昭和の小学校2

兄が小学校へ入学したときは、まだ給食はなかった。
「お腹空いていないから遊んでくる」と
給食時間外で過ごす子もそれなりに多かった。
また、教科書も自費で、古いくたびれた教科書を持ってくる子や、
毎日忘れたと言って隣の子に見せてもらう子も多かったらしい。

私が小学校一年の時
先生が「今度から、教科書の無料配布の始まったから、
皆さん家から判子持って来てください」と言われた。
印鑑を持っていくと、名簿に印鑑を押してから返してくれるのだが、
結構いい加減な先生で、同じ苗字の子ならば、
「これでいいや」とぽんぽん同じ苗字の欄に押していた。

そして、「あ、○○君と◇◇さんは生活保護だから、
印鑑もってこなくていいよ」
といったもんだから、生活保護の家庭が全部ばれていた。

また、給食が始まり給食費は
毎月生徒たちに給食袋が配られ、
生徒が職員室へ給食袋を届ける制度だったので、
生活保護家庭の子には給食袋は配られない事により
生活保護家庭がはっきりわかる事となった。

ただ私の住んでいる校区は生活保護家庭が多く、
兄の世代は半数が生活保護家庭で
私のクラスは40人中10数人もいたので
さほど問題にはならなかったのだが
世間的には大問題だったらしく、
次の年には教科書の無料配布は印鑑なしになり、
給食費も生徒たちが持ってくることのではなく
銀行振込になった。

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