義体ドール 3-4
パソコンとコントローラーの同期、コントローラーとドールの同期と各モーションのインストールを終わらせる。
「さぁ、駿、お待ちかねの刷り込みの瞬間やで。」
「待ってましたぁ!」
「まず、ベッドにした充電台を椅子モードにする。」
「寝かしてるとこを起こしたらええんやんな?」
「ゆっくりとやで。ドールを落とさんようにな。」
「分かってるって・・。おぉ、めっちゃ可愛いやん。」
ドールが脚を伸ばしてちょこんと座ってる。
「ドールの前まで行って、ドールの顔を見て。」
「なんや、めっちゃ緊張するなぁ。」
「さぁ、いよいよやで。ドールの名前を呼んで起こしてあげて。」
コホンと小さく咳払いをして、ドールに呼びかけた。
「おはよう、ビワちゃん。起きて。」
駿の声に反応してドールが目を開いた。
ドールが駿を見る。
コントローラーのモニターに駿の顔が映し出された。
「私がユーザー。」
と駿がドールに言うと、ドールがこくっとうなずいた。
「あなたの名前はビワハヤヒデ。」
推しのキャラクターの名前を告げる。
モニターに
「私はビワハヤヒデ?」
と確かめるように表示されたので、駿がもう一度ドールの名前を告げた。
「私の名前はビワハヤヒデ。」
と表示され、ドールがこくっとうなずいた。
「そう、あなたはビワハヤヒデ。私はしゅん。」
「あなたはユーザーで、名前はしゅん。」
「うんうん、うちは駿。あなたはビワハヤヒデやけど、長いからビワちゃんって呼ぶようにするからね。」
「はい、うちはビワちゃん。」
「おお、すごいやん。自分のこと、うちって言うたで。」
「もうAIが学習始めてるんや。」
「もう、か。早いんやなぁ。」
「これからどんどん学習していくで。」
「せや、服着せてあげんと。いつまでも素っ裸は恥ずかしいやんなぁ。」
そう言って駿は一緒に買ったショーツとブラそれに赤いジャージを着させた。
48系の服は、ビワハヤヒデの衣装にリフォームするらしい。
私はそのための、ビワちゃんのトルソーを作って上げることにした。
やっぱり仲間が増えると嬉しいやん。
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