アイリス・フローレンスの設定(詳細Ver)※随時更新予定
設定厨TFSさんへの投稿に際し、やむなく削った設定の原液を垂れ流す感じの何かです。
恐らく投稿した内容だけでもかなりとっても非常に長いのですが、実は…そのう…もっとありましてですね…。いや、好きなもんで…本編を作る予定がないのに設定作るの。
書いてるうちに興が乗ると、あれもこれもと詰め込み始める悪癖もあるもので、そうして連鎖するように更なる設定が生えた結果、文章量がぶくぶくと膨れ上がり、本当に我ながら阿保みたいな長文になってしまい…。
「オメーさんよう…この冗長な長文をそのままぶつけるの?あまつさえ放送で読ませるの?マジで??正気か???馬鹿なのか????」
と投稿直前に理性が深夜テンションの自分をしばき倒さなければどうなっていたことか…他の投稿者様の光の戦士の話を聞いたら刺激をバチバチ受けちゃってつい。
いやほんと、「お、この観点から掘り下げるのもいいな!この表現もいいな!目からウロコが!」ってなってェ…止まらなくってェ…。
とは言えせっかく作ったし勿体ないのでnoteに書き残しておこうと思い、今に至った次第です。自己満足以外の何物でもないですが、私はいつか自分がこの記事を特級呪物として扱うであろう未来から目を逸らすことにしました!
そしてそういう風に舵を切った結果、開き直ってますます追記が増えていき、更に長文になったりもしてますが…編集中に右上をちらちら見る度に増えていく総文字数が恐くて怖くて仕方がありません!ワォ!読む人に全く優しくない!!
いや、これ…もしかして…雪だるま式になってむしろ当初より倍増してない…???
おい、最初文字数いくつだった…?覚えてない…思い出したくない…!!
ともあれ、このページを開いたということは、うちのアイリスに興味を持って下さったということだと思いますので、遠慮なく途方もなく際限なく書かせていただく次第です。
前置きまで長々としてしまって申し訳ありません。拙い文章ではございますが、お付き合いいただければと思います。
生い立ちから先に作っているので、上記リンクを見ていることが前提の作りとなっています。申し訳ないのですが、放送を見ておられない方はできれば先に閲覧していただいた方がわかりやすいかと思われます。
年齢
推定18~20歳前後(新生当時)のヒューラン族ミッドランダー女性。
拾われた当時の外見からの推測のため、実年齢はもう少し上振れ、もしくは下振れする可能性がある。
本人曰く「お酒を飲んでも平気だし、大人だと思う」とのこと。あまり理由になってない。ちなみにザル。
性格
楽天的でおっとりとした性格だが、冒険者らしく非常に強い好奇心と行動力を持ち、少し目を放している間に忽然と姿が消えていることが多々ある。かと思えば予想外のとんでもない場所から現れたりなどもするため、まさに神出鬼没。ハーネスが必要な幼児のようだが、多分仮に着けてもいつの間にか外して居なくなるので無駄になる。
仲間と作戦行動中は足並みを揃えるために大人しくしているが、自分一人だけの場合は糸の切れた凧のようにどこまでも飛んでいく。戻ってくる頃にはボロボロになっていることもしばしばで、心配される度に「大丈夫。私頑丈だから」とか宣っているが、過信して何度もえらい目に遭ったことをすっかり忘れているようだ。
気を許した相手に頼られると目に見えて機嫌が良くなり、褒められるとデレデレと締まりのない感じになる。集落時代、優しくされることはあっても頼りにされることはなかったので、自覚は薄いが承認欲求が強く、おだてる言葉に免疫がない。
そのせいか自分を認めて頼ってくれる相手に非常に懐きやすいので、もしも暁の血盟にスカウトされなければ、悪い大人に甘い言葉でいいように利用された挙句、ぼろ雑巾のように使い潰され、捨て駒として死ぬか闇堕ちしたりする未来もあったかもしれない。冒険者として経験を積み上げた現在は、本人の成長と周囲のガードがあるため、その心配はほぼなくなったが。
怒ったり声を荒らげたりという行為が苦手で、他者に悲しみや痛みを悟られるのを嫌がる。半面、喜びや楽しみの感情は全く隠さずストレートに表現するため、平時はどんな状況でも笑顔を浮かべている印象を持つ者が多い。しかし、実際は処世術として笑顔を仮面にして張り付けているだけの場合もある。喜と楽以外の感情を素直に表出させることもあるが、それは弱味を見せても大丈夫だと安心できる相手限定である。
旅立つ前は自覚していなかったがかなりの負けず嫌いで、競争心を刺激される相手には張り合うような態度を取ることがある。特に同じ竜騎士であるエスティニアン相手が顕著で、再会する度に状況が許せば手合わせを申し込んでいるが、勝率はあまり芳しくないようだ。
競争や力比べは好きだが、揉め事や潰し合いは苦手であり、必要でないなら避けたいと考える。しかし一度やると決めれば非常に苛烈で徹底的。特に和解の叶わない完全な敵対者と見なした相手には冷酷であり、手心も手加減も一切なく淡々と処理するため、冷血女と怖れられたり二重人格を疑われたりすることもある。戦闘状態が解除されると瞬時にもとのぽやっとした雰囲気に戻るのが余計に疑惑と恐怖を強める原因らしい。
苛烈さの裏には「無責任に半端な情けを掛ければ、自分だけでなく仲間も危険に晒す」と言う集落の狩人達の教えが存在し、自分の甘さが原因で仲間を失わないための自戒という側面もある。
知性
記憶喪失によりエピソード記憶を失っているが、意味記憶については生活に支障があるほどの損失はなく、識字に関しても問題なく可能であり、記憶喪失以前もある程度の教育は受けていたことが伺える。ただし世情には非常に疎く、世間知らずと言っても差し支えない。
