[腎臓移植患者の治療記]故人を偲ぶ時間の切なさ、重さ、ライターの業
夜中にかかってくる電話が苦手だ。
若い頃は友だちや付き合っている異性からの連絡を心待ちにしていたのに、大人になってからは仕事のトラブルばかり、そして訃報の連絡。たぶん、他の人より訃報の連絡を受け取ることが多いと思う。抱えている病気が病気だから。
万波医師のもとで腎臓移植手術を受けた。
長い入院生活で患者同士、連絡先を交換することはよくある。その人たちが残す手帳やアイコンの連絡帳に電話番号が残っているのだろう。
残された遺族の方々は故人と自分の距離間が分からぬままに、とりあ