「捨てる勇気」
「俺の物は俺の物、お前の物は俺の物」
ドラえもんに出てくるジャイアンの有名な言葉。
どうもこの言葉は、のび太が失くしたランドセルをジャイアンが必死に見つけ出した時の言葉らしい。
「なんでそこまでしてくれたの?」と言うのび太の質問に対する応え。
言葉だけを聞くと勘違いしがちだし、そもそもジャイアンの性格からして、勘違いしても致し方ない。
そこで、
「貴方にとって大切なものってなんですか?」
と訊ねてみるといい。
その時、答えが見つからない人や決められない人は、"物を持ちすぎている"人である。
物を持ち過ぎている人は、一番大切な、"頼るスキル"を持ち合わせない。
仮にお金を稼げなくとも幸福に生きられる人は、この"頼るスキル"を持っている人だ。
そして、"頼るスキル"を持つ人は、"頼られるスキル"をも併せ持つ。
どちらかが欠けていると、両方とも成り立たなくなる。
何一つ頼れない友人から頼られても、普通は迷惑な話と思うだけだが、いつもお世話になっている人から頼られれば、必ず応えようという気になる。
のび太は、この"頼るスキル"を持っていた。
だから誰かが助けてくれる。
そして誰にも優しくするという"頼られるスキル"もある。
そしてジャイアンは"頼られるスキル"を持っていたからこそ、二人の友情が成立する。
そして、出来ないことも明確である。
自分に出来ないことを増やす。
やらないこと、任せることを増やす。
つまり、"出来ることの断捨離"が出来る人が、多くの友人たちと良い関係を保てるのである。
捨てる勇気。
難しいかもしれないが、多くを持とうとしないこと。そして手にした物は大切にすること。
幸福に生きようと思うと、それが要なのである。全てを上手くやりこなそうなどと言うのは、所詮、幻想でしかない。
僕にとって大切なものは、もちろん愛する人や仲間ではあるが、気づいたことを誰かに伝えるという使命である。
それをこれからも大切にしていきたいと思う。