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父の人生
私が覚えているのは朝から晩まで働いている父の姿
亡き父にもし今「自分の人生で一番誇らしかったのは何?」
と聞いたら、多分
「俺は、親の借金返して、兄弟育てたし
子どもも三人ちゃんと学校へやって育て上げた
困っている親類たちも人も何人も助けた」
と言うだろうなと思った
父は10人兄弟の上から2番目
成人した弟妹は3人
5人の弟妹を亡くしている
母を亡くした従兄弟兄弟を引き取っていた時期もあるし
その時、従兄弟の一人が病死している
父のとって目下の人間が死ぬのは当たり前ながら
とにかく許せない事だったのだろうなと思う
父の遺品を整理していたら
三歳で亡くなった叔父の写真がでてきた
写真の裏に父の字で
「無念ヤル方ナシ」と書いてあった
今度実家へ帰った時
父の遺影の後へ入れてやろうと思う