更に、外部との交流があるとはいえ閉鎖的な側面のある集落で過ごした五年間の中で、教養と呼べるものは最低限しか得ることができず、知識の蓄積が少ない上にかなり偏っている。旅立った当初は大して気にしていなかったが、色々な人々と関わるにつれて軽度ながらコンプレックスを感じるようになった。よって現在、冒険者として各地を巡る中で必死に学んでいる真っ最中である。
上記の経緯もあって、「自分は頭脳労働に向いていない」と思い込んでいるが、算術を利用する魔法体系である巴術を不自由なく扱えるため、恐らく頭の回転自体は悪くないと思われる。
身体的特徴
容姿に関しては義家族達が化粧や散髪の実験台という名目で丁寧に整えていたため、大人しくしている分にはお淑やかなお嬢さん。本人は清潔に保っておけばどうでもよかろうという考え方なので、義家族達の努力が偲ばれる。旅立つときに「お願いだから私たちが見てない間もちゃんと綺麗にして」と必死に口酸っぱく言われたため、肌や髪の手入れは旅の間も最低限行っている。
普段から頑丈と豪語するだけはあり、容姿に似合わぬ頑強な身体と無尽蔵と錯覚するほどの体力を持ち、よく食べよく寝てよく働く健康優良体。風邪なんて引いたことないし、真水を飲んでも腹を下さないし、万が一多少調子が悪くなっても一日も経たずに復活するため、単純に生命力が強い。
だからと言って無敵と言うわけでもないので、大怪我を負えば普通に行動不能になるし、疲労が限界を超えれば糸が切れた人形のように倒れたりもする。しかし回復した瞬間にまた働き始めるので、周囲の気苦労は絶えそうにない。
寧ろ心配した方がいいのは「私頑丈だから」でゴリ押そうとする頭ではなかろうか。
趣味
日記(紀行録)
記憶を一度失っているため、万が一再発した時のために読み書きの練習も兼ねて日々の出来事を書き記すようになった。なので趣味と言うより習慣と言った方が正しいのだが、子守中に子供達へ旅の出来事を話すためのネタ帳にもなっているため、とても内容が細やかでちょっとしたイラストを付けたりもしている。
他人には今のところ見せていないが、冒険の日々を重ねるにつれて冊数が増えているため、そのうち近況報告代わりに義実家に送って保管して貰おうかなと考えている。恐らく読まれた上で色々な意味で怒られる。
仕事
長の養子と言う名の居候であったアイリスにとって、自分が集落にとって役に立つ存在だということを示すことは居場所を作るための生存戦略の一環であり、命を救われたことへの恩返しでもあった。
しかし、はっきり言ってできたことは少なかった。家事の手伝いや子守、簡易の狩猟罠の制作などは行っていたものの、どれもが別にアイリスが居なくても問題ない作業であり、彼女の意志を汲んで満足させるために割り振られているに過ぎない仕事ばかりだった。
それでも『助かったよ』『ありがとう』と感謝の言葉を贈られれば、嬉しいものだったし、絶え間なく仕事があり続けることで、ここに居ていい理由を与えられたような気がしていたのかも、と大人になったのちにアイリスは振り返っている。
これが彼女の人格の形成にかなり重大な影響を与えており、仕事を与えれば与えるほど喜びを感じるワーカホリックじみた感性を持つようになる。
ある時重傷を負って療養を強制された際、欲しいものはないかと見舞客に聞かれると、迷いなく「お仕事!!」輝くような満面の笑みで力いっぱい答え、「休めって言ってるだろうが!!!」とその場にいた全員が異口同音で突っ込みをいれたという話が、本人によって笑い話として語られている。
子守
元々集落において、狩りで留守にすることが多い大人達の負担を減らすため、子供たちの面倒を引き受けることが多かった。アイリスと同世代の少年少女は狩人修行の忙しさを理由に子守を嫌がり、けれど監督役が居ないと遊びの幅が狭まるため、アイリスは子供たちにとってとても便利で頑丈な良き遊び相手であった。集落での五年間の中で、アイリスが特に感謝されたのが子守だったのが一番の成功体験となっている。
そんな経緯から双蛇党本部に寄るついでに木工師ギルド裏手のどんぐり遊園に赴くようになり、ベアティヌ先生の許可の元そこの子供たちに遊び相手をして貰っている。
彼らはアイリスがそれなりに名の売れた冒険者であることは知らず、絵本を読ませたり、遊具をぐるぐると勢いよく回す係にしたり、腕に捕まってぶんぶん振り回させたり、英雄ごっこの敵役として木剣等で滅多打ちにしたり、馬のように背にまたがって遊園一周ツアーをさせたりしている。髪を引っ張ったり、大人のくせに雑魚すぎーとか罵ってたりもするかもしれない。そこに英雄としての尊厳は欠片たりとも存在していないが、アイリス本人がとても楽しそうであるため、知り合いが見かけてもそっと見ないフリをしている。
バイク
引退する先輩冒険者からひょんなことで譲られたバイク(由来不明)だが、何度も乗車する内にその速さと風を切る感覚に魅せられ、今ではすっかり旅の相棒。マイチョコボ涙目である(たまに騎乗してはいるし、一緒に戦うことも多いのでちゃんとこっちも相棒)。
このカッコいい乗り物に似合うカッコいい女になりたいという動機から、今まで「着られれば何でもいい」と無頓着気味だったファッションセンスに改善が見られ始めた。このことを知った義家族の面々は「やっと年頃の娘らしくなった!」と歓喜したという。
死生観
狩猟民族の集落で過ごしていたため、直接狩りに参加はしていなかったとは言え、死は常に隣り合わせに存在しているものだった。
死闘の末獣の爪に引き裂かれて散った狩人、不意の襲撃で獣に攫われて餌になった子供、発狂して巣穴に飛び込み仇討で刺し違えた親。常に最善を尽くしていたとしても、そういった犠牲が出るのは避けられないことだし、自分の身にいつ降りかかってもおかしくないものだった。
だからこそ、いつか最期を迎えたときに後悔するような生き方をしてはならないのだと、アイリスは義母達に教えられた。当時は死への恐怖と共に胸に刻んだ言葉だが、冒険者として、光の戦士としていくつもの冒険を経たことで段々と言葉に込められた色々な意味が分かるようになってきた。
