本当のところ『ブラックリスト』 は存在するのか
借金の返済やクレジットの支払い等で延滞や踏み倒し、 はたまた自己破産などの事故を起こすと、俗に「『ブラックリスト』 に載る」 と表現されたりします。 ブラックというといかにもいけない情報が乗っているようなイメージが喚起されますし、漫画やドラマなんかでは、本当に黒い表紙で表されたりすることもありますね。
ですが、 ブラックリストなるものは、現実には正規の貸金業としての仕組みには存在しません。 正規の、と書いたのは、いわゆる裏社会でそういうものがある可能性は否定できないからです。これは把握の仕様がありません。もしあるんだとした、自分がそこに載るのだけは勘弁、という感じですよね。
さて、正規の仕組み的には、冒頭述べたような事故の情報だとか、個人に関する信用情報 (その人の氏名・住所・勤務先などの基本的な属性、 契約内容、 取引履歴など) が、 「指定信用情報機関」というところに登録されているのです。
指定信用情報機関とは何やら固い感じのする名称ですが、きちんと法律で設置が義務付けられた組織であり、法の指定に基づくのでそういう名前なのかもしれません。
現在日本には3つ (3社) の指定信用情報機関があり、それぞれクレジット系、消費者金融系、 銀行系などと、 それっぽく利用対象ごとに管理先が別となっています。何か登録対象となるような金融取引をすると、このどこかにその情報が登録されます。もっとも、必要な情報(お金を貸す側が特に気にする、事故情報とかですね)については、3社間で共有される仕組みになっています。
貸金業者は、自分の顧客情報をこの指定信用情報機関に提供し、 その代わりに当該顧客に関する他社の情報を指定信用情報機関から得ることができます。 そのため、 誰がどこからいくら借りているか、というような情報が統合的に把握できるというわけです。
ブラック(事故履歴などのネガティブ)な情報が載ってるといえばそうなんですが、例えお金を借りていてもきちんと返したり正しい行いをしていれば、それはある意味ホワイト(ポジティブ)な情報でそういうのも含めて全部記録されますから、ブラックリストとはちょっと違うかなということです。
そういうわけで、自分が他社からは借りてません、とウソをついても、調べれば簡単にバレてしまいます。(実際、ほとんどのまともな業者は、指定信用情報機関の情報を参照することが出来ます)
次回に続きます。
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