僕と2B 12-1

僕と2Bと六花の3人は、僕の部屋から車で小一時間のところにある最近出来た商業施設に来ていた。
国内最大手のショッピングモールだ。
スーパーの他に180店もの専門店があり、スクリーン数15を誇るシネコンも併設されている。
レストランやフードコートも充実していて、1日過ごすことができる。
建物は、巨大なドーナツ形の4階建てで、センターラインの両側が開いていて、そこにそれぞれスーパーとシネコンがある。
ドーナツ形の4階までの吹き抜けを挟んで両側に通路があり、お店は通路に面していた。
建物の周りには、収容台数3000台の広い無料駐車場がある。
車を駐車した場所を覚えていないと、探し出すのは困難を極める。
僕は、大きなショッピングモールに来る時は早めに来て、駐車場のエリアを表示した看板のすぐ近くに停めるようにしている。
念のため、スマホで駐車しているところの写真も撮っておく。
今日も、デッキバンをA-1と表示された看板の近くに停めた。
助手席から六花が、後部座席から2Bが降りてきた。
六花は白いTシャツに黒のキャミソールワンピース。
膝上までのミニ丈だ。
六花はどんな服を着ても、とてつもなく大きな胸を隠すことはできなかった。
今日も、バスケットボールよりもはるかに大きな膨らみが、歩くたびに激しく揺れていた。
僕も白いTシャツに水色のシャツを羽織っていた。
下は安定のジーパンだった。
2Bはいつもの正装だった。
黒い目隠し状のゴーグルも着けている。
僕はともかく、六花は巨大なおっぱいで、2Bはその容姿ですれ違う人々の視線を集めていた。
特に、2Bはコスプレをしていると思われているようで、たまに一緒に写真を撮ってもいいか、と声をかけられることが少なくなかった。
知名度抜群の有名なキャラなので、コスプレと思われていた方が都合が良かった。
2Bにとっては初めて見る風景、光景のはず。
キョロキョロ周りを見回したり、目隠し状のゴーグル越しでも、目を輝かせているのが分かる。
「9Sと来たかった。」
ふと2Bがつぶやいた。
「そうやんな、9Sと『来れる時が来たら一緒に来よう。』と約束してたもんなぁ。」
と六花が言った。
「9Sの分も楽しめばええねん。」
いと僕。
「ナインズもこない言うてるんやから、楽しまなアカンで。」
「分かった。」

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