一度しかない人生、やりたいと思ったことはなんでもやりたいし、やり残しを残したまま死にたくはない。そう上手くはいかないのが世の中と言うものだが、それでもこの身が朽ちて星に還るまでに沢山の記憶を詰め込み続け、そこで待つ友や仲間に届けたいと思うのだ。
ついでに星海に還る前にバチバチにマウント取って煽り散らかしたアイツの見たことがないものも見て、自慢して、参ったと言わせてやるとも思っている。この星に生命が巡っていく限り、それはいつか必ず果たされるはずだと、アイリスは全く疑わない。
暮らしていた集落について
かつて猟師ギルドと対立していたとある狩猟団を母体とするムーンキーパー族の集落。自らをメネフィナの番犬ダラガブの子孫と自称しており、集落出身者は月色の瞳を持つことから、月瞳の猟犬と呼ばれることもある。
猟師ギルドとはいくつもの小競り合いの末に和解の道を選び、現在はギルドの取り決めに従って狩猟を行っており、他の集落との交流も盛んになった。
対立時代は狼のように集団で敵対者を執念深く追い立てる『恐怖の狂犬』として恐れられていたが、他民族との交流が増えた昨今ではその凶悪さは鳴りを潜め、近隣集落やグリダニアに赴いては狩猟の戦利品を陽気に売りさばく気さくな狩猟民族と認知されている。時代が変われば集団の在り様も変わるものである。
狩猟によって得た肉や皮革素材の交易が主な産業。上等な皮が手に入ったら懇意にしている革細工師に卸したりもしている。集落の大人は専業兼業の違いがあるものの大半が狩人だが、商人として外から暮らしを支えている者もいる。
集落の成立初期から最も優れた狩人が長を引き継ぐ掟となっており、長の掲げる方針は絶対のものとして扱われる。そもそも猟師ギルドとの和解が成立したのも、和解を望む狩人が新たな長となったからだ。異種族であるアイリスが迎え入れられたのは引き取り手が現れなかったのもあるが、当代の長である義母の決定だからというのが最も大きい理由だった。
集落全体で月神メネフィナを信奉しており、狩猟シーズン終了後の満月の夜には収穫物の一部や一番大きい獲物の頭蓋骨をメネフィナを祀る祭壇に捧げ、最も活躍した狩人が月の光を集めたように優美な祭衣を纏って舞を奉納する。この役目に選ばれることは集落の狩人にとって最大の名誉であり、次代の長を決める際の基準の一つとなっている。
集落の成立にはメネフィナが関係していると伝えられており、先の第六霊災の大洪水に見舞われたご先祖に番犬ダラガブを使わし、洪水から逃れることができる天然のシェルターのような洞窟へと導いたとか何とか。ことの是非は不明だが、その恩からご先祖は洞窟付近に居を構え、自らをメネフィナ様に導かれた聖地を守る猟犬にして、ダラガブの養い子と称するようになった。
なお、ご先祖が第六霊災を逃れる最中に狼が巣穴にしていた洞窟に偶然潜り込んで避難場所にし、それを伝承として語り継ぐ中で狼とダラガブと同一視するようになったというのが真相ではと言う俗説もあるが、集落の信仰とアイデンティティを否定する説であるので、本気の殺意を向けられたくなければ冗談だとしても口にしない方が身のためである。
狩猟団としては日々の糧を得る以外にも、増え過ぎた獣や強すぎるモブを積極的に駆除し、森の生態系や自然環境を守るなどの活動も行う。しかし、実行を判断する基準は集落独自の物のため、やり過ぎて結果的に猟師ギルドの規約に反してしまうことも度々あり、それらが積み重なって前述の闘争時代に繋がっていったようだ。現在は緊急性がない限りは猟師ギルドに確認を取るため、トラブルはほとんど起きていない。
森の精霊との関係は悪くはない。と言うのも、集落内には道士と同じ役割を持つ月の巫女(森の精霊だと浸透するまでは月神の声だとされていたらしい。今も頑なにそう言うことにしている老人も居る)と呼ばれる存在がおり、彼女らが代々の長の相談役を勤め、結果的にだが森の精霊と集落の仲立ちを務めていたようだ。
今は闘争時代とは違って狩猟時以外は平和ボケ気味のほほんとした姿を晒しているが、自らの使命を忘れて牙を失っている訳ではない。有事により身内や集落に危機が迫った時は、在りし日の恐怖の狂犬の姿を現代に蘇らせることを、一切躊躇うことはないだろう。
最期の群民との因縁
最期の群民とは教義に類似点があったこともあり、女神メネフィナと番犬ダラガブを信仰する同士として、ある程度の交流があったらしい。
しかしそれは終末思想に傾倒する以前の話であり、現在交流は断絶してしまっている。それどころか、残党を見つけたら積極的に攻撃を仕掛ける程度には不倶戴天の敵と見なされており、これ以上なく険悪である。
第七霊災が始まる少し前、集落の若い衆の幾名かが教団内の友人を通して終末思想をどっぷりと植え付けられ、教団の手先となって周辺集落から儀式の生贄を誘拐するという事件があったようだ。集落が誇る優秀な狩人である彼らはとても良い働きぶりだったとか。
元々最後の群民と交流があったこともあり、「もしや集落そのものが教団に取り込まれたのでは」と他集落から疑惑を持たれてしまい、当時の長は取り込まれた若衆を切り捨てることを決断。月瞳の猟犬の誇りにかけて離反者を徹底的に追い詰め、慈悲を掛けずに討ち果たすことで潔白の証明とした。
討伐を指揮した長は、やむにやまれずとはいえ集落の若者を連れ戻すどころか殺してしまったという後悔の念に耐えられず引退を表明。その跡目を継いだのがアイリスの義母である。
集落内の排他的な層はこの一件が原因でますます頑なになり、「全部余所者と関わったせいだ。外の人間は災いばかり運んでくる」と外部の人間をますます拒絶するようになった。感情が理解できるだけに、現在の長の頭を悩ませる原因の一つとなっている。
集落内でのアイリスの扱い
