私は○○研究の第一人者
「マミーギルト」という言葉をご存じですか?
子どもや家族、仕事に対して罪悪感を抱き、自分を責めることです。
「感情的に子どもを叱ってしまった」「仕事で忙しく子どもと一緒にすごす時間が短くて申し訳ない」「毎日お総菜など同じような料理ばかり」「保育園に預ける時に泣かれると辛い」
罪悪感を持つこと自体は、人間関係を構築する上で健全な感情と言えるのですが、
良き母・良き妻の呪縛に苦しんでしまう方が多いそうです。
社会が生み出した理想像は、無意識の思い込みに過ぎないのですが、
社会的・文化的な背景が強く根付いているように感じます。
私も二人目を出産後に、このステレオタイプに振り回されました。
「私が間違った子育てをしたら取り返しがつかない事になるのではないか?」という強迫観念さえありました。
周りの方と比較をして、家事も育児も上手くこなせなければ!と完璧主義だったと思います。
常に子どもの発育や栄養管理や生活習慣の心配ばかりしていました。
仕事だけをしていた時は、家族に「申し訳ない」と不甲斐ない気持ちになったことはないのに「なんで今の私はこんなにダメなんだろう」「母親失格」
そんな時に夫から言われて救われた言葉があります。
「仕事をしていた時は○○の役職だったけど、今は子ども達の研究の第一人者になったんだよ」
そっか!私は専業主婦ではなく、研究職に転職したのか~。息子・娘の研究については、毎日一緒にいるんだもん。誰にも負けない自信があるよ。
退職後は大人との会話が極端に減り、「妻」「母」それ以外に自分の役割が見出せず、社会から孤立したように感じていたのかもしれません。
(前回の記事にも書きましたが)その時から、研究者の意識で子どもを観察するクセが付いたんです。
子ども達の特徴を把握すると、兄妹でも全然違うことが分かりました。
仮説と検証を繰り返し情報収集をする、論理的思考が役に立ちました。
そして、私の子育ての基礎になった方法があります。
①「自分との対話」
「どうして子どもや夫に申し訳ないと思うのか?」「子どもと長く時間を過ごした方がいい根拠はあるのか?」「子育てに正解はあるのか?」「本当に他人に迷惑をかけているのか?」「何が一番辛いのか?」「本当は何を大切にしたいのか?」
本当は、家事・育児をして、今日も子どもが生きている…それだけでもすごいことなんです。さらに仕事や介護をしている方もいると思います。
今思えば、初めての妊娠・出産・子育てを、毎日たった一人で試行錯誤して積み重ねた経験はかけがえのないものです。
たくさんの質問を投げかけて掘り下げ、自分としっかり向き合うことは、現状を把握し無駄な悩みを減らす事。
そして頑張っている自分を労い癒すことにも繋がると思います。
②子どもとの対話
もし「ママともっと一緒にいたい」「学校に行きたくない」と言われたら、
まずは感情を共有することから始めてみてください。
「そうだよね。悲しいよね。もっと一緒に遊びたいよね」
そして、子どもに「あなたの存在が大事」だと伝え、「一緒にいたいけど仕事に行かなければいけない」自分の辛い気持ちも正直に伝えてみましょう。
一度では伝わらなくても、何度も愛情を言葉にしてください。
親が自分を理解してくれると分かるだけでも安心感が生まれるからです。
子どもに質問したら、なんて答えるかな??(ワクワクしませんか?)
ずっと観察し情報が集まったら、それはあなたの貴重な財産になります。
お腹がすくと機嫌が悪くなる。遊びに集中すると周りの声が聞こえなくなる。ママと目が合うとニコッとする。
子どもを探究する時間は、とても愛おしい大切な記憶になりますよ。
だから大丈夫。
あなたは、子どもの事を誰よりも詳しく知っている研究者だから。
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