僕と2B-6
Chapter 6
「こんでええかなぁ。」
何店舗か回って六花が言った。
「ワンシーズンは充分着られる分は買うたよ。」
と、パンパンに膨らんだ大きめのマイバッグを僕に渡した。
「サンキュー、六花。助かった。」
「さて、お待ちかねのお昼のじっかん~。何にしようかなぁ。」
「あんまり高いのは勘弁してな。」
「分かってるって。2Bさんのために結構使うたもんな。そろそろヤバいんちゃうん。」
「ははは、ご明察。」
六花はリーズナブルなイタリアンレストランに入った。
ファミレスっぽいその店には僕もよく行く。
僕と六花は食べたいメニューをオーダーした。
「2Bさんは食べへんの?」
オーダーしない2Bに聞く。
「あぁ、2Bはこれやねん。」
と僕は持ってきたプロテインバーを2Bに渡した。
「へぇ、そうなんや。ゲームでは鯵を食べると死んでまうことしか分からへんもんな。」
「水を入れてくるよ。」
僕は席を立つと、3人分の水をコップに入れて来た。
買い物中も、今も、2Bの注目度は凄かった。
まさか本人がいるわけが無いから、コスプレだと思ってるんだろう。
昼食後、大学に戻った。
研究室に入ると、白戸教授がいた。
助手のナオミさんから聞いていたんだろう。
教授が興味津々な表情で2Bを見ていた。
「先生、こちら僕のいとこで戸部二美と言います。戸部ちゃん、こちらが工学部ロボット工学科教授の白戸先生。」
「初めまして、白戸玲子です。よろしくね。」
と手袋をしたままの2Bの手を握る。
「司令!」
「あらやだ、私、しれいじゃなくてしらとよ。」
確かに白戸先生は、背も高いし髪も長くて美人だし、司令官に見えなくもない。
いつもチャイナドレスみたいな服を着ているからよけいそう見えるのかも。
これで研究室のメンバー全員に2Bの紹介が終わった。
六花を彼女の家の前まで送ってから、部屋に戻って来た。
さて、いつまで僕のいとこで通用するだろうか。
本当の事を言っても信じてもらえないだろうし。
帰ってすぐに、衝立を作った。
2Bが着替える時の目隠し用だ。
晩ご飯は、帰ってくる途中のスーパーでお弁当を買ってきた。
2B用のプロテインバーと精製水もいっぱい仕入れてきた。
晩ご飯を食べ終えて、僕はシャワーを浴び続けて2Bもシャワーを浴びた。
本来、メンテナンスで各部の洗浄を行っていればシャワーを浴びる必要は無いんだけど、現状メンテナンスを受けられる状況では無いからね。
僕がソファに座っていると、2Bがシャワールームから出てきた。
その姿を見て、僕はひっくり返りそうになった。
六花のヤツ・・・。
2Bは、ブラジャーとショーツこそ着けていたものの、シースルーの生地だったので、透け透けで全部丸見えだった。
僕の誕生日の時の六花の格好と同じだった。
「2B・・・それって・・・」
「6Oが『おしゃれは女子のたしなみですから。』と言ってたから。」
「それは、たしなみとは違うから。」
「では、着替えます。」
と目の前でブラとショーツを脱ごうとする。
正真正銘の全裸になってしまう。
「もう、今夜はそれでいいから、明日は気をつけるように。」
「承知。」
「それと・・・」
2Bにはどうしても伝えておかなければならない事があった。
それは、『アシモフのロボット三原則』だった。
第1条 ロボットは人間に危害を加えてはならない。 また,人間へ危害が加わるのを看過してはならない。
第2条 第1条に抵触しない範囲で, ロボットは人間の 命令に従わなければならない。
第3条 第1,2条に抵触しない範囲で, ロボットは自 分を守らなければならない。
というものだ。
僕が説明している間、2Bはじっと耳を傾けていた。
戦闘用アンドロイドといっても、人類を守るのが使命だから大丈夫とは思うけど。
それから、2Bはベッドに僕はソファで眠りについた。
その夜、僕はエロい夢を見た。
朝目が覚めると、僕はすぐにパンツを触って確認した。
パンツの前には精液がべっちょりと着いていた。
夢精なんて最近無かったのに。
あんな夢を見たからだろうな。
夢の内容は過激なので割愛する。
僕は2Bにバレる前にパンツを履き替えた。