最初は「長が捨て犬感覚で余所者を受け入れた」と反発する者も少なくなかったが、引き取られた事情が事情だったのと、アイリス本人が意識的に集落にとって役に立つ存在であり続けようとしたことで、大半から好意的に見られるようにはなった。
しかし、異種族かつ余所者であることは変えようがないため、アイリスをどうしても受け入れられない層もおり、何かにつけて「いつになれば出ていくのか」と問いかけてくるため、ここに永住するのは不可能なのだと否が応でも認識せざるをえなかった。
友人と呼べる存在はいない。作ろうと思って遊びに誘うなど行動はしてみたのだが、同世代は皆狩人としての修行を幼い頃から積んでいた者ばかりで、当時の身体スペック的に差があり過ぎて付いていけなかったらしい。それでもめげずに何度かチャレンジするうちに、彼等が足を引っ張るアイリスのことを気遣ってばかりで楽しくなさそうなことに気が付いてしまい、「これは無理なやつだな…」と諦めてしまったようだ。
子守を積極的に請け負っていたことで年少達には割と人気があったが、友人と言うより遊び道具に近い扱いだった。何より彼らは彼らのコミュニティが既に形成されており、そこに年齢も体格も違う自分が割り込むのは違うと感じたのもあり、深入りは避けたようだ。
義家族達と暮らす家はとても安心できた。迎え入れる決断をした義母はともかく、姉妹達が突然の闖入者に反感を持ってもおかしくない。けれど、彼女らの間でどういう話し合いがあったのかは不明なものの、大した軋轢もなく受け入れられてしまった。それどころか長女を筆頭に過保護ではと思うほど世話を焼かれ、戸惑って恐縮するばかりだった。
しかし数か月も一緒に過ごせば慣れざるを得ず、「家族は助け合うもの。理屈なんていらない」と口々に言う彼女らを受け入れた後は、ぎこちないながらも家族としての絆を結ぶことができたようだ。
別に追放されたわけではないため、旅立ち後も短期間の滞在であれば帰還を許されているが、もう集落とは何の関わりもない人間として生きねばならないと考えていたアイリスにとって、それは容易いことではなかった。
近況報告の手紙を出さなかったのは忘れていたせいもあるが、もうあの場所に戻ることはできないのだから、と意識的に思い出さないようにしていたためでもある。
一時帰郷後、数時間に渡る涙交じりのお説教を終え、請われるままに数日間に渡って冒険話を披露した後、集落から改めて旅立ったアイリスの手には、真新しいリンクパールが握られていた。
(暫定)故郷について
農業を主産業とする、これぞ田舎と言った風体の村。FFCCのファム大農場を小さくしたような雰囲気。
鬱蒼としている黒衣森にしては珍しく、比較的樹々が少なく開けた場所に位置しており、日照時間の多さ故か質の良い野菜の産地として当時有名だった。そのため、地神ノフィカの他に日神アーゼマの信仰も盛んだったとか。
猟師ギルドとの和解後、和解を望んだ新たな長の妹と、和解の協力者であるギルド所属の男性が婚姻を結び、彼の故郷に移り住んだのがきっかけで月狼の集落と交流が盛んになった。
第七霊災後は廃墟と言うのも烏滸がましい有様となり、アイリス以外の生き残りは見つかっていない。当時村を離れていた者が生存している可能性は僅かながらあるが、遺児らしき存在の噂を流しても集落を訪ねてくることはなかった。
ちなみに、アイリス・フローレンスと呼ばれる村民が実際に居たことは事実であるようだ。彼女は花農家を営む一家の娘で、第七霊災当時は既に成人しており、収穫の時期以外は村の外で暮らしていたのこと。彼女の家で育てた花を買い取り、グリダニアに卸した集落の行商人の証言である。
彼女が現在どうしているのか、そもそも生きているのかどうかは不明。足取りを追い掛けても第七霊災直前ぐらいでぷっつりと途切れるため、恐らくあの混乱の中で命を落としたのだろうと結論付けられている。
家族について
月瞳の猟犬達の当代の長である義母と、彼女の娘達である四人の義姉がいる。
義父に当たる人物もいるが、第七霊災真っ只中で住民の避難誘導をギリギリまで行った結果、バハムートの炎の直撃でじゅわっと蒸発したため、アイリスとは面識がない。彼を惜しむ声は未だに多く、人格者であったようだ。
義母:レニ
義母であるレニは明るく朗らかな人柄。長を引き継ぐに当たって指揮に専念するために狩人を引退したもののその実力は健在で、本気で怒ると当時の鋭すぎる眼光に戻るため生きた心地がしない。
「この子をうちの子にします!」と鶴の一声で引き取ったアイリスのことは実子と同等に可愛がっているが、必要と判断すれば千尋の谷に突き落とすかのような容赦の無さも発揮する。
冒険者稼業を勧めた一件については前々から向いていると思っていたのもあったが、代替わりの時期が近づいているのも大きかった。次代の考え次第では準備もままならぬうちに追い出されかねないため、自分が長である今のうちに…と言う訳である。
「もしも母さんの見立てが間違ってて、アイリスが命を落としたらどうするのか」と娘達には詰られたため、とりあえず「危機管理については仕込んでるし、定期報告もするよう言ってあるし、ちゃんと修行を積むよう言ってあるから、実力を越えた無茶なことはしないだろう」と宥めたのだが…。
待てど暮らせどアイリスからは音信不通。けれど他人からは「『光の戦士』アイリス・フローレンスが○○を制圧した」「××を討伐した」「△△作戦で大活躍した」等々やたらと物騒な上に雲を掴むような噂が聞こえてくる。
「どういうこと!?」と連絡を付けようにも絶え間なく各地を飛び回ってるから中々捕まらず、噂の真偽も確かめようがないと来た。
流石に「素直に取引先の革細工ギルドとかを紹介するべきだったか?」とちょっとだけ後悔の念を覚える義母であった。
長女:イノ
集落でも指折りの実力を持つ狩人で、母の後を継ごうと他の狩人と腕を競い合っていたが、ある時集落を襲った大熊(Bモブのフェクダと同種?)から子供たちを守るために大怪我を負い、それが原因で前線を離脱。以前から交際していた恋人と婚姻関係を結び、集落を守りながら次世代の狩人を育てる役目に落ち着いた。
