人の本性なんとやら
「これは、ある四人の若者が冬の山で遭難した時の話である」
大田
山崎
三ツ谷
上岡
大田「おい!」
山崎「ひ!」
大田「脱げ」
山崎「…」
大田「とっととしろ!」
山崎「…」
上岡「おい、やめろ大田!」
大田「あぁ?!」
上岡「山崎こっち来い…」
山崎「上岡ぁ」
大田「ふっ…山崎、お前はいいよなぁ誰かに頼れば必ず手を差し伸べてくれる人がいるんだからさっ」
上岡「大田!いくらなんでもそんな言い方ないだろ!」
大田「実際そうだろ?!俺知ってんだぜ?アイツにレポート頼んで単位取ったこと」
山崎「それは…」
大田「全くよぉ…女はいいよなぁ!!頭も何にも使わなくったって男に媚びうりゃ生きてけんだからよぉ!!」
上岡「やめろ!!」
山崎「………自分だってみっちゃんに頼りきりじゃない」
大田「はぁ?」
山崎「みっちゃん言ってたよ、あんたと付き合わなきゃよかったって…アンタより山口の方がよっぽどうまかったって」
大田「あぁ?!あのアバズレ!!!」
上岡「大田!!こんなところで暴れんな!!山崎!!この状況でこんなこと言ってる場合じゃないだろ!!」
山崎「じゃあアンタはどうなの?」
上岡「は?」
山崎「私知ってるのよ?山に行く時、コンビニでゴム買ってたよね?」
上岡「あ…」
山崎「……今だから言うけど、みっちゃんアンタの子妊娠してるんだよ」
大田「はぁ!?!」
上岡「はぁ!?」
山崎「なのにアンタが強引に連れてきたからみっちゃん…あんな事に」
上岡「ち、違う!」
大田「何か違うんだ?」
上岡「お、大田落ち着け」
大田「上岡ぁ?俺の性格知ってるだろ?」
上岡「……はぁぁ…うざ」
山崎「…」
上岡「大田、お前は勘違いしてんぞ?」
大田「あ?」
上岡「そもそも迫ってきたのはアイツだ」
大田「は?」
上岡「可愛かったぜぇ?俺ので喘いで好き好き言っててさぁ~」
大田「…」
上岡「お前よりもよっぽどおぶっ!!」
山崎「!!?」
上岡「おっ…ごふっ…」
大田「殺す」
山崎「ちょ、ちょっと!!大田くん!!」
大田「俺の女に手ェ出しやがって性依存症野郎が!!!!」
山崎「大田くんやめて!!死んじゃう!!!」
大田「はぁ…はぁ…」
上岡「お…ごふっ…」
山崎「上岡くん!」
上岡「…」
山崎「……ひどい」
大田「はぁ…はぁ…」
山崎「は、早く手当しないと」
大田「する必要ねぇだろ」
山崎「!」
大田「本当は嬉しいはずだぜ?山崎」
山崎「…」
大田「お前、上岡によく迫られてたそうじゃねぇか、こいつのことだ何かしらの弱み握ってたんだろ?その代わりにアイツ紹介したんだろ?」
山崎「…」
大田「こいつもこいつならお前もお前だ」
山崎「ち、ちょっと、ち、ちがうの、ねぇ、話、い、痛い!!!やめてやめて!!!誰か助けて!!!」
…………
三ツ谷「はぁ…はぁ…救助隊さんあっちです!」
………
バァン!!!
三ツ谷「はぁ!!みんなぶ……」
「三ツ谷の前に広がっていたのは血まみれの上岡、裸になって犯されている山崎、遺体に一心不乱に腰を振っている大田」
三ツ谷「………はぁあ…自滅してんじゃん」
大田「あ…あ…み…」
三ツ谷「…」
パタンッ…
三ツ谷「救助隊さん!!こっちにはいません!!」
「解説、作中に出ているみっちゃんは三ツ谷のことではない」