見出し画像

ゴミ捨てのジレンマ:ゴミ箱はどこへ?


 先日駅でお茶を買って実家に帰った時のことでした。お茶を飲み終わり、ゴミ箱を探していたけれども、自販機の横にもありません。仕方なく実家に持ち帰りました。本当に街にはゴミ箱がなくなっています。
町からゴミ箱が消えた理由はいくつかあります。
地下鉄サリン事件を契機に、テロに使われる可能性があるとの理由でゴミ箱が撤去された、と聞いたことがあるし、
また、ゴミの不法投棄や、管理の手間、さらには環境への配慮から、
自治体がゴミ箱を撤去する決断をしたのではないでしょうか。
しかし、ゴミ箱がないことで人々は新たな
ジレンマに直面することになりました。

日常茶飯事にお目にかかるポイ捨ての光景


街中を歩くと、買ったばかりの飲み物のペットボトルや、お菓子の包装紙を持ったままの人々が目に入ります。どこに捨てればいいのかわからず、
手に持ったままウロウロする姿がなきにしもあらず。時には、周囲の視線を気にして、仕方なく紙袋や空き缶をカバンに入れたり、ポケットに入れたりする人もいます。そして、ポイ捨てする人もいます。
「どうしてこんなことになったんだろう?」と、心の中でつぶやきます。
便利さや合理さ、経済性を追求するあまり、
公共の場からゴミ箱を取り除いた結果、
今度は自分たちが不便さに直面してきています。

新型コロナウイルス対策緩和の影響でインバウンド(訪日外国人)など観光客が戻り出している昨今、観光客の3割ほどが「なぜ日本にはゴミ箱がないのだ?」と不思議がり、街角にゴミ箱を再び設置する動きが観光地などで広がっていると聞きます。


たくさんの観光客


それでも、誰もがゴミを持ったまま歩き続けます。町の美しさを保つために、ゴミを捨てる場所を探し続ける一方で、日本人は他人に迷惑をかけたくない気持ちも強いと思います。周囲を見渡しながら、結局は捨てる場所を探すこと自体が一つのストレスになっているのではないでしょうか。
「ゴミ箱があったら、簡単に捨てられたのに。」そんな思いが、町を歩く人々の心に渦巻いています。ゴミを捨てるために何度も立ち止まり、周囲を気にしながら、結局そのゴミが自分の手元に残り続けます。



このジレンマは、ゴミを持った人々だけでなく、町全体に影響を及ぼしています。ゴミ箱がなくなったことで、個々の意識が高まることを期待されている反面、現実はそう簡単ではありません。人々は、心の中で葛藤しながら、日々の生活を続けていいますが、それよりも早く何らかの条例でゴミ箱を最小限設置することを願います。
でないと飲料缶やペットボトル専用のゴミ箱がこのようになってしまいます。


飲料缶専用ゴミ箱の悲劇


最後までお読みくださりありがとうございます。
 

いいなと思ったら応援しよう!