蒼琉璃

世界の端で物書きをしております。 呟いたり記事書いたり色々したいです

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最近の記事

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    • ヘンゼルとグレーテル〜昏き森の魔法使い〜

      NTR企画2024夏に参加しました!٩(๑´0`๑)۶ 完結済みです。  フランツ王国の、ベルケル伯爵の愛娘であるグレーテルは『たんぽぽ』という愛称で人々に愛され、親しまれていた。  しかし、幸せはそう長くは続かない。  グレーテルを愛してくれた母は、闘病の末に、亡くなってしまう。  やがて、新しい母親が必要だと考えたベルケル伯爵は、再婚相手である美女ザビーネを城に招いた。彼女にはヘンゼルという連れ子がいた。  意地悪で、陰湿な継母ザビーネとは対照的に、義兄のヘンゼ

      • 絶賛NTR短編書いてます

        ご無沙汰しております! 夏のNTR祭りに参加中(*´艸`*) 短編にするつもりが七話くらいになりそう。こういう中編も楽しいですね💫💫💫 敬語ドS書くの楽しい。 完結したら投稿します!

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          隠れ家カフェにて

          隠れ家カフェにて

          徒然小話

          今日は職場の先輩が、諸々の手続きに来られたんですが、赤ちゃんも一緒でした。 世間では(というかX)ではわりと職場に赤ん坊連れて来て…みたいなお話があるけれど、うちの職場は和気あいあいとしておりましたね。 大人しくて可愛かった。 抱かせて貰ったけど、なんかこうあの小さき人の温もり、生命力を感じる。 七つまで神様の子というけれど、なにかそういう尊い物を感じました。

          第二章 十一話 貸別荘にて

           あの後、僕達は無事に何事もなくトンネルを抜けると、浩司さんと別れて貸別荘へと戻った。  暴走族の頭をしている浩司さんは、社会的に褒められたような生き方をしていないが、僕達を助けに来てくれたところを見ると、警官だった父親譲りの正義感はあるんじゃないかと思う。余計なお世話かもしれないが、更生して欲しいものだ。  それはさておき、オカルト研究部としては、若林先生が持っていたビデオカメラはあの部屋の床に、無造作に置かれていたが、録音はされていた。雨宮さんの浄霊の様子が写っている

          第二章 十一話 貸別荘にて

          第二章 十話 天に向かって

           雨宮さんは立ち止まり、何者かと対峙しているかのように、仁王立ちしたまま、動かなくなってしまった。  何事かと、彼女の前方を見ると黒い煙のような人影が揺らめいていて、僕は動揺してしまった。  物陰に潜んでいた、若林先生を見付けた時は、僕は口から心臓が飛び出そうになってしまった。彼女の手に握られていたのはカメラではなく、手術用のナイフで、咄嗟に体が動いて、抑えつけていた。  その後の記憶は、必死過ぎたせいで曖昧なんだけれども。  ただ、明らかに地震とは異なる、ポルターガ

          第二章 十話 天に向かって

          第二章 九話 毒婦

          「海野先輩、開けるよ。もし若林先生が暴れるような事があったら、頼むね。多分私だけじゃ抑えられないと思うから」 「わ、分かった」  そう言うと私は、海野先輩を肩ごしに振り返る。霊に憑依された人間ってのは、小さな子供でも華奢な女でも、信じられないほど力が強くて、吹き飛ばされる事もある。  いくら私に武道の心得があったとしても、一人じゃ、とても無理。海野先輩なら私よりも背が高いし、体格も良いので頼りになる。 「この扉の先にいる悪霊は、海野先輩を騙したんだ。ずる賢く油断ならな

          第二章 九話 毒婦

          第二章 八話 隠蔽の館②

          「え、産院で最近なんか事件でもあったんですか」  若林先生を探すように部屋を見渡していると、不意に今井先輩が背後からポツリと話し始める。最近、産婦人科で世間が騒ぎになるような、事件が起こったんだろうか。  今井先輩は、オカルトにしか興味がないと思っていたんだが、意外にも事件なども詳しいようで、驚いた。 「海野くん、君は特殊産院と言う、養子縁組ビジネスがあったのを知っているか」 「ビジネス、ですか?」 「未婚の夫婦や戦争未亡人、売春婦の間に産まれた私生児を、養育費と共

          第二章 八話 隠蔽の館②

          第二章 七話 隠蔽の館①

          「あのトンネルの中は、息が詰まるようだったな。何枚か写真を撮ったから、現像が楽しみだよ、斎藤くん」 「これは、我が部始まって以来の偉業を成し遂げるかもしれんぞ。楽しみだなぁ、今井くん。後は我らのマドンナに任せるのみ!」  トンネルから出ると、今井先輩はふぅ、と息を吐き出し、眼鏡を上げる。二人してトンネル内の感想を言い合い、大いに盛り上がっているようだった。  霊感のない二人は気楽でいいなぁ。  あのトンネルの上部で、蠢く赤ん坊達の霊が視えて、今と同じような感想を口に出

          第二章 七話 隠蔽の館①

          第二章 六話 いざ、おばけトンネルへ!

           道はとりあえず人が通れる位には整備されているものの、雑草は生え放題で、枝も伸びている。放棄してそのまま自然に帰るのを待っているのだろうか。  木々が多い茂っているせいか、昼間でもなんだか、薄暗いな。 「ほら、お前ら見えてきたぞ。あれが旧二子山トンネルだぜ。昼間だとたいした事ねぇな」  先頭にいた浩司さんが前方を指差すと、そこには蔦に覆われ、ぽっかりと口を開けた暗闇が見えてくる。トンネルの上部には年季の入った寂れた看板があり、旧字体で『旧二子山トンネル』と書かれていた。

          第二章 六話 いざ、おばけトンネルへ!

          第二章 五話 怪異の因子②

           僕達はそんな訳で、恵子さんの家を後にする。  今夜の買い出しを頼まれていたので、田舎によくある地域密着型の小さなスーパーに寄った。若林先生に頼まれたカレーの食材と僕達のお菓子等を買う。ほとんど研究合宿と言うより、連休を利用した旅行だな。  そして、公衆電話から貸別荘に電話を掛けた。若林先生に車で拾って貰い、ひとまず貸別荘で食料をおろして、旧二子山トンネルに向かうつもりだ。 「雨宮さん、結構買い込んだねぇ。クリームソーダの時も思ったんだけど、甘い物が好きなんだ」 「そ

          第二章 五話 怪異の因子②

          第二章 四話 怪異の因子①

          「ねぇ、本当にあんたで大丈夫なの」  恵子さんが言いたい事は良く分かる。  だけど、雨宮さんの言う浄霊とは聞き分けのない悪霊などを、強制的に浄化させるため、輪廻転生が出来なくなるようなやり方らしい。  雨宮さんの力は強いし、子供の霊を強制的に排除する事は可能だけれども、出来る事ならば成仏させて、輪廻転生させたいのだろう。  その気持ちは良く分かるので、僕は腹を決めて恵子さんに言う。 「僕は寺生れで、供養は出来ます。雨宮さんの力を借りれば、恵子さんに憑いている未成仏の

          第二章 四話 怪異の因子①

          第二章 三話 オカ研合宿②

           どうやら、斎藤先輩の親戚は貸別荘の管理人をしているようで、朝から夕方まで仕事だという。  僕達はひとまず、ご親戚の実家の方に降ろされると、先生達は荷降ろしの為に、宿泊予定の貸別荘へ向った。  斎藤先輩がチャイムを押して玄関から出て来たのは、見るからにツッパリというか、不良の女の子だ。チューイングガムを噛みながら、僕達を軽く睨みつける。 「遅いよ、謙治。そいつらがオカ研の仲間?」 「久しぶり、恵子ちゃん。相変わらずとっぽいなぁ。そうだ。彼らは俺の可愛い後輩なんだ。お手柔らか

          第二章 三話 オカ研合宿②

          第二章 二話 オカ研合宿①

          「海野くん! 雨宮くん! 聞いて喜べ。この連休を使ってオカルト研究部は、合宿する事を許可されたのだ」 「流石は斎藤くん。この辰子島高等学校でオカルト研究部にとって、いかに現地取材が必要なのか顧問に説いてくれたんだな」  部室の扉をガラッと開けるや否や、元部長の斎藤先輩は、鼻息を荒くして飛び込んで来た。居眠りをしていた今井先輩は、まるで軍隊並の驚くべき瞬発力で起き上がり、敬礼する。  雨宮さんと僕は、今年出版されたノストラダムスの予言を元に、オカルト研究部として予知能力や

          第二章 二話 オカ研合宿①