アイリスに槍術の基礎を教えたのも長女。あえて初歩しか教えないことにしたのもイノの判断。本格的に鍛えればかなりの腕利き狩人に仕立て上げられそうな手応えはあったが、そうなってしまったら集落の大人達は彼女を手放さずに囲い込んでしまうかもしれないと危惧したため。
現在第一子を妊娠中。四姉妹の中で一番頼りになるし、一番まともなアドバイスをくれる。
次女:ニオ
商人として獲物から得た皮革素材や肉を売り捌きながら金銭を稼ぐ役目を担っている。母譲りの陽気な性格で尚且つ社交的。
アイリスを発見し救助した行商人とは彼女のことで、彼女を引き取ることを長である母親に熱心に進言したのも次女であるが、その理由は自分の胸にのみ秘めたままにしている。当事者のアイリスにも明かすつもりはないようだ。
そのせいか四姉妹の中で一番アイリスにそっけないが、たまに突き刺さるような視線を向けており、思うところはそれなりにあるようだ。
集落の外で活動していることが多いため、その気になれば他の姉妹よりはアイリスと接触できる機会も多かったが、彼女の活躍が掛かれた記事を集めて集落に送るだけに留めている。
三女:ミナ
長女と同じく狩人で、若手のホープと呼ばれているほどの弓術の達人だが、性格のちゃらんぽらんさが全てを台無しにしている。サボるし怠けるしどこでも寝るし、なのに真面目に狩りをすれば同年代の誰よりも仕留める数が多いので、長である母親の頭痛の種である。
まだまだ閉鎖的な一面の強い集落を飛び出して自由に生きたいと考えているが、故郷を嫌っている訳ではないのでイマイチ踏み切れない。集落の親世代曰く、四姉妹の中で一番若いころの母親に似ているとのこと。
暁月6.0終了後、英雄の称号がどれほどのものか確かめてやろうと思い立ち、帰郷したアイリスに戯れで手合わせを申し込んでみたところ、あっという間に叩きのめされてしまい、現在プライドが木端微塵になっている。
立ち直った時、アイリスを介して大海を垣間見た彼女が何を思うのか。わかっているのは、変化を迎えるのは最早避けようがないことぐらいだろう。
四女:シア
一番下の姉であるシアはアイリスと年頃がほとんど変わらない。狩人としての武術の適性が低かったが幻術の才能があったため、グリダニアの幻術士ギルドで修行しながら負傷の多い狩人たちの世話をしている。
アイリスが来たことで末っ子特権を失った上に面倒を見るように言われたため、彼女のことを忌々しく思っていた。しかし、腹いせに扱き使ったり無茶ぶりをしても、嫌がるどころか大喜びするアイリスに危機感を覚えたたことで、「このちょろ過ぎて早死にしそうな生き物をなんとかせねば」と彼女を庇護する姉としての自覚が生まれた。
最近は治癒術についてより専門的な勉強をするためにシャーレアンへの留学を考えており、入学試験のために勉強中。四姉妹の中で一番外交能力が高く、集落の外との交流にも積極的。
記憶喪失についてあれこれ
暁月終了時点でもはっきりしていない。第七霊災の混乱の中でアイリスの過去の痕跡は消失しているため、恐らく彼女自身が思い出せない限り判明することはないだろう。本人としては今の自分に満足しているため、わざわざ取り戻す必要性を感じていないようだが。
むしろ、戻らないでほしいと思っている節さえある。もしも戻ってしまったらこの五年間の『アイリス・フローレンス』が嘘になって、この世のどこにも居なくなるのではないか、と言う漠然とした不安があるようだ。第七霊災以前の記憶を失っているアイリスにとって、この五年間で積み重ねた今の自分だけが真実である。
とはいえ全く気にならないかと言われればそうでもなく、自分に超える力による過去視が備わっていることを知ったことで、試しに何度か村の跡地に足を運んでいる。だが、過去視の力は自分でコントロールできるものではないため、チラリとも見えたことがないようだ。あるいは、見たくないという気持ちが無意識に発動を妨げているのか。
生き残った理由についてもはっきりわからないが、発見した行商人ことニオ曰く妙な状況で気絶していたようだ。ダラガブの破片やらバハムートの炎やらで村は徹底的に破壊されていたのに、アイリスの倒れていた周辺だけが綺麗な状態だったのだとか。超える力による危機回避能力の萌芽がこの時からあったのか、アルテマウェポンの時のようにハイデリンが守ったのか…はたまた、本当に故郷の人々の先祖達のようにメネフィナの導きがあったのか。神々ぐらいしか真相を知るものはいないだろう。
連れているミニオン
ハンティング・ホーク
名前はリンドウさん。呼び捨てにすると怒るのでさん付け。
冒険の最中、依頼を受けたとある胡散臭い鷹匠(何となくハンコックに似ていたらしいが勿論別人)に言い包められ、依頼料代わりに託された。商売道具ちゃうんか。
金銭感覚が終わっている割に腕のいい鷹匠だったのかよく訓練されており、上空から敵の存在を知らせたり、逃げた獲物を追跡したりと中々有能。
しかし賢いが故か、ぽやっとした雰囲気のアイリスを舐めているようなところも散見され、しょっちゅう頭を小突いたり、髪型をくしゃくしゃにしたり、耳を強めに甘噛みしたりとやりたい放題。アイリスは「こんなに甘えてくるなんて可愛いやつめ」としか思ってないようだが。
数々の冒険を共にしているため旅の相棒と言ってもいい関係だが、最近は主人がどこからか連れてきた青くて尾の長い謎の鳥が傍にいることが増えており、このままでは自分のポジションを奪われるのではないかと戦々恐々しているらしい。
スターバード
終末騒動が終わった後いつの間にか傍にいた、とても見覚えのある青くて尾の長い鳥。
「来る?」と聞いたら肩に乗って来たので、それ以降何となく一緒に旅をしている。何かを約束した訳ではないので、いつまで続くのかよくわからない関係だが、今のところ別れの気配は無さそうだ。
