう?」
これは、私が担当していた披露宴であり、
「どうにもならないでくれ!」と祈った。

願いは叶わなかった。
もうちょっとだったのである。
もうちょっとだけ頑張れば、なんとかなったのである。
披露宴の進行の最後は、ご両親への花束贈呈、そして謝辞、
その後、新郎新婦ご両家両親がお見送りの為 退席しお開きとなる。

謝辞まではいったのである。
正直「良かった!」と思ったし、
「なんとかなった!」とも思った。
しかし、最後の最後まで気を抜いてはダメだということを、身を持って体験した。

謝辞が終わり、会場からは大きな拍手が起こった。
新郎新婦、そして両家両親は会場の皆さんに一礼をした。
新郎は、その頭(こうべ)を下げたことが悪かったのか・・・
突然 自分の足元に、激しくおう吐し、水溜りを作った。

その様子を参加していた200名以上の方がライブで見たわけである。
しかし、こんなことくらいで動揺していては東京のホテルでキャプテンは務まらない!

何ごとも無かったかのように、新郎新婦と両家両親を会場からお開き口へ案内し、
アシスタントが「吐しゃ物の水溜り」を隠した。
どうやって隠したかといえば、さっきまで新郎新婦と両家両親の後ろにあった金屏風で囲ったのである。
金屏風は色々な目的に有効に使えると思った。

会場から外に出た新郎に
「大丈夫ですか?」と聞くと
「えー、もうスッキリしました!」とのこと。
「お見送り、出来ますか?」
「ハイ、大丈夫です!」
そういうことであれば、通常通りお見送りをしてもらうことにした。

そのあとで、新婦が
「なんでもうちょっと我慢出来なかったの?」と新郎を攻めていた。
そのセリフ、私も言いたかったものなので、
少し気分が良かった。

会場を出て、新郎新婦や両親に挨拶しながら帰る皆さんは、
ほんの5分前に起きた出来事など、誰も知らないような顔で、
「いや~おめでとうございました!」
「いい結婚式でした!」
なんて言いながら帰っていった。
日本人というのは、ほんとに面白い。
この話、志の輔師匠に教えてあげたいくらいである(その後機会があり志の輔師匠にこの話をお伝えしたら大層喜んでもらえた)。

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