「広告ビジネスは変われるのか?」を読ん

1 Aaas サービスとしての広告

「枠」(商品)を売り捌くのではなく、サービスとして広告を作ることが重要

背景
広告代理店のメイン商材であるテレビCMが通用しなくなったため、「枠」の販売では戦えない

2 広告は三つに分けられる

広告には、大きく3種類ある。
①+の広告
②±0の広告
③−の広告

① +の広告
生活者が好意的に受け止める広告

② ±0の広告
生活者が気にも留めないし、有害とも思われない広告

③ −の広告
生活者が有害とみなす広告

有料アドフリーコンテンツ(ネトフリ等)やアドブロックアプリによって、広告が排除の対象となってきている。

しかし、アンチ広告が進めば、被害を被るのは広告主だけではない。広告が排除されるのであれば、広告主は広告を打たなくなる。すると、テレビやGoogle、Instagramのようなサービスを提供する企業は、広告による収益を得ることができなくなる。広告主による広告料からコンテンツやサービスの制作費用を捻出していたから、無料で提供できていたのに、それがなくなればコンテンツやサービスを提供できなくなってしまう。

3 広告は衰退?

広告産業が衰退しているというのは、明らかな間違い。GAFAも広告によって成り立っている。「広告」が無ければ、無料で使っているInstagram、googleは有料になってしまう。

つまり、「広告」はマネタイズの1つの手段であり、「広告」によって生活者はサービスを安く、あるいは無料で享受することができるのだ。

4 広告は「三方良し」を目指せ

生活者にとって邪魔な存在で排除の対象となる広告ではなく、生活者に楽しまれる広告が必要。

すると、
生活者
・サービスを安価に享受することができる
・広告も楽しめる

広告主
・商品の売上を上げることができる

メディア・プラットフォーム
・コンテンツやサービスを充実させることができる

5 commissionとfee

日本は、「広告枠」の販売によって販売料(commission)を受け取っている。昔は、広告を打てば売れたから、このモデルでも成立した。しかし、そのような右肩上がりは終わったことに加え、広告効果の測定が可能になってきたため、フィーへの転換が求められるようになってきた

一方、欧米では、作成した広告という「効果」の対価としてfeeを受け取っている。

6 インハウスエージェンシー

自社グループに設置したマーケティング部門を指す。

背景
・専門知識の進化
専門知識が大幅に進化したため、自社内で専門を作り、ある程度理解しておかないと対応できないため。

・Web1の一方通行→Web2の双方向
大衆への一方的に情報を流す時代から、双方向になり、大衆からの情報を得る必要があるため

ただ、インハウスエージェンシーは、自社には詳しいが、最新の技術を備え続けるのは難しい。

「広告会社との共存」
広告会社は最新の技術と、インハウスの自社理解で補い合う必要がある

7 コンサルとの違い

コンサルは、ビジネスとマネジメント課題の可視化、ビジネスの仕組み化と効率化に長けている。

広告会社は、マーケティングとブランド体験設計。

8 広告の副産物

・棚どり
ある消費財の営業担当が「テレビ広告を実施します」と言えば、店舗が商品のスペースを空けてくれる(フェージングの確保)

・販売員のモチベアップ
「タレント広告」が多いのは、生活者への訴求だけでなく、販売員の鼓舞も目的

9 メディアプランニング

EX)どのメディアを使えば効果的か、何回見てもらえば認知されるか、購入に繋がるかを考えること

10 広告の役割

①商品の「表現」
企業は、自分達が作った製品の長所や短所を客観的に見るのは難しい。第三者から見た良さを「表現」するのが広告。
どんなにいい商品を作っても、知られなければ意味がない。良さを理解してもらわなければ意味がない。

②マネタイズの手段
広告によって、サービスを無料で提供できる。

③生活者の潜在的な要求と企業の想い(商品)を繋ぐ

④文化創出
広告で文化を作り、経済を動かす
EX)バレンタインにチョコをあげる

11 広告産業の持つ領域

①マーケティング産業
広告に留まらず、新規事業開発、ビジネスコンサルティングの仕事を行う

②クリエイティブ産業(芸術、文化的側面)
エンタメとしての役割を担っている。
EX)キャンベルスープ缶
ルネマグリットの諸作品
かっさんどる、さびにゃっく

③メディア産業
広告はメディア、デジタルメディアにおいて、マネタイズの柱となっている

④テクノロジー産業
生活者を取り巻く事情がデジタル化がしていく中で、広告はテクノロジーを使いこなす必要がある


ブランディング
ブランドエクイティ戦略
広告のマーケティングの本分は、ブランディングであり、象徴価値の創造そのものに直接的にかかわりたい
→クリエイティブ部門

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