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自分にとっての「最高のステージ」

自分の能力を生かすためには、どの舞台が一番
自分のチカラを発揮できるのか、ということを考える
機会があり、息子の話を思い出した。

うちの息子が幼稚園児の頃の話。
彼は、将棋が得意だった。
夫は、彼の将棋の力を伸ばしたいと思い、将棋会館に
通わせることにした。

将棋会館には、上級クラスの小中学生がたくさん通って
おり、日曜日の朝早くから将棋に熱を上げていた。

そこは、勝負の世界。
勝ち進んでいくと、級が上がっていく。
例えば9級の子どもが5級の子に何勝かすると
級があがる、といったぐあい。

しかし、うちの子どもは、常に勝ちたかったわけでは
ない。
その戦略を考えるのが好きだった。
その自分で考えた戦略で勝利する、ということに
喜びを感じていたのであり、相手を倒すことに
興味はなかったように思う。

よって、相手を負かすことに興味があまりないため、
強く勝ち進むこともない。
負けが込んでいく。
どんどん、やる気がなくなっていく。

結果、1年くらいで級も上がらずやめてしまった。

夫は、最高のステージを踏むと、「才能は伸びる」
と考えていたのだろう。
しかし、息子のようなタイプには不向きだった。

彼にとっての最高のステージは、ご近所さんの小さな
将棋教室だったように思う。
そこで勝ち進んでいき、「勝つ」喜びと自信を持った時に、
自分自身で、「もっと大きな舞台で勝負したい」と
思ってから将棋会館のような「名門」で、将棋を
していたら、もっと伸びたように思う。

それでも彼は今でもボード系ゲームは大好きであり、
その戦略を考えるのが大好きなんだな、と見ていて思う。
将棋に麻雀、チェスも大好きだ。

自分にとっての「最高のステージ」どこか?

親が子どもに、「最高のステージ」を「用意」する時代
では、なくなった。
今や個性の時代、と私は感じている。

超有名企業に勤めることが、幸せな人もいれば、
小さなファミリー感のあるオフィスのほうが、
居心地がいいと感じる人もいるだろう。

名門高校や名門大学に合格したものの合わなくて、
翌年違う学校へ編入や再受験、という話もよく聞く。

では、自分がどういうタイプなのかわからない時は、
どうすればよいのだろうか?
これはいろんな体験を踏むしかないように思う。

老若男女問わず、人に言われると、
「そんなことは(そんな性格では)ない」と言いがち
なのだが、自分で体験して振り返ると、
「ああ、○○さんの言ったとおりだ」と感じるのは
よくある話だと思う。

習い事やゲーム、あるいはアルバイトができる年齢
ならばそれは大きな経験で、自分の体感を通じて、
自分がいつもどんなことをするのが好きか、ということに
気づいてほしい。
早く気が付けば、自分にとっての「最高のステージ」は
見えてくると思う。

今、進路をどうしようかと悩んでいる子どもたちが
多い季節。
中高生は学校選びの真っ最中だ。
早くから決めて、目指して勉強している子もいれば、
「ここに行けたらいいや」と考えている子もいる。

大人も、転職が日常茶飯事となってきている。
TVのCMを見ても、転職系のCMの多さに驚く。

親が決めたんじゃない。
自分で選んだ進路。
だからこそ、もし違っても立ち直ることもできる。
「違った」という経験で、自分を知ることができた。
これは大きな糧だ。

みんなが進んだその先が、「最高のステージ」で
ありますように。


#創作大賞2024 #エッセイ部門

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