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ポン・ジュノ「犯人はこの中にいる」

2003年公開の韓国映画「殺人の追憶」は韓国軍事政権下の80年代後半に起きた未解決連続殺人事件「華城連続殺人事件」を元にしたサスペンス映画です。私はこの作品が大好きで、韓国映画の魅力にどっぷりハマるきっかけになった作品でもあります。

好きすぎて、この映画に関わる記事や動画を漁っていたところ、YouTubeで面白い動画を見つけました。

2013年10月29日、韓国。映画「殺人の追憶」公開から10年を記念して、「観客との対話」という場が設けられました。出席者はポン・ジュノ監督、ソン・ガンホら俳優陣。当時はまだ犯人が見つかっていませんでした。

犯人は必ず映画を観に来るだろう

ポンジュノ監督:この映画を準備しながら1年間、多くの調査をするなかで、事件に関連した方々にたくさん会いました。当時の警察、記者、住民など多くお会いしました。そして最も会いたかった人は誰か?それはもちろん犯人です。しかし会えませんでした。犯人についての想像も色々としていたし、もし犯人に会ったらする質問をリストにしていつも持ち歩いていました。1年近く、シナリオ作業をしながら、映画が完成する頃には自分が犯人を捕まえられるのではないかと考えたりもしました。今日、この場を設けた理由も犯人が来ると思ったからです。(会場笑い) 
冗談ではないですよ。私は犯人の性格やキャラクターをよく知っています。かなり、誇示する性格を持っていて、自分が取った行動や細かい部分をメディアを通して知られるのを望んでいる人です。なので、映画公開をしたら映画館に観に来るだろうと考えた。ラストシーンでソンガンホさんがカメラを見つめるようにしたのは、劇場に来た犯人と目が合うようにした意図もありました。
血液型はB型です。犯行可能年齢は1971年以前の人の中で、今日ここにいらっしゃる方。(会場笑い) 
9件目の事件の犠牲者であった女子中学生のスカートから犯人の精液が出ています。警察は今も遺伝子情報を持っています。今日ここにいるのなら、身分証の提示と毛髪検査をすればすぐに捕まえることができます。
あ、あそこ、誰か出ていきますね。(ざわつく会場)

2013年10月29日 映画公開10周年記念「観客との対話」にて

時折、笑いを入れながら話していますが、監督は本気で犯人を捕まえる気だったというのがポスターに書かれたメッセージからも分かります。

2005年に初めてこの映画を観た時の衝撃はいまだに忘れられません。
当時、DVDにメイキング映像が特典で入っているということを知り、仕事帰りに渋谷のTSUTAYAに買いに行ったのを覚えています。
その後も時々、思い出しては観たくなる中毒性のある作品です。
自分の中で、再上映してほしい映画1位です。
いつか大きいスクリーンで観れる日を願いつつ…


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