言葉を発しないから「あの子」なのかはわからないけれど、これからの記憶が楽しい思い出で満たされたらいいな、と思っている。
先輩風(と言う名のマウント)を吹かせるリンドウさんのことを「優しい!嬉しい!友達!!」と思っているらしく、たまに追いかけっこして遊んでいる。追い掛けるのは主にスターバードの方。相手は本来追う側の猛禽類なのに。
戦闘能力について
最初は基礎ができている程度で初心者同然の腕前だったが、いざ本格的に訓練を積んだら成長速度が異様に早かった。
最初の師であるイウェイン曰く、集中力がありカンも良いため飲み込みが早いとのことだが、一方で「まるで今まで忘れていたものを唐突に思い出したかのような印象を受ける」とも語っている。記憶喪失との関連性は不明である。
飲み込みの速さは槍術だけではなく他の武術、更には魔法の分野でも発揮されていたが、やる気に左右されてしまうらしく成長速度にかなりムラがある。だが一度やると決めたらとことんやる性質のため、何かしら鍛える動機ができればあっという間に腕前が上がっていく。
色々手を出しても本命のジョブはあくまで竜騎士であり、数々の苦境や死線を乗り越えてきたジョブと言うこともあって、光の戦士としての自分のアイデンティティに近いものとすら思っているようだ。他のジョブは「何かしら竜騎士としての技能に還元できたらいいなー」「組む相手によっては他のロールも少しくらい出来たほうがいいよなー」と言った動機が多かったりするため、こだわりはあまり無かったりする。
竜騎士に執着を抱く一因として、エスティニアンと言うわかりやすい目標の存在も上げられる。かつて対峙した際(新生時代の竜騎士クエLV50)、辛うじてまぐれ勝ちしたものの目も当てられないほどメッタメタのギッタギタの半殺しにされたため、何としても実力で奴を越えてみせると強い対抗心を抱いているようである。
しかし、ハルドラスの再来とまで呼ばれた竜騎士の中の竜騎士である彼に追いつくには、流石に飲み込みが早いだけでは全然足りないらしく、どれほど努力しても未だに追いつくどころか背中すらも見えた気がしないと、彼の技を間近で見る度に落ち込みつつ、闘志を燃え上がらせている。
戦闘の傾向としては、本能と直感で暴れまわる野性的なスタイル。しかし理性や思考能力を失っている訳ではなく、槍を振るいながらも戦場の状況を常に観察し、状況に応じた攻めを展開する。
また、危機的状況に陥るほど底力が出てくるタイプで、どう考えても生き残れないような状況になっても限界を超えた戦闘能力と集中力を引き出し、戦力差を覆して勝利した挙句、何故かけろりと生還するという異様なしぶとさを発揮する。
それは長らくの間、彼女の持つ超える力の作用の一つなのだろうと思われていたが、想いが動かす力の概念が知られるようになった最近では、生存本能がデュナミスの力を無意識に引き出し、戦闘能力を無理やり底上げしているのではないか、と言う説も出てきた。当人からすると「無我夢中でやったらなんか勝った」以外の何物でもなく、真相は不明である。
味方からは敵の前線をこじ開ける突破力や、あらゆる死線からも必ず帰ってくる生存能力、どんな相手でも膝を屈さない怖れ知らずの精神性から「不死鳥が如き不撓不屈の英雄」と評価されるようになった。だがその裏で、不死身の英雄が常に前線を猛然と突き進み、容赦の無い戦いぶりで血風と共に道を切り開いていく苛烈な姿が「まるで自ら戦火を広げて敵を喰い散らかしているかのようだ」と敵味方双方から畏怖されることもある。
上記の評価と常に狩猟用の鷹を連れている姿から、『火喰鳥』や『炎鷹』などと言った二つ名を付けて呼ばれるようになったが、本人は「なんか放火魔みたいでやだなァ…」と仲間に愚痴を零しているため、訂正は求めないものの不本意な様子である。
ジョブ
竜騎士(メイン)
集落で槍術を教わったため、その流れでミューヌに勧められて槍術士ギルドに加入。ギルドマスターのイウェインの指導の下確実に実力を身に付け、色々な偶然から蒼の竜騎士の力を手にした。
この時アルベリクに師事した縁から、同門であるエスティニアンを兄弟子と呼ぶようになった。
竜騎士は竜殺しに特化した能力を持つが、イシュガルド育ちではないアイリスにドラゴン族に対する敵対心はほとんどないため、当初はその存在意義についてあまりピンと来ていないところがあった。
しかし、ニーズヘッグに家族を殺されたエスティニアンを始め、ドラゴン達との闘いにより数多の犠牲が出ていること、竜詩戦争の始まりに関する真実の歴史などを知っていったことで、「悲しみの根源を断ち切るためにこの力を振るいたい」と意識するようになった。
竜詩戦争が終結した現在でも、アイリスが槍に込めるのはそんな気持ちである。
白魔道士(サブ)
下の義姉が幻術士ギルドに所属しているためものは試しと加入してみたところ、意外なことに性に合っていた模様。冒険の合間の手慰みに修行を続けていたらぐんぐん成長していき、いつの間にか白魔道士の力まで身に付けてしまった。幼少期から幻術の修行を続けている義姉シアはそれを聞いて「何なのよあいつー!!」と絶叫したらしい。
ヒーラーとしては最大限大目に見ても、可もなく不可もない程度と自称しているが、暁の血盟は優秀なヒーラーが多いため、基準が変になっているのではと言う声もある。
ちなみにヒールは手厚く余裕を持ってがモットーとのこと。
ガンブレイカー(サブ・修行中)
最初はガンブレードを扱うサンクレッドが滅茶苦茶かっこよかった!と言う理由で、師となったラドヴァンによって手解きを受ける。
当初は技を覚えただけで満足していたのだが、ボズヤ戦線での苦い経験(主にグンヒルド・ディルーブラム)により、改めて真剣にかの国の象徴的なジョブであるガンブレイカーの技に本格的に取り組むことを決めた。
あの時自分にもう少し守る力が有ったなら、救える味方は増えていたのではないか?
たらればの話はいくらしたところでキリがないのは分かっているが、それでも後悔の種を増やさないために、技を磨きたい。
そうすることで、あの時の重苦しく胸を締め付けられるような気持ちが昇華できる気がするから。
関係性の深いNPC(若干暁月ネタバレあり)
ミンフィリア
憧れのお姉さんであり敬愛するボス。同じ超える力を持つ仲間。部下の一人としてだろうけれど、頼って貰えるのがとても嬉しい。ミンフィリアの言うことならばとどんな依頼でも即決で引き受ける様子は忠犬さながら。
集落では「偉い=強い」だったため、戦闘能力を持たないのに組織の長を務めているミンフィリアは、アイリスに強烈なカルチャーショックを与えた。慕っているのは彼女の人間性を好ましいと感じているのもあるが、集落の常識に染まっていたアイリスの価値観を変えるきっかけとなる人間の一人だったのもある。
ミンフィリアが自らの意志で光の巫女となったことをアイリスなりに理解はしているが、経緯が経緯だけに「自分が罠に嵌められなければ別の方法も取れたのでは?」と言う疑念を拭い去ることはできなかった。
けれどリーンに力を託した彼女の消滅を見送ったことで、自分のせいと言う考え方は傲慢だったのかもしれないと思い至る。ミンフィリアとリーンは、彼女ら自身の意思による選択の末にこの結果を導き出したのだから。
ならば自分は自分自身の意思で、ミンフィリアが愛し、守ろうとしたものを守らなければ。それがきっと、アイリスが彼女に報いることのできる唯一の方法なのだ。
そう思うことでようやく彼女を失った喪失感を、本当の意味で受け入れることができたのだった。
イダ(リセ)
暁の血盟にアイリスを誘った存在のため、アイリスの中では暁の先輩と言えばイダ(とパパリモ)のことである。
明るく気さくな雰囲気が故郷の義家族達を思い起こさせるせいか、暁の血盟の中では一番屈託のない話ができる相手。暁を離れたことで道は分かたれたが、今でも休暇とかにたまに会ってはお茶や手合わせをしたりする程度には仲がいい。
以前は先輩として後ろを追い掛ける立場だったが、今は肩を並べて一緒に歩き、共に困難に立ち向かうことができる。立場が違ってしまってもそれは変わることはないだろうと、何の理由もなくても信じられる感じの関係である。
パパリモ
相棒ともに暁の血盟へ入るきっかけになった人物のため、イダとは別方向だが強い親しみを感じている。イダと一緒になって彼を困らせ、面倒が二倍になったと嘆かれることもあった。
ある時親愛の証として試しに「パパさん(名前から取ったのでそういう意図はない)」と呼んだらガチ目に拒否されたため、いつかじっくり話す機会があったら謝罪して「リモさんならいい?」と聞いてみるつもりだったが、ついにその機会が訪れることはなかった。
彼もまた、アイリスの心の傷痕となった人間の一人である。
アルフィノ
最初は(多分)年下なのにすごいなあ、頭良いんだなあと思いつつ上司の一人として接していたが、多くの戦いと苦難を共に乗り越えたことで強固な信頼関係を築くに至った。気分的には運命共同体である。
アルフィノにはこれからも自分の信じた道を真っ直ぐに進み続けてほしいし、そのために役立つならいつでも自分の力を貸したいと思っている。彼の理想の行く先はきっと素敵な未来に繋がっていくと思っているので。
要所要所での情けない姿を一番多く見せている人物でもあり、できれば忘れてほしいと思っているが、そこはお互い様なので多分忘れてくれない気がする。
アリゼー
彼女から寄せられる信頼と好意を何となく感じているため、その期待に応えられるような人間でいたいと考えている。
緊迫した場面でアリゼーの視線を感じると、「しゃんとしなくちゃ!」と気合が入る。アリゼーの前では普段の二割増しくらいキリっとしている。
その反動で平時はゆるーっと弛んだ感じに振る舞っており、「どっちが年上なんだか!」と呆れられてもいるようである。
自分にばかり頼れないと努力する彼女を応援しているが、内心もっと頼ってほしいし寧ろお姉ちゃんだと思って甘えてほしいとも思う。でも彼女は望まないだろうし、仮にそうされたら感激と気恥ずかしさで撃沈するかもしれないとも思う。幸せな悩みである。
エスティニアン
竜騎士としてアルベリクに師事する同門のため、蒼天時代に合流して以降は兄弟子と呼んでいる。なぜか名前では滅多に呼ばず、相棒と呼ぶのも避けている。
どうやら昔ボコボコに叩きのめされた件をかなり引きずっており、素直に友好的な態度を取ることが出来なくなっているようだ。勿論嫌いなわけではないし、寧ろその強さに憧れと尊敬の念を持っているぐらいなのだが、見事に拗らせてしまっている。
エスティニアン側からすると、他の仲間と比べて妙につっかかってくるなぐらいの印象らしい。しかしまあ、何のかんの言って戦闘ではばっちり連携を取れるし、手合わせを挑まれる際も槍筋からは純粋な競争心しか感じないため、兄弟子に対する『甘え』のようなものかもしれないと感じているようだ。面と向かって尋ねると不機嫌になって、面倒くさいことになりそうだから言わないが。
案外、口や態度で表すよりも槍を交わし合う方が素直で雄弁に語り合える関係なのかもしれない。
正式に暁の血盟に所属して以降は一緒に行動する機会が今までの何倍も増えたこともあり、緩やかではあるが徐々に態度を軟化させつつある模様。
グ・ラハ・ティア
クリスタルタワーの件でもう二度と会えないと思っていたため、また会えたことが素直に嬉しい。第一世界での再会でも涙ぐんだが、原初世界で改めて再会したときは足元から崩れ落ちるほどわあわあと大号泣してしまい、目覚めたてのグ・ラハをあわあわと狼狽えさせてしまった。憧れの英雄が台無しである。
本人も希望していたしどんどん冒険に連れ出したいが、バルデシオン委員会での活動が忙しそうだし、なのに冒険に誘ったらどんな修羅場からでも無理やり駆けつけて来そうな勢いなので、若干どうしたもんかと頭を悩ませている。けれど「本人楽しそうだしまあいっか」と棚上げすることが多い。
いつか、回顧録「蒼天のイシュガルド」に書かれていない冒険について腰を据えて話してみたいし、グ・ラハの水晶公時代の話もじっくり聞いてみたいと思っている。
ゼノス
滅茶苦茶苦手。闘いによる悦楽を至上の目的とし、そのために周囲のありとあらゆるものを利用できてしまう価値観がまず理解不能。その上で同類判定されて友認定されるのが更に意味不明。ぶっちゃけ恐い。しかもなんか生き返ったし。
それでも「勝負を仕掛けてくるならば受けて立つ」程度には許容できていたのだが、体乗っ取られ事件(寒夜のこと)で心の地雷原を絨毯爆撃されたことで、不倶戴天の敵であると認識。色々落ち着いたら最優先抹殺対象にしようと心に決める。
しかしウルティマ・トゥーレでの最終決戦の際に、確執含めてなんかもうどうでもよくなったため「お前と言う厄介な宿題をここに残すことはできない」と言う建前で彼との決闘を受け入れた。
おかげで危うく死ぬところだったし(実際それならそれで仕方ないと覚悟もしていた)、仲間に随分心配を掛けてしまったけれど、多分あの選択を後悔することは一生ないと思っている。
悔しいけれど、あの決闘は今までの戦いの中でも指折りの愉悦をアイリスに齎し、事情も世界も仲間すらも一旦忘れて没頭できるほど自由だったから。
オルシュファン
アイリスにとって心の友であり最大のトラウマ。旅立つ前まで友人と呼べるような存在を得ることができなかったアイリスにとって、真っ直ぐに友と言い切って窮地に手を差し伸べてくれたオルシュファンは、友達の概念そのものになるほど強い印象を残した。
自分もこの人のように、躊躇いもなく友のために手を差し出せる人間でありたいという、憧憬のような気持ちもあった。
それ故に教皇庁の一件で自分をかばって死んだ彼の血塗れの姿が忘れられず、自分の無力さへの憎悪と共に心を長い間苛む傷痕となってしまった。
それでもそれなりの時間が経ったことでようやく心の整理がつき、少しずつ彼の死とそれに纏わる感情を受け止められるようになり、最近では彼との楽しかったり嬉しかったりした記憶も思い出せるようになってきた。
暁月後現在のアイリスにとって、オルシュファンの記憶は心の中に灯される暖炉の炎のような温もりを持ち続けており、大切に大切に胸の奥に仕舞われている。
アシエン達(主にエメトセルク)
どう足掻いても相容れない敵だし、沢山の人々や仲間たちを傷付けたことは絶対に許せないが、敵愾心を保ち続けるには彼らの過去や想いを知り過ぎてしまった。
目的が噛み合わないので同調することはできそうもなく、これからも次元圧壊を狙うなら敵対せざるを得ないけれど、それでも彼ら古代人が確かに存在していたこと、様々な考えと想いを持つ人々であったことをを覚えていたいと思う。それはエメトセルクに言われたからだけではなく、彼女自身もそうしたいと感じたからだ。
エメトセルクのことは最後に滅茶苦茶煽り倒しやがってとカッカしているが、ウルティマ・トゥーレの一件でアーテリスからこれ以上なく遠いところに辿り着いてしまったことで、冒険者人生の終着点としてこれ以上の場所はもう見つからないだろうな、と激戦続きもあって弱気になっていたのが原因である。時に人間は図星を突かれると激昂するものだ。
けれどもしあの言葉で奮起できなかったら、デュナミスが不足してアーテリスに帰還できなかった可能性があるし、まだまだこの世界は未知に満ちているのだと気づかせてくれた点に関しては少しだけ…ほんの指先ぐらいには感謝しているようだ。
ヴェーネス
星の生命の営みを見守ってきた彼女なので、第七霊災でアイリスに起きた真相を知っている確率が高く、アイリスが生き残れるよう何らかの干渉をした可能性もそれなりにあったが、結局聞けずじまいで最期を見送ることになった。自身の過去を受け入れる自信がなかったアイリスには、問い掛ける勇気は持てなかったようである。
それでもいつか答えを出せたその時には、どのようなものであっても改めて感謝を捧げたいと思っている。彼女の導きで今自分がここに居ることは間違いのないことなので。
きっと届くはずだと信じている。例え魂すら残さず消滅したとしても、この星の生命の歴史が紡がれていく限り、彼女の残した想いもまた不滅なのだから。
あとがき
ここまでお付き合いいただき、誠にありがとうございます。
いやまじで、本当にありがとうございます。我ながらどうしてこんなにも長くなってしまったのか…。
「設定厨TFSさんで紹介されたら公開しよーっと!」と思いながら、ポチポチ地道に加筆修正しまくっていたらこんな量に。恐るべし雪だるま式。
このアイリス・フローレンスと言う名のミッドランダー、私とは新生時代(パッチ2.2のちょい前ぐらい)からの付き合いでして。当初は大した設定とかは無くて、純粋に自分のアバターとして生み出された女性でした。
それなのに、こうして一人のキャラクターとして自我を持たせる作業をしてみたのは、守護神としたメネフィナ様がきっかけだったのです。公式設定だと、主に信仰しているのはミコッテのムーンキーパーなんですよね。
なのに、ヒューランであるアイリスが自分の守護神としている。その違和感に自分なりに理屈を付けようとこねくり回した結果がこれと言う訳ですね。
あれ、おかしいな。最初は「ムーンキーパーに育てられた孤児」ってだけだったのにな。何でこんなに盛ってるんだ…???
と疑問を呈してみましたが、大まかな設定を補強するためにエピソードを付け加えていって、長年の付き合いによる思い入れと思い出を味付けしていったら、「そりゃこんな大皿になるのも必然だろうよ」と言えるのかもしれません。
…まあそういったこととはまた別に、多少手癖でぽんっと設定生やし過ぎた感は否めないですが。何だよ四人の義姉って。ノリで増やすんじゃないよノリで。首締まったでしょうが。
などと過去の自分の所業を責めたところで仕方ありませんので、振り返るのはこの辺で。じゃないとあとがきまで長々と長くなってしまいそうですので。
こうやって自機と自分を切り離し、「君はどんな子なの?」とじっくり向きあう時間はとても楽しいものでした。けれど、こうして編集するたびに、書き足したいこと、変更することが増えていくばかりで、どこまで書いても未完成と言う気がしてなりません。
けれど、光の戦士としての物語は暁月で一区切り迎えても、サービスが続く限り常に変化が訪れるでしょうから、それでいいのだろうなとも思っています。なので唐突に記事の内容が変わったりするかもしれませんが、どうかご容赦を。
それではこれにて失礼!いつかまた、何かしら書きたいと